静岡新聞NEWS

新型肺炎 静岡県内初確認 静岡市の男性、クルーズ船客

(2020/2/28 23:23)
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客から、新型コロナウイルス感染が確認されたことを受け記者会見する静岡市の田辺信宏市長。右は加治正行保健所長=28日夜、静岡市役所
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客から、新型コロナウイルス感染が確認されたことを受け記者会見する静岡市の田辺信宏市長。右は加治正行保健所長=28日夜、静岡市役所

 静岡市は28日、市内に住む60代の男性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内での感染者確認は初めて。男性は新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船し、船内検査で陰性だったため、20日に下船していた。現在、市内の感染症指定医療機関に入院している。
 市によると、男性は下船後、鉄道を利用して自宅の最寄り駅まで戻り、徒歩で帰宅した。移動中はマスクを着用していた。
 男性は帰宅後、近所に2回買い物に出掛けたが、第三者への濃厚接触はないという。27日になって息苦しさを感じたため、静岡市内で帰国者・接触者外来を受診した。そのまま市内の医療機関に入院し、28日午後5時ごろ、市環境保健研究所のPCR検査で陽性と確認された。現在、軽いせきやのどの違和感といった症状があるものの、発熱はないという。男性と一緒に乗船していた家族はPCR検査で陰性だった。市は家族の人数を明らかにしていない。
 クルーズ船で陰性と判断され下船した静岡市民は、ほかに12人いるという。市が毎日、健康状態を確認し、下船から14日後にPCR検査を実施するという。県内全体の下船者は28人で、県は同様の対処を検討している。
 28日夜、記者会見した田辺信宏市長は「冷静に対応してほしