ベルはレベルが上がった!
スキル《英雄願望》を身に付けた!
ベルは恥ずかしくて耳が真っ赤だ。
オラリオの中央、
その
そしてもう一人、できれば参加したくはなかったが自分の
二人の心境とは裏腹に滞りなく会は進んでいった。会の進行をするロキはやけにテンションが高い。おそらく彼女のお気に入りの
しかしその中でも進行とは関係なく喋っている二人の女神がいた。
「フレイヤぁ、おたくの子はランクアップしてないみたいだけど、わざわざ参加してるなんて天下のフレイヤ様が暇を持てあましてるの?」
「そうなのよ、イシュタル。退屈は私たちを殺す毒ね」
回りの神達はイシュタルがフレイヤにちょっかいを出している姿を冷ややかに見ている。もちろんヘルメスも二人の会話に聞き耳をたてている。
「暇って言えばあんたの子も相当暇みたいね。中層に留まってミノタウロスと戯れていたみたいだけど。・・・そうそう、上層でミノタウロスが暴れてたみたいだけどあんたの子と関係があるのかい?」
「それが聞いてちょうだい。私の
「・・・ッ!!」
フレイヤの返答にイシュタルは苦虫を噛んだように顔を歪め、問い詰めるのを止めた。
その話に聞き耳をたてていたヘルメスはフレイヤファミリアとイシュタルファミリアの仲裁にわざわざ立つ酔狂でかなりの実力がある冒険者を想像してしまい冷や汗を流した。
そんな空気を吹き飛ばすように司会のロキは進行を進めた。
「ほな、お待ちかねの命名式やーーー!」
ベルの二つ名がかかっているヘスティアは緊張が走る。なんとしても無難な二つ名を獲得するために。
命名式は神々の阿鼻叫喚と爆笑を織り混ぜながら滞りなく進んでいった。
そして最後の一人、飛び込みでランクアップしたヘスティアファミリアのベル・クラネルの番がやってきた。
「おい、ドチビ。二つ名を決める前に聞かせろや」
ヘスティアはドキリと心臓が鼓動した。
「うちのアイズでもランクアップするのに1年かかったんやぞ。それを一カ月やと?うちらの恩恵ってもんはそんなもんやないやろ?」
ヘスティアが
「不正なんてしていないっ!」
ヘスティアはベルのレアスキル【
長い沈黙を破ったのはフレイヤだった。
「あら、いいんじゃない。ヘスティアは不正をしていないって言ってるんだし。ファミリアの内部情報は不干渉でしょ」
「アホか、一ヶ月やぞ。この数字の意味がわかってんのか?この色ボケ女神」
「子供達の可能性はまだ私達にも把握しきれていないわ。それにヘルメスのところには冒険者になってすぐにミノタウロスを倒しちゃう
それまでヘスティア、ロキそしてフレイヤに注がれていた視線がヘルメスに向けられた。
「聞いたわよ、ヘルメス。あなたのところに最近入った
急に話を振られるが、ヘルメスは予め考えておいた設定を伝える。
「いやー、流石はフレイヤ様。彼らは僕がオラリオの外で勧誘しファミリアに入れたんだ。最近、色々あってオラリオにまとめて来ることになったから冒険者としてはルーキーと言うわけさ。」
「ならなんで今回の
ヘルメスはわざとらしいほど大袈裟に帽子を脱ぎ、頭を下げた。
「あぁ、すまない。しばらくオラリオを離れていたせいで申請するのを忘れていた。私としたことが申し訳ない。次回の
中断もあったがベルの二つ名も決まり、ヘスティアは心の中でガッツポーズをとった。そして今回の
なんとか乗り切った・・・と深いため息をつきヘルメスはおもむろに席を立とうとしたとき、一柱の神が近づいてくるのに気づいた。美の神でありオラリオ最大派閥の一つの主神フレイヤだ。
「そうそう、ヘルメス。この前、私の
「そ、そうなのかい。」
「ええ、よくダンジョンでちょっかいをかけられるみたいだから心配はしていたのだけど、あまり目に余るようなら・・・ねぇ、ヘルメス」
「フレイヤファミリアに喧嘩を売るような奴はいないと思うけど、もし見つかったらイの一番に伝えるよ」
「フフ、ありがと、ヘルメス。・・・そうそう確かオッタルが言っていたのだけど、《アインズ》って呼ばれていたそうよ。参考になったかしら?」
フレイヤの目がヘルメスを射抜くように向けられた。変わらない笑顔だが逆にそれが恐ろしく感じる。
「ア、アインズね。分かったよ」
フレイヤはそう言うと会場からコツコツと出ていった。その後ろ姿を見ながらヘルメスはフレイヤとアインズの狭間を翻弄する自分に胃を痛めるのだった。
ということで次回の神会を実施するでー。
お題はヘルメスんとこの子らの二つ名や!
作者はスペックオーバーやorz
神々の皆さん、意見を出してやーm(__)m