7日、テレビ演説するレバノンのディアブ首相(ベイルート)=ロイター
【イスタンブール=木寺もも子】中東の小国レバノンのディアブ首相は7日、9日に償還期限を迎える12億ドル(約1260億円)の外貨建て国債について、支払いを延期すると表明した。レバノンメディアが報じた。経済の低迷や放漫な歳出で財政危機に陥っていた。政府は債務再編による財政再建を目指すが、既に破綻寸前の経済が緊縮財政でさらに痛み、政治混乱が加速する恐れがある。
同国による債務不履行(デフォルト)は初めてとなる。ディアブ氏は同日夜のテレビ演説で「これ以上の経済の消耗を防ぎ、国益を守るためには返済を延期するしかない」と述べた。債務再編に向けてすべての債権者との交渉に臨むという。
ディアブ氏は、レバノンの政府債務が国内総生産(GDP)の170%に達し、2020年中に計46億ドルの債務が返済期限を迎えると明らかにした。