注目の新潟県知事選 原発慎重派の花角英世氏と池田千賀子氏の事実上一騎打ち 両候補の経歴と政策を紹介

(写真左から:立候補を予定している安中氏、山口氏、池田氏、花角氏)

週刊文春の買春疑惑報道を受け米山隆一前知事の辞職に伴う新潟県知事選挙の告示が24日され、新人3人が立候補した。
自民・公明は元海上保安庁次長の花角英世氏(60)支援。対して、立憲民主党など野党各党は、地元県議の池田千賀子氏(57)に支援を1本化し、事実上の一騎打ちとなった。
公明党・井上義久幹事長は25日午前の記者会見で、支持理由について「同県副知事の経験もあり、新潟県が抱えている観光や中小企業の振興といった課題解決にふさわしく、行政経験の豊富さも候補者として最適だ」と語った。
対する野党側は、民進党を離党して無所属となった菊田真紀子衆院議員(48)=新潟4区=の擁立を軸に調整を進めていたが、菊田氏が「国政に専念したい」と固辞したことから断念。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重だった米山路線を引き継ぐ候補者として、池田千賀子氏(57)に白羽の矢を立てた。

花角 英世(はなずみ ひでよ)プロフィール

1958年5月に新潟県佐渡郡金井町(現在の佐渡市金井町)で生まれる
1977年              新潟県立新潟高等学校卒業
1981年              東京大学法学部卒業
同年      運輸省(現在の国土交通省)入省 事務系採用

入省から幹部まで関わった法律行政

国鉄改革実施対策、清算業務:国鉄資産24兆円の処分
地域交通局:つくばエクスプレス、航空局:飛行検査用ジェット機の選定、会場交通局:海運に関する税制、財政投融資
(毎日フォーラム・課長補佐時代 海上保安庁次長 花角英世(58))
https://mainichi.jp/articles/20170105/org/00m/010/013000c

幹部級以降のプロフィール

1999年 二階俊博運輸大臣秘書官→1)重要法案、関連業務をリストアップ
外務省在イタリア日本国大使館一等書記官
関東運輸局自動車第一部長
首都圏新都市鉄道(株)経営企画部長→2)増田寛也総務大臣との関係確認
総合政策局観光政策課長
観光庁総務課長
2009年7月自動車交通局総務課長
大阪航空局次長
2011年7月大阪航空局長→3)森友学園との関わりを要確認
大臣官房審議官
2013年4月〜2015年7月、新潟県副知事→4)他副知事、泉田知事の関係確認
2015年9月〜現在、海上保安庁次長→5)長官人事との関連確認
【新潟県知事選2018】花角英世(はなずみひでよ)氏の経歴・プロフィール
https://bone.tokyo/hanazumi-hideyo

<その他リンク集>

海保庁次長の花角英世氏が15日出馬表明 与野党対決固まる
https://www.sankei.com/politics/news/180514/plt1805140010-n1.html

