1日3億円は過去の話し。今では1日あたり4億2千万円の国会 「桜を見る会」の追及で実りなき国会の体たらく

第200臨時国会は9日、当初の予定通り67日間で幕を閉じた。日米貿易協定承認などの成果もあったが、15年超の政治部記者経験を振り返っても、これだけ実りの少ない国会は珍しい。

会期中の11月20日、安倍晋三首相は通算在職記録が歴代単独1位となった。再登板以降だけでも間もなく7年を迎える。安定した政権は腰を据えて政策に取り組むことができ、外交をはじめ利点が多い。

しかし、裏を返せば、結果的に立憲民主党などの野党が長期政権を許しているとも言える。「野党が最大の安倍応援団」と揶揄(やゆ)されるゆえんだ。

臨時国会も野党の低調ぶりが目立った。10月4日の召集当初は関西電力幹部らへの現金授受問題が「最大のテーマ」(立民の枝野幸男代表)と意気込んでいた。だが、舌の根も乾かぬうちに、辞任した菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の任命責任→大学入学共通テストの英語民間試験導入→国会質問の漏洩(ろうえい)と次々と焦点を移した。

野党にすれば、それだけ安倍政権の問題が多いということだろう。菅原、河井両氏が説明責任を果たさずに「雲隠れ」を続けているのは言語道断であり、政府が英語の民間試験導入を見送ったことは野党の一定の成果かもしれない。だからといって、首相が退陣しなければいけないほどの問題でもない。

極めつけは11月以降の首相主催「桜を見る会」の追及だ。野党はこの問題に関しても「首相後援会の前夜祭で高級すしがふるまわれたのではないか」「高級ホテルでの前夜祭の参加費5千円は格安で、補填していれば公職選挙法違反ではないか」などと指摘した。

高級すしは野党議員が発した不確かな情報で、5千円の前夜祭も多くの国会議員ならば可能と知っている。にもかかわらず、「たら」「れば」を前提に首相が違法行為を行っているように印象操作した。

首相は招待者が年々増えたことなどを反省し、来年度は中止するとした。要するに「やり過ぎた」のだ。招待者名簿の扱いなど細かい話もあるが、不備があれば改めればいい。誤解を恐れずに言えば、約5千万円の予算をめぐる問題が国会の最大のテーマとはなり得ない。

野党が必死になるのは「打倒安倍政権」ありきだからだ。そもそも「桜」問題は共産党議員が5月に国会で取り上げていたが、大きな話題にならなかった。立民や国民民主党が政局にしなかったからだ。

それが共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が10月に首相の後援会が大量に招待されていたと報じると、立民などが飛びついた。「首相の関与」を追及できると踏んだからだ。

程度の問題はあるにせよ、構図は与野党とも同じだ。平成22年、旧民主党政権の鳩山由紀夫元首相も桜を見る会を主催し、同党関係者が多く招待された。ホテルでの「格安パーティー」は立民などの議員も行っている。だから野党の追及は説得力がない。

制度の改善に本気で取り組む姿勢もない。10月に国民民主の森裕子参院議員の国会質問が漏れたと騒いだが、これを機に質問通告の改廃、ひいては官僚の働き方改革に取り組むかと思いきや、森氏が民間人の住所を公開するという人権侵害を行ったころから、国民民主はいつの間にかフェードアウトしていった。

一方で、「原則毎月実施」を与野党が申し合わせている党首討論は今国会で1回も開かなかった。超党派で党首討論の夜開催などの改革を目指す動きもあったが、うやむやになっている。デモが過熱している香港や中国によるウイグル族への弾圧に国会決議を行うという動きも一切なかった。

国会運営には1日4億円以上の税金が投入されている。おおざっぱな計算は以下の通りだ。

国会議員の歳費が約2200万円で、文書通信交通滞在費や立法事務費を含むと約4200万円に上る。これに公設秘書(3人)の給与、衆参両院の議員会館や議員宿舎の維持費、職員給与などを含めた衆参両院の予算は約1220億円。さらに政党交付金約320億円を加えると計1540億円で、国会閉会中も含めた日割りで1日あたり4億2千万円となる。

税金は1円たりとも無駄にしてはいけない。とはいえ、5千万円の税金の問題で一色となった国会に毎日4億円以上の血税が投入されている。国会議員の感覚は、やはり麻痺(まひ)している。

https://www.sankei.com/smp/politics/news/191215/plt1912150001-s1.html

ネットの反応

・15年超の政治部記者経験を振り返っても、これだけ実りの少ない国会は珍しい。

首相主催「桜を見る会」の追及だ。

不備があれば改めればいい。誤解を恐れずに言えば、約5千万円の予算をめぐる問題が国会の最大のテーマとはなり得ない。

・世の中にはもっと優秀で仕事が出来る人達が沢山いる。 こんな人達が国民の代表? 選んでる国民も恥を知れ。

・野党の目的は、国政の遅延と停滞です。桜もモリカケも。 初めから妨害目的でやってる連中を選挙で消し去らないと、日本は先に進めませんね。

・それに法律に引っかかってないのだからどうしようもない。 法を改正するなり問題点を洗い出せばよいのに、書類がどうだ発言が違うだウンタラカンタラ。 こう的外れな追及しか出来ないのだから支持率など上がる訳もない。

・米中は貿易戦争、香港はデモ、英国では総選挙、北朝鮮はミサイル発射。そんな中で日本は花見の話。特定野党が日本を壊す。

・「モリカケ1年ちょい引っ張って国民に迷惑かけて税金使いまくって支持率下げたくせに懲りてない」としか思えないもの。森友=言いがかり、加計学園=野党とマスコミが岩盤規制側(獣医師会と文科省がズブズブの関係)だってわかっただけだし。いまだにそういうとこ隠して報道してるよなぁ…

・桜を見る会の追及も必要ですが、 短時間でサッと終わらせて、 本来やるべき仕事に取り組むべきですね。 資料を出さないとか、言いたいこともあるでしょうが やるべき仕事をやらないことを選択したのは野党側です。

・野党のやった最大の失敗は「桜を見る会」の追及で 問題の論点を次々に替えていったこと しかもそれらが致命的に大きなものでもなく、野党へのブーメランも発生している 結果として「しょぼい問題に次々と因縁をつけている」という印象だけを作り上げてしまい 野党のしょぼい突っ込みだけが強調された

・仰る通り、これほど酷い国会は過去に記憶がない。

・「桜以外もやってる!」と彼らはいうが 他に拉致問題や習近平国賓待遇、アベノミクス などメインディッシュがたくさん。 本末転倒とはこのことですな

・桜事案は、野党が仕事しないことを際立たせたのもある。

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