吉田氏は3日午後、岐阜市内で報道陣の取材に応じた。思いを尋ねられると、議員秘書の経験から切り出して「議員に捨てられては別の議員にお仕えするのが永田町の論理」。そして、「また捨てられたんだなと。政党総支部長でもそういうことがあるんだ。すごいなあ、権力って」と憤りを表現した。

前回の落選後、こつこつとミニ集会などを重ねてきた。ただ、9月29日の報道陣の取材に「希望は政策が離反しているところもある」「(安保関連法への賛意を)言わないと公認もらえないからしょうがない」などと語り、党の野党共闘の否定や希望への合流方針に揺れてきた。

2日午前に党本部から公認が得られないことが伝えられると、岐阜県連や陣営、連合岐阜の幹部と協議し、無所属での立候補を決めたという。同日、県連は前原誠司代表宛てに「まったく理解できず、怒りすら覚えます」と、希望側との再調整と理由説明を求める抗議文を送った。

吉田氏が「疑問」「矛盾」とするのが、党からの「2区へのくら替えなら希望が公認する」との打診だ。「政治信条に問題があるなら2区で出馬の話はないと思う」と語った。

周囲がいぶかるのは、1区で相対する自民前職の野田聖子氏(57)と、希望代表の小池百合子東京都知事の気脈を通じた間柄だ。野田氏への配慮による小池氏の「排除の論理」が働いた可能性を、吉田氏は「(健全な)政党政治の実現という意味で通常はありえない」と語った。

吉田氏は無所属となるが、共産の松岡清・県委員長は取材に、新顔の山越徹氏(47)の擁立取り下げは否定した。

民進県連によると、希望の公認を受けて、3区元職の阪口直人氏(54)、4区前職の今井雅人氏(55)、5区元職の阿知波吉信氏(54)の民進への離党届が2日付で受理された。吉田氏も離党届を提出した。本文を読む