中国国内にも拡大している新型コロナウイルスの感染。
感染が始まったとみられる中国・武漢市の海鮮市場の３日前の映像を、撮影者からＳＮＳを通じて入手した。
撮影者は「この海鮮市場は、いま休業している」という。
さらに市内にある病院の映像では、透明のカーテンをくぐると受付にはマスクをした病院スタッフがいる。
また病院の敷地内の映像には、“発熱・疱疹・問診”と書かれた扉の奥に防護服を着た人影が見える。
病院の建物の中で撮影されたという写真では、診察をする医師も防護服を着ていた。
そして、新型コロナウイルスへの感染を疑われた患者は、より専門的な病院に移されるという。
ウイルスへの対応に追われる武漢だが、地元当局はきのう未明、「患者が新たに１７人増え、６２人になった」と発表した。
しかし、英国の研究チームは「武漢では、すでに１７２３人の患者がいると推計する」と公表。
武漢以外の都市での感染拡大を疑う声も上がっていて、中国のＳＮＳでは「本当に武漢だけなの？他の都市では発生していない？」と、他の都市で感染が報告されていないことについて、隠ぺいを疑う投稿も上がっている。
すでに日本やタイなどへ感染が拡大する中、今週末から始まる春節の連休では、のべ３０億人が中国の国内外へと移動するとみられている。
心配されるのがヒトからヒトへの感染だが、これについて専門家の川崎市・健康安全研究所・岡部信彦所長は「“濃厚接触”と言うんですけど、今のところうつる可能性がある。誰かと行き交ってすぐうつるという証拠は全くないので、そこの心配はまだいらないと思います」という。
ウイルスの上陸を防ぐ入念な水際対策が求められる。
中国・武漢市の海鮮市場や病院（撮影：武漢の住民）、韓国当局が中国当局から提供を受けた新型ウイルスの写真、インペリアルカレッジ・ロンドンＨＰ、ウェイボー、成田空港の映像。