麻生太郎「野党統一出来るんだったら何で別れたの?おかしいでしょうが。こいつが出来るんだったら一緒になって来いや。選挙の時だけ反自民で集まる。終わったら天皇制、日米安保反対。法律採決投票時に結論を出せないからずーっと議論。学者と同じじゃん。決める事が政治。一番大事な事でしょうが」
有権者を惑わす新手の政党ロンダリング【無所属詐欺】
共産党の志位委員長が、「勝つために」と打ち立てたのが、党公認候補の"無所属"出馬。
志位委員長は、「どうしても勝たなければならない。勝つためにどういう戦い方が一番いいか、地元で相談し、無所属で行こうと決めて、党本部も認めた」と語った。
徳島・高知、鳥取・島根、福井の三つの選挙区に、野党統一候補として公認候補を擁立。
共産党によれば、「ただ、野党の結束を強め幅広く支持を集める狙いから、いずれの候補についても無所属として立候補するよう他の野党から要望が出ていた。」ということだ。
これに国民民主党も追随し、続々と選挙直前に"離党"し、"無所属"で偽装出馬している。
そのまま6年間無所属ならまだしも、過去の事例からも明らかなように、当選後は復党しているのだから許しがたい。
「野党統一」に麻生大臣が一喝
まさに麻生大臣の指摘は、正論だ。
選挙の時だけ集まって、選挙が終われば別れて、またバラバラな主張を繰り広げるいつものパターン。
野党統一という言葉は、まやかしに過ぎない。
それなのに、さらに候補者を「無所属」というまやかしで、国民を欺こうとしている。
まさに詐欺!選挙直前に「離党」し「無所属」で出馬した面々
以下が、選挙直前に「離党」し、「無所属」を装っている面々だ。
・中林よし子候補(鳥取・島根)共産党→無所属
中林候補は元衆議院議員だが、2000年の衆院選を最後に、2003年、2005年、2009年と、単独候補として挑むも、ことごとく落選。
単独での当選は難しいとみたか、元共産党中央委員という大幹部でありながら、無所属での出馬。
彼女は、現在も立派な共産党員である。
・松本けんじ候補(徳島・高知)共産党→無所属
松本候補は、日本共産党・高知県国政対策委員長という、立派な共産党員だ。日本共産党高知県委員会のブログでも、松本候補を「今年4月から党の専従役員となった、高知県党の将来を担う若手の党幹部です。」と書いている。
そんな、共産党の将来を担う党幹部なのに「無所属」で出馬している。
・嘉田由紀子候補(滋賀)国民民主党→無所属
嘉田候補の場合は、他候補よりも醜悪。「野党統一候補なら立候補する」と、自分で注文を付けていた。
嘉田候補は、2017年の衆議院選挙で希望の党から公認を受けられず、また、立憲民主党の公認を断り、無所属で出馬したが落選。その後、国民民主党に所属していた。
しかし、全野党の後ろ盾がなければ勝てないと、今回の参院選では、異例の注文をした挙句、立憲民主党等の要望により、選挙直前に無所属となって出馬した。
・森本真治候補(広島)国民民主党→無所属
なぜ、現職議員までも無所属としなければならないのか?
国民民主党の現職議員の森本氏、恥も外聞もなく、プライドすらも捨て去り、無所属として出馬。
与党では、自民党公認、公明党推薦(逆もあり)の候補などいくらでもいるし、本来それが普通である。
現職議員が、党の看板を掲げられないということは「党の看板では森本候補は勝てない」と、認めているようなものだ。
・水野さち子候補(福島)国民民主党→無所属
水野候補は、国民民主党の福島県議会議員。以前は、国民民主党・福島県連筆頭副幹事長という要職にあった。
水野候補は、無所属候補になる為に、選挙直前に離党したわけだが、もし当選したら、国民民主党なり立憲民主党に入るのは、手に取るようにわかる。
今のところ、水野候補は、当選後の6年間を無所属で過ごすとは発言していない。
・合原千尋(鹿児島)国民民主党→無所属
合原候補の場合は、他と違い、上層部の談合により、選挙直前に無所属となった例で、上層部のメンツに巻き込まれた形となった。そこには有権者も党員も不在。あるのは政党上層部のメンツだけだ。
合原候補の選定プロセスを見ると、野党共闘により、熱意ある立候補者が、上層部の話し合いにより出馬出来なくなったり、訴えたい主張が制限されたりと、候補者が抑制されている。
既存政党の上層部に振り回されて、無所属になる。こんなのは無所属とは言わない。
「ステルス候補」、「無所属詐欺」と呼ばれる候補達
これらの候補者は、一度は党の公認で出馬を表明していたのに、統一候補となるや無所属出馬としている。そして、野党は、新人候補のみならず、現職議員さえも無所属として出馬させている。
特に現職議員を無所属で出馬するということは、今までの自分と政党の活動を、否定しているということだ。それに気が付かないのか?
もはや、当選することだけを優先するあまり、自分がいかに破廉恥な所業をしているのか気が付いていないらしい。
誇りも信念もないような人物は、即刻政治家を引退すべきだ。
また、上記にあげた人物以外にも、立憲民主、国民民主、共産など野党5党派が改選1人区で擁立した無所属統一候補はたくさんいる。
今回の参院選では、18人もの候補が、政党名を掲げずに出馬しているが、もともと無所属の候補者もいるため、国民は大変混乱している。
こういった候補者の中には、政党の政策や理念を前面に訴えない人間もおり、ネットなどでは「ステルス候補」「無所属詐欺」と言われている。
2016年参院選における「無所属」候補は、当選後に政党や会派に所属
平成28年の前回参院選では無所属で出馬した16人のうち、木戸口英司氏(岩手選挙区)、舟山康江氏(山形選挙区)、森裕子氏(新潟選挙区)、伊波洋一氏(沖縄選挙区)の4人が当選した。木戸口、森両氏は小沢一郎衆院議員が率いた政党に加入。舟山氏は旧民進党会派に入り、今は国民民主党会派の参院国対委員長を務めている。伊波氏も参院会派「沖縄の風」を結成し、活動している。
無所属の野党統一候補として2016年に当選した森ゆうこは、当選後、小沢一郎の自由党に合流
このように、無所属で出馬したとしても、当選後には、関連政党や会派に入るなど、結局は元のさやに納まっている。
これを政党ロンダリングと言わずに何と言うか。
本来選挙というものは、政策と主張を国民に訴えて選んでもらうもので、このような仮初の形で戦うものではない。
麻生大臣が言うように、本当に野党統一候補としたいのなら、今の自民党・公明党のように、政策をすり合わせ、その上で統合するなりして、候補者も堂々と政党名を掲げて戦うべきだ。そして、他の党からは、推薦をもらえばいい。
しかし、野党は支持率が低いため、党名を隠して立候補しているだけ。
これ以上、国民を欺くことはやめて頂きたい。