倉田まり子事件の真相 -その1
2005-01-04
“北浜の若獅子”、“兜町の風雲児”と持て囃された中江滋樹氏でしたが、一転して、多くの投資家を騙して多額の損失を与えた稀代のペテン師として、マスコミから集中砲火を浴びることになりました。
今から20年前の昭和59年8月24日、中江氏が率いる投資ジャーナル社をはじめ関連会社14社は、証券取引法違反によって警視庁の強制捜査を受け、あっけなく破綻してしまいました。
中江氏にからんで芸能マスコミが袋叩きにしたのが、歌手の倉田まり子さんでした。中江氏の愛人と決めつけられ、7千万円の贈与を受けて豪邸を購入したとして連日のように、テレビをはじめ各メディアが大騒ぎしたものでした。
私は、中江氏と倉田さんからの依頼を受けて、事の真相をマスコミを通じて話すことになり、テレビはフジテレビに限り、週刊誌は週刊ポストに限ってインタビューに応じ、真実を語ったことによって、空騒ぎはピタッとおさまりました。
もともと7千万円の件は疑惑でもなんでもないことなので、真実が明らかになってみれば、面白くもおかしくもないことになってしまって、テレビ的にいえば、絵にならなくなったのでしょう。
経済とか法律に疎いワイドショーのキャスターとか、芸能レポーターが、株の世界にまで首を突っ込もうとしたところに無理があったようです。
それにしても気の毒だったのは倉田さんです。芸能界でこれからというときに、マスコミの理不尽としか言いようのないやり方で潰されてしまったのですから。
当時、中江氏と打ち合わせをした上で、倉田さんについての空騒ぎを静めるために私が表に出て事実を話したのですが、どうしても公表できないことがありました。
7千万円の貸与の趣旨について、芸能プロダクションへのスカウト料のかわりの融資であることまでは明らかにしました。しかし、どのようなプロダクションなのかについては、話すことができませんでした。
あれから既に20年経ちました。プロダクションの影のオーナーであったマスコミ界の大物も、投資ジャーナル事件後ほどなくこの世を去っています。もういいでしょう、倉田さんの名誉のためにも、より詳しい事実を明らかにすることにします。
そのころ、各テレビ局には、それぞれボス的な存在がおり、睨みをきかせていました。テレビ朝日の専務であったMという人物も、そのような一人で、メディア界では、「テレ朝の天皇」なる異名で通っていたほどです。
倉田まり子さんをスカウトしたプロダクションは、実はこの故M氏が関係し、事実上支配していたものでした。中江氏は、M氏とは非常に親しい間柄でしたが、このような親密な間柄を公表することは、当時のM氏の立場を考えると、できることではありませんでした。
ましてや、よりスキャンダラスに取り上げられていた倉田さん関係の7千万円がM氏と密接に関連していたことを明らかにすることはできませんでした。テレビ局の大幹部が、芸能プロダクションを事実上経営していることは、道義的な問題にとどまらず、刑事事件にも発展しかねないことだったからです。
私はM氏との面識はありませんでした。専ら中江氏から断片的にいくつかのエピソードを耳にする位のものでしたが、政財界のフィクサーでもあった故M氏ならではのものでした。その一つが、芸能プロダクションの裏経営だったのです。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
“オスかメス見ても分からぬ猫の顔” -大阪、寅年生まれ
(毎日新聞:平成16年8月26日号より)
(フィクサーという人種はどこか人間ばなれしていますね。まだ猫の方がましかもしれません。このあいだ辞任したどこかの球団のオーナー氏の葉巻をくわえた顔が浮かんできました。)
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テレビ朝日の専務であったMという人物は三浦甲子二さんのことですね。
三浦氏が関わっていた事務所はどこだったのでしょうか。
山根さんはM氏とは面識がないのにどうしてスカウト料の前払いだったことが真実だったと言えるのでしょうか。ここに疑問があります。
それを約束した証拠、たとえば念書みたいなもののコピーが手元にあるのでしょうか。ただ単に中江氏が言ったというのでは真実の開示にはなりません。直接M氏にも会って確認したのでしょうか。
>[1334]
>[1335]
walker 殿へ
倉田まり子さんの件の当事者は、倉田さん、中江滋樹氏、テレ朝のM氏の3名です。この3名の当事者の他に、事実関係の詳細を知っているのは、私以外にはいないはずです。従って、誰かが出てきてもっともらしいことを喋ったとしても、伝聞、憶測の域を超えるものではなく、意味がないでしょう。尚、私は当時中江氏と倉田さんからの依頼を受けて、週刊誌は週刊ポスト、テレビはフジテレビに限ってインタビューを受けて事実関係を明らかにし、結果、マスコミのバカ騒ぎは収束いたしました。私は当時、中江氏だけでなく、倉田まり子さんの税務代理人として、具体的な事実関係を把握した上で、税務当局と交渉した経緯があります。
更に言えば、倉田さんのことがスキャンダラスに語られるのは、中江滋樹氏が犯罪者であることを前提としているのですが、その前提そのものが間違っています。投資ジャーナル事件とは一体何であったのか、20年以上が経過した今、改めて冤罪であったことを確信するに至っています。警視庁と東京地検によって捏造された冤罪事件、倉田まり子さんだけでなく、中江滋樹氏もその意味では被害者だったのです。何故冤罪であったと言えるのか、いずれその全容を明らかにするつもりでいます。
3人しか事実は知らない・・・この言い方はますます不信感を助長します。すでに融資か贈与かがあった後に倉田まり子と中江からこのような話にしてくれと頼まれて山根さんが記者会見をした・・と解釈もできます。ですから、本当に潔白を証明するには、当時のマネジャーか不動産、現金の受け渡しに立ち会った人の証言、融資を約束した書面など書証が必要です。これらを確認したかどうか明らかでないとやはり疑惑のままです。当時の熱烈な倉田まり子ファンとして裏切られた思いが消えません。
walker氏へ
事実関係を明らかにすると書かれているんだから黙って待ってればいいのではないですか。
そつです。影ながら待ってるのがいいと思います。私達ではできないことを出来る方が頑張って下さるのだから、過去のマスコミの報道が正しいか間違いだつたかだけでも私はしりたいとは余り思ってはいませんが現在、坪田まり子さんとして頑張っていられることがとてもうれしく、もし結果よい事実がわかるとするなら望みます。今の時点では、まだ過去で止まったままですから。 親衛隊福岡支部 副親衛隊長