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【高校野球】

センバツ、無観客開催か中止…! 最終判断は11日

2020年3月5日 紙面から

センバツ高校野球が行われる甲子園球場

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 日本高野連は4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大阪市内で臨時理事会を開き、19日開幕予定の第92回センバツ大会(甲子園球場)を無観客で開催する準備を進めることを決めた。19日の開会式は行わない。ただ、事態が流動的なことから、中止も含めた開催の可否については、11日に臨時運営委員会を開いて最終的に判断する。無観客での開催は、春夏の甲子園大会を通じて史上初めて。センバツ大会は太平洋戦争の影響で1942~46年に中断したが、予定されていた大会が中止になれば初の事態になる。

 球児の夢の実現へ、日本高野連が1つの決断を下した。無観客開催か、中止か。事実上、二者択一で選んだのは、史上初となる無観客試合での開催準備だった。11日の臨時運営委員会で最終判断するとしたが、現時点では中止という最悪の事態は避けられた。

 「甲子園でプレーしたいという球児の熱い思いに、知恵を出し合い、工夫して最大限配慮してできないものかと。もう1週間、努力を続けたい思いで決断に至った」

 運営委員会、臨時理事会を終えて会見した日本高野連の八田英二会長は力説した。2月19日の理事会で予定通りに開催する方針を一度は確認した。だが、風向きが変わったのが同26日。安倍首相がスポーツなどの大規模イベント自粛や規模縮小を求め、今月2日からは全国の小中高などの一斉休校が始まった。

 他競技が軒並み大会中止を決める中、高校野球は特別なのか。さまざまな意見が飛び交う中、重視したのはやはり、甲子園にあこがれる選手の思いだった。「中止にするのは簡単。何とかやらせてあげたい。夢の実現のために力を尽くしたい」。こう話す八田会長の言葉にも力がこもった。

 無観客での開催にも当然、リスクはある。遠方からの長時間移動、宿舎と甲子園の行き来、宿舎での合宿生活と、感染の可能性は拭い切れない。対策として消毒液やマスクを配布。通常は各校が手配する移動バスも、完全に消毒できているかを確認するため、高野連側が管理する。食事も全選手がそろってのビュッフェ形式は避けるなど対策を指導する方針だ。期間中は、外科医だけでなく、感染症の専門家にも甲子園に常駐してもらうプランも明かした。

 ただし今後の感染予防対策や感染状況、政府の対応などで中止になる可能性もある。八田会長は「選手と関係者の健康が第一。11日に判断するが、無観客のまま突き進むのではなく、その後に中止を決断する場合もある」と説明。大会中に選手に感染者が出た場合、大会会長の丸山昌宏・毎日新聞代表取締役社長は「常識的に、続けることは難しい」と打ち切りのケースにも言及した。センバツを取り巻く環境は厳しい。それでも球児の夢をつなぐため、感染防止にあらゆる手を尽くす考えだ。 (麻生和男)

 

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