政策

住んでよし、訪れてよし!の新潟県を目指して。

原発は3つの検証をしっかり進め、将来的には脱原発社会に
1.原発については3つの検証(福島原発事故の原因、健康・生活への影響、避難計画)をしっかり進め、その結果を見極めます。将来的には原発に依存しない社会を目指し、県民の安全・安心を守ります。
2.福島原発事故を踏まえ、米山前知事が進めていた3つの検証を引き継ぎ、徹底的に検証を行います。
3.その検証結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできません。
4.検証を踏まえ、関係市町村、関係機関などと、実効性のある避難計画の検討を行います。
5.検証結果は広く県民の皆さんと情報共有するとともに、県民の皆さんの評価をいただき、納得いただけるか見極めます。その上で、結論を得て県民の信を問うことを考えます。
将来的には、原発に依存しない社会の実現を目指します。
全力自助・共助・公助の連携と絆を深めることで地域力を強化し、防犯・防災などの安全・安心に全力
1.子供はもとよりお年寄りに至るまで、全ての県民が安全で安心な暮らしを送れるように、自助・共助・公助の連携により皆さんの絆を深めることで、地域力を高め防犯、防災、安心な生活の実現に努めます。
2.県民の身近で発生する犯罪の未然防止や犯罪への死角がない街づくりを進めるため、警察による街頭活動を強化するとともに、地域の防犯ボランティア、関係団体などとの連携を推進して、地域の犯罪抑止力を強化します。
3.特に、子供、女性、高齢者、障がい者などの犯罪弱者への犯罪の未然防止や拡大防止につながる地域力の強化を図ります。
4.北朝鮮による全ての拉致被害者が一刻も早く帰国できるよう、また特定失踪者等の全容解明を進めるよう、国の外交交渉を働きかけるとともに、県民の拉致問題への関心・理解を進める取組を行います。
5.自然災害などから、かけがえのない県民の生命・財産や地域コミュニティを守るため、円滑な交通の確保に資する道路の整備や河川の改修などのハード対策や防災・減災に向けた市町村等の連携などソフト対策を車の両輪として進めます。
新潟ブランドの発掘・育成・セールスに全力
1.新潟には美しい自然、豊かな食文化などたくさんの宝があります。しかしながら現状はそれらが必ずしも生かされていません。これら新潟ブランドのセールスの先頭に立ち、新潟に人を呼び込むことに全力を挙げます。
近隣県に比べ出遅れ感のある訪日外国人の誘致を強力に推進します。訪日外国人数の伸びが著しい東アジア・東南アジアを中心に新潟ブランドの浸透を図ります。そのためトップセールスを実施するなど観光プロモーションを強化するとともに、新潟空港へのLCC(格安航空会社)による新規国際路線の開設をはじめとする航空路線の充実や新潟港への海外クルーズ船の更なる誘致を実現します。新潟県を訪れる訪日外国人の増加により新潟空港の利用者を大幅に増加させ、軌道系アクセス整備の機運を高めていきます。
2.伝統芸能、祭り、スポーツなど地域に根ざした文化・イベントを幅広く観光資源として磨き上げ、他の都道府県と差別化できる新潟ブランドを構築します。
3.新潟が誇るコシヒカリ、新之助などの米、越後姫やルレクチェなどの果物、枝豆などについて、新潟県内に限らず大都市圏での流通・消費の拡大を目指す地産他消を推進し、付加価値の高い農業を実現します。また中山間地における持続可能な農業の在り方についても配慮します。
さらに食品・清酒、金属・機械、繊維などの多様で高い競争力を持つ地域産業について、新潟ブランドとして国内販路の開拓や海外展開を支援していきます。
4.米など県産食品に対する中国の輸入規制の撤廃・輸出の再開に向けて、先頭に立って取り組むなど県産品の輸出促進に向けて積極的に取り組みます。
5.日本最大の金銀山の歴史を誇り、世界にも名を知られる佐渡金銀山の世界文化遺産登録の早期実現を推進し、佐渡をはじめ、新潟県の活性化につなげます。
活力ある新潟の実現に全力若者、子育て世代、お年寄りなど全ての世代が生き生きと暮らせる社会の実現に全力
1.それぞれの世代の「思いや願い」に丁寧に耳を傾け、小さい声にもしっかり寄り添い、市町村との連携を緊密に図りながら一体となって、一つ一つ丁寧に課題に向けて取り組む県政の実現を目指います。
新潟県において、人口減少は喫緊の課題であり、県内大学生等の県内就職を促進するとともに、大都市圏をはじめ、県外への新潟県の魅力、暮らしやすさ、働きやすさの情報発信を強化し、県外からのUターン・Iターンの増加を図り、人口の社会減に歯止めをかけるように取り組みます。
加えて人口減少は国家的な課題であり、国でなくては手を打てない対応については、国に対して早急な対応を強く求めていきます。
2.結婚、妊娠、出産、子育てというそれぞれのライフステージにあわせ、県民が必要とするニーズに応じた多様なサービスをきめ細かに提供することにより、子供を生み育てやすい環境を整備します。また、そうした取り込みによって、女性が多様な生き方を選択し能力を最大限発揮できる県づくりを進めていきます。
3.今後、県内で一層進む高齢化や県内の地域特性を踏まえ、各医療機関の特色を活かしつつ、地域の中で安心して医療を受けられる一貫した医療提供体制を確保するとともに、近隣県を含めた相互補完体制を確立し、緊急時における広域的な連携を強化します。
また高齢者も障がい者もできる限り住み慣れた地域で自立した生活が続けられる体制を構築するために、人材確保を含めたサービス供給体制を地域の皆さんと話し合いながら着実に整備していきます。
4.育った家庭における経済状況や抱える障害などに妨げられることなく、新潟県の未来を担う若者が等しく、希望する教育を受けられるよう、様々な課題を抱える若者に対するきめ細やかな支援を行います。

池田 千賀子(いけだ ちかこ)プロフィール

基本プロフィール

1973(昭和48)年 柏崎市立大洲小学校卒業
1976(昭和51)年 柏崎市立第三中学校卒業
1979(昭和54)年 新潟県立柏崎常盤高校卒業
1981(昭和56)年 歯友会歯科技術専門学校(現 明倫短期大学)卒業
1981(昭和56)年 柏崎市役所初の歯科衛生士として採用
2003(平成15)年 柏崎市議会議員選挙初当選(3期)
2010(平成22)年春 早稲田大学人間科学部卒業
2015年4月 新潟県議会議員選挙初当選(現在1期)
池田千賀子氏(新潟知事選)新潟県議会議員の経歴や家族は?
https://appareltenbai.com/2018/05/09/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E5%8D%83%E8%B3%80%E5%AD%90%E6%B0%8F%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%93%A1%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%AD%B4%E3%82%84/
選挙区:新潟県柏崎市(新潟2区)

知事選政策

・柏崎刈羽原発の再稼働について「福島の原発事故の検証作業に今後最低3年をかけたうえでみずからの判断を示す」などと述べ、その判断の是非を県民投票などにはかりたいとの考えを示しました。
・新潟の農家を守る視点から、国に対して農家の「戸別所得補償制度」の復活などを求めるとしました。

