枝野さんが4年前に発表した9条改正案は、それまで日本有事の場合に日本領海内でしか認められていなかった米艦防護を、日本が直接攻撃されていない場合であっても、しかも領海外でも可能とする規定に改めるもので、画期的だった。ところが今は立場が変わったので撤回されると。とても残念です。
枝野代表はニセ護憲派~枝野改憲案は集団的自衛権を容認していた~
安倍政権の改憲だけでなく、憲法改正のための手続きの審議すら拒否する枝野代表と立憲民主党。
だが、枝野代表は2013年10月号の「文藝春秋」で集団的自衛権を容認する憲法改正案を載せていた。つい最近でも改憲に賛成する主張をしており、「改憲私案発表 憲法九条 私ならこう変える」という論文を発表していた。
最近でも改憲が本音だと語っている。
過去に「自衛隊認める改正も」と発言していた枝野代表
2005年、枝野幸男氏はインタビューの中で次のように回答している。
「そもそも憲法を変えるか変えないかで論点を設定すること自体が時代に合っていない。どう変えるかによって賛否は当然分かれる。(中略)自衛隊を認める改正もあれば、逆に、9条3項をつくって、自衛隊を認めないと書き込むことも論理的にはありうる。」
引用元 「インタビュー『自民党こそ究極の護憲政党だ』」『論座』2005年4月号
自民党こそ究極の護憲政党だ!というタイトルだから勇ましい。筋金入りの改憲派だということがわかる。
しかも、枝野代表は「自衛隊を認める改正もあり」だと。これこそ自衛隊明記を求める安倍総理とそっくりの考えだという動かぬ証拠。
中核派関係団体からも改憲派と批判されていた枝野代表。
9条追加案を主張していた枝野代表
そして、政権交代により民主党が野党に転落した直後、枝野代表は「文藝春秋」2013年10月号に「改憲私案発表 憲法9条 私ならこう変える」と題した改憲案を披露した。
それは、現行の憲法9条に「9条の2」と「9条の3」を追加するという案だった。しかも、驚くべきことに、わが国周辺での集団的自衛権を容認するという、平和安全法制と同様の内容だった。
9条の2
1項 我が国に対して急迫不正の武力攻撃がなされ、これを排除するために他に適当な手段がない場合においては、必要最小限の範囲内で、我が国単独で、あるいは国際法規に基づき我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を守るために行動する他国と共同して、自衛権を行使することができる。2項 国際法規に基づき我が国の安全を守るために行動している他国の部隊に対して、急迫不正の武力攻撃がなされ、これを排除するために他に適当な手段がなく、かつ、我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全に重大かつ明白な影響を及ぼす場合においては、必要最小限の範囲内で、当該他国と共同して、自衛権を行使することができる。
3項 内閣総理大臣は、前二項の自衛権に基づく実力行使のための組織の最高指揮官として、これを統括する。
4項 前項の組織の活動については、事前に、又は特に緊急を要する場合には事後直ちに、国会の承認を得なければならない。
9条の3
1項 我が国が加盟する普遍的国際機関(現状では国連のこと)によって実施され又は要請される国際的な平和及び安全の維持に必要な活動については、その正当かつ明確な意思決定に従い、かつ、国際法規に基づいて行われる場合に限り、これに参加し又は協力することができる。2項 前項の規定により、我が国が加盟する普遍的国際機関の要請を受けて国際的な平和及び安全の維持に必要な活動に協力する場合においては、その活動に対して急迫不正の武力攻撃がなされたときに限り、前条第一項及び第二項の規定の例により、その武力攻撃を排除するため必要最小限の自衛措置をとることができる。
3項 第一項の活動への参加及び協力を実施するための組織については、前条第三項及び第四項の例による。
引用元 「改憲私案発表 憲法9条 私ならこう変える」
どこからどう読んでも、重要影響事態や武力攻撃事態における集団的自衛権の行使、国際平和協力業務における駆け付け警護などを容認している。
しかも、「我が国の安全を守るために行動している他国の部隊に対して、急迫不正の武力攻撃」があった際に防衛可能としているが、これは、日本が直接攻撃を受けなくても他国軍を防衛できるという改憲案。存立危機事態における自衛権行使とそっくりだ。
実際、長島昭久衆議院議員は以下のように指摘している。
さすがにまずいと思ったのだろう。枝野代表は立憲民主党創設直後の2017年12月2日、自分は集団的自衛権を容認していないが、この論文を撤回すると発表した。容認していないなら、なぜ撤回するのか意味不明だ。
共産党と野党共闘し、リベラル票を集めるために、枝野代表は持論を捨てた。
隠れ改憲派の枝野代表
枝野代表の本音では改憲派だろう。以下、小林よしのり氏が、枝野代表や山尾志桜里衆議院議員とのシンポジウムを描いたものだ。ここで、枝野代表は自分は「立憲的改憲派」「立憲民主党に教条的護憲派はいない」と言っている。
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立憲的改憲論とは、山尾志桜里議員の掲げる「個別的自衛権しか行使できない憲法に改正する」という考えだが、やはり改憲派に違いない。
枝野代表に政治的信念はないとしか思えない。
もともとは改憲派だったのに、共産党の協力やリベラル派の票目当てに護憲派のふりをし続ける枝野代表。そして、油断するとひょっこり改憲を主張してみる。
こんなポピュリスト枝野に、堂々と改憲を主張してきた安倍総理を批判する資格はない。枝野代表は、正々堂々と平和安全法制や安倍総理の9条改憲案が自身の考えとそっくりだと認めるか、それとも教条的護憲派に鞍替えしたと総括するか、どちらかを選ぶべき。
コウモリのように政治的理念を変え続けてはいけない。