クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた静岡市内に住む60代の男性が新型コロナウイルスに感染していたことが28日、分かった。市が同日夜に記者会見して明らかにした。静岡県内で感染が確認されたのは初めて。

 市などによると、船内の検査で15日に陰性が確認された男性は20日に下船。マスクを着用して電車を利用して帰宅し、保健所が毎日、健康状態を確認していた。しかし、男性は27日、軽いせきやのどの違和感を訴え、検査の結果、翌28日に陽性が確認された。現在、感染症指定病院で隔離して入院している。

 男性は帰宅後、近くの店に買い物に2回出かけた。その際もマスクを着用しており、市は「家族以外の濃厚接触者はいない」(加治正行保健所長)とみている。男性と同じタイミングで家族も検査した結果、陰性だったという。

 県によると、クルーズ船から19〜21日の間に下船し、県内に戻ったのは今回の男性を含め計28人。うち静岡市には13人が戻った。市は男性の陽性反応を受け、他の下船した人も経過観察が終わる週明けに検査する方針だ。