政党支援体制

立憲民主党と自由党は17日、知事選に出馬表明している県議の池田千賀子氏の推薦を決めた。国民民主党や衆院会派「無所属の会」も推薦する予定で、野党6党派が本部レベルで共闘態勢を組む見通しとなった。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20180518393974.html
連合新潟は15日、新潟市中央区で執行委員会を開き、出馬を表明している池田千賀子県議(57)=柏崎市・刈羽選挙区=の推薦を決めた。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20180516393377.html

県議会発言録

・(保育士待遇の向上)保育士、幼稚園教諭への十分な処遇改善、良質な保育を行うための保育士の配置、面積基準等、病児・病後児保育等多様な保育の実現、就学前からのインクルーシブ教育の実現等(平成29年12月22日本会議)
・(廃炉ビジネスへの食い込み=原発ムラ)当の電力会社からもこのことについては何らかの意思表示は全くないわけであります。しかしながら、もっと言えば、福井県の場合も、関西電力株式会社等の電力会社と一緒になって廃炉にするのであれば、地元産業がきちんとそこに貢献できるようにという、タッグを組んでやっているという部分がございますので、行政が一人で歩き出すということはなかなか難しいのだろうというのは、私は理解しているところでございます。しかしながら、御承知のように立地地域である柏崎市の市長が廃炉ビジネスということに言及をしておりまして、その背景には、6、7号機の稼働の条件ということも言っておられるようですが、そこは少し切り離して、集中立地、あるいは稼働から40年が経過しようとしていることをにらんだときに、廃炉ということが行われるのであれば、それをビジネスとして取り入れたいというのが趣意だと理解しております。(平成29年10月2日)

政策

「日本海縦貫新幹線計画」

野党系の池田候補は「さらに厳しい原発政策」を表明するなか、与党系の花角英世氏が、中国地方から新潟を経由して青森までを結ぶ「日本海縦貫新幹線計画」をぶち上げた。
元国交官僚の花角氏は得意分野の交通インフラ整備事業を最優先課題として取り組むことを出馬会見で表明した。
「副知事時代にもいろいろな人に申し上げたことでもあるのですが、交通体系をもう一段ブラッシュアップしたい。新潟は恵まれた高速交通体系を持っていて、非常に交通の整備は進んでいる。それが経済や暮らしの中でいい環境を作ってくれていると思うのですが、もう一段、上越・中越・下越をつなぐ部分(の高速道路)が足りない。直江津から柏崎から長岡をつなぎたい」と語り、更に「新幹線の基本計画に入っている『羽越新幹線』(富山市~新潟市~青森市)という計画路線があるのですが、これは県内の一体化という意味でも非常に重要だと思います。さらに日本の国土軸を考えた時に、太平洋側は北海道から鹿児島まで完成をしましたが、災害に見舞われる可能性が高い。その時に日本海側の九州・中国地方から上越地方、北海道につなぐ路線がないと(代替路線がなくなる)。もしもの時のことが起きた時の備えとして基盤であります。

そういう意味でも羽越新幹線。県内的に言えば、上越・中越・下越をつなぐ交通体系の強化の気運を高める。2年、3年でできる問題ではないので、5年、10年、15年かけて作っていくことを目指して、言い出すことが必要だと。交通問題にまず取り組みたい」と熱く語りました。

”人口減少問題”を出馬表明で強調し、インフラ整備にて問題の解決の糸口にしたいのであろう。

どうする原発

今回の最大の争点となるであろう原発のもんだいでありますが、両候補とも政策には原発のことに触れていて、池田氏は原発ゼロを掲げ、花角氏は将来的には原発に依存しない社会を目指すと述べています。
共に原発においては肯定的ではないのですが、花角氏の場合は池田氏のように闇雲に原発ゼロを掲げるのでなく、そこまでにクリアしなくてまならない課題があるので、それらを検討して将来的に原発に依存しない新潟を目指すといったものです。
また、東電労組を傘下に抱える連合新潟は、脱原発派と再稼働慎重派でどう動いてくるかも選挙戦を占ううえでカギとなってくると思われる。

両者の経歴

花角氏は新潟県でもトップクラスの新潟高校を経て東大法学部を卒業し、運輸省をはじめまさにエリートという経歴の持ち主で、その中でも新潟副知事と新潟県政にもかかわりを持っている。また、経歴を見ても中央とのパイプも持っていると思われる。

池田氏も柏崎市議を3期、新潟県議を1期とこちらも地元に県政にかかわりを持っている。

経歴で知事が決まるわけではないのだが、中央とのパイプを持っている分、花角氏の方が分があるのではないかと思われる。

今回の知事選は原発問題もあるが、国会が紛糾している中での選挙となる為、国民の関心も必然と高くなっている。メディアも当然多く取り上げて来るであろう。与野党の代理戦争とみる方も多いのではないでしょうか。よって各陣営の力の入り方も尋常ではないでしょう。

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