枝野、天皇制を参院選の争点にすると主張。陛下の政治利用を許すな!

ご即位された天皇陛下。そして、ご譲位された上皇陛下。

決して、選挙戦の争点にしてはならない。が、枝野氏と立憲民主党は、これを争点化しようとしている。とんでもないポピュリストだ。

立憲民主党の枝野幸男代表は3日、女性天皇に賛成する世論が非常に大きいとして、夏の参院選に向けて女性、女系天皇容認などの問題について議論の必要性を訴えていく意向を示した。札幌市で記者団に「国民的な関心が高まっている。女性天皇、女系天皇、女性宮家の問題をしっかり訴え、国民の理解を広めたい」と述べた。

引用元 参院選に向け女性天皇議論 枝野氏「国民の関心高い」

しかも、枝野氏と立憲民主党、そして野党は、畏れ多くも、天皇陛下の政治利用を過去に行っており、語る資格もない。

なぜ、選挙戦の争点にしてはいけないのか

そもそも、参院選の争点にすべきでない理由は明白である。枝野氏はパンドラの箱を空けようとしているからだ。

改元直後のNHKスペシャルに代表される誘導的な報道を受けての世論調査を前提にしているが、枝野氏は自分の行動の問題点を全くわかっていない。

何故ならば、思いつくだけでも、皇位継承をめぐる問題は以下の論点を含んでいるからだ。

・女系天皇の賛否
・女性天皇の可否
・女性宮家を一代限りで認めるか、それとも永続的に認めるか、存在自体を認めないか。
・旧宮家復帰を復帰させるか否か。また選別や本当に宮家の子孫かの確認をどうするのか。
・人工授精や側室制度といった究極の選択の可否
・皇位継承の順位
・そのほか

とても国論が統一できるとは思えない。必ず、どこかの論点で揉めるに決まっている。A勢力は女系天皇に賛成、女性天皇と女性宮家に反対、B勢力は女性天皇に賛成だが、女系天皇と旧皇族復帰に反対、C勢力は旧皇族のXとY家の復帰に賛成となって、大混乱になるに決まっている。

そして、選挙戦の争点として激しくぶつかり合い、感情的かつ一時的な利害で議論すれば、国論はバラバラになるだろう。今でもそうだが、メディアの皇室への誹謗中傷が激しさを増す可能性がある。

その結果は、皇位継承問題について国論が大分裂し、皇族方は傷つき、世論の対立に巻き込まれる。

静かに議論すべき皇位継承問題

だからこそ、選挙のような刹那的で、一時的な世論で議論すべきものではなく、あくまでも静かに、超党派で、有識者会議での慎重な討議を経て決めるべきだ。

立憲民主党は、日本の国体に直結する皇位継承という問題をいじくりまわそうとする一方、日本全体が議論しなければならない憲法改正問題を、なぜ国民投票にかけることを拒否するのか。なぜ、立憲民主党は憲法調査会を審議拒否しているのか。

枝野代表の考えは、あまりにも安易で、消費税以下の支持率にあせったとしか思えない愚行だ。選挙のような時期ではなく、落ち着いた時期に、落ち着いた方法でやるべきなのに、この時期に主張するとは、選挙戦目当てとしか思えない。

陛下を政治利用してきた旧民主党の皆さん

そもそも、皇族方を政治利用してきたのは立憲民主党やその他の野党を構成する皆さんだ。

例えば、立憲民主党会派に所属し、国民民主党や無所属の切り崩しを担当中の岡田克也氏は、外務大臣時代に「陛下の思いが少しは入ったお言葉がいただけるような工夫を」「ある意味で官僚的対応」等と、畏れ多くも陛下を政治利用しようとした。

立憲民主党最高顧問の菅直人元首相も、韓国に宮内庁が管理する文化財を韓国に譲渡しようとした際に、反対する中曽根元首相を「陛下の考えだから」と説得した。とんでもない政治利用の典型である。(参考記事

国民民主党の自称一兵卒の小沢一郎氏も、当時は国家副主席だった習近平氏と陛下の会見を、慣行を破って実現させたことで「政治利用」と強く批判を浴びた。

こういう連中に語る資格も責任もない。

犬養毅の愚行という歴史に学ぶべき

皇族方の問題は選挙で議論すべきではない。もし仮に憲法改正などでするにしても、慎重かつ静かな超党派の議論を重ねに重ねてからだ。

決して、枝野代表のように、メディアのキャンペーンに乗って、思い付きのように参院選の争点にするなどと言うべきではない。政治的な争点にした戦前の過ちを繰り返すことになりかねない。

1930年、先の選挙で大敗した犬養毅と彼の率いる政友会は、与党の民政党が締結したロンドン海軍軍縮条約を統帥権干犯と糾弾した。陛下の権限を侵すものだとして陛下を政治利用したのだ。

これによって、犬養毅と政友会は民政党を野党に転落させ、政権交代を果たした。しかし、首相になった犬養毅もまた、軍部から統帥権を干犯したと非難され、5.15事件で暗殺された。

リベラルならこれくらいの歴史は理解しているだろうに、枝野代表のおつむが心配になる。

皇族方も勝手に選挙戦の争点にされては迷惑だろう。

枝野代表は早急に発言を撤回すべきだ。

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