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県内初、静岡市の60代男性感染 新型肺炎

 静岡市は二十八日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から二十日に下船した市内の六十代男性が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表した。静岡県内で感染者が確認されるのは初めて。市によると、男性は家族とともに乗船し、家族のほかに長時間行動を共にした濃厚接触者はいない。

 男性は、船内で十五日に受けた検査で陰性だったため二十日に下船し、横浜から静岡までは鉄道で帰宅した。自宅で経過観察を続け、二十七日にのどの違和感を感じたため、家族とともに市内の帰国者・接触者外来でウイルス検査を受け、二十八日に陽性と分かった。家族は陰性だった。家族は自宅で過ごしており、人数は公表されていない。

 男性は帰宅の電車内や自宅待機中は常にマスクを着けていた。この間、自宅近くで買い物に二回外出しただけだった。現在は市内の指定医療機関に隔離入院し、症状はせきやのどの痛みなどで軽いという。

 厚生労働省によると、クルーズ船で陰性とされ、下船後に陽性反応が出た人は二十二日から二十七日までに四人。静岡市保健所の加治正行所長は「船内ではウイルス量が少なかったために検出できず、その後に増えた可能性がある」と話した。男性の家族が今後発症する可能性にも言及した。

 市によると、市在住の下船客は男性のほかに十二人いる。毎日電話で健康状況を確認し、順次、ウイルス検査も実施するという。

 田辺信宏市長は「感染経路は分かっている。冷静な対応をお願いしたい。通常の感染予防対策に努め、発熱やせきなどがあれば外出を控えてもらいたい」と話した。

(五十幡将之)

 

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