LGBTの要素は誰もが持っている
LGBTについて、僕自身はこのように理解しています。まず、体の仕組みとしての性別があり、次に、恋愛対象としての性別がある。そしてもう一つ、心の性別があると思います。
例えば、僕は体のつくりは男性で、恋愛対象は女性です。ただ、心の性別でみると、たぶん少し女性なんです。なぜかというと、僕は「かわいいピンク」が分かります。一般的に女性がよく話す、口紅のピンクがかわいいか、かわいくないかのニュアンスが分かるのです。かわいいハートの形も分かりますし、マカロンを見るとかわいい、と思います。
男性が、超合金やバイクをカッコいいと感じるのと同じように、かわいいピンクにすごく興味があります。だから、心は半分くらい女性だと思うのです。
このように分析すると、みんな少しずつLGBTの要素を持っているのではないでしょうか。
だから、企業はその特徴を生かした人材配置をする必要があります。例えば女性の気持ちが分かり、「30代にはこのピンクは着られない」、「10代にこのピンクは地味すぎる」と微妙な判断ができる僕は、紳士服よりも婦人服売り場に向いているでしょう。
人は心の中の小さい部分の性別から身体的な部分、恋愛対象などの大きな部分まで、さまざまな性別を持っていると思います。ストライプではそれぞれがみな、自分らしく働ける組織文化にしていきたいと考えています。
昨年に続き、2017年5月にLGBTの差別をなくすためのイベントである東京の代々木公園で開催されたレインボーパレードに参加しました。社内ではまだ完全にLGBT当事者が働きやすい環境になっているとは言えませんが、少なくとも偏見はないと思っています。
また、従業員たちが使う社内専用コミュニケーションアプリでは、LGBT当事者に対して「アライ(支援者)」表明をするボタンをつけており、多くのスタッフがアライ表明しています。
外国人のマネジメントに失敗する理由
もうひとつ、ダイバーシティ戦略として僕たちが目指すのは、海外での現地雇用です。現在、ストライプグループでは日本で4700人、海外に320人の計5000人以上の従業員が働いていますが、その中で外国人はまだ340人ほどしかいません。これを長期的に3割まで持っていきたいと考えています。
いま、ストライプが展開するファッションブランドを、中国をはじめ、タイなどアジアを中心に展開しています。
同じように海外展開している多くの会社のケースを見て気が付きましたが、企業が海外展開するときには勝ちパターンがあります。
それは、「現地のマネジメントは現地の人に任せる」ことです。よくあるのは、現地のことをよく分からない部長クラスの従業員に、現地のマネジメントを任せるパターン。しかし、たいていの場合は失敗します。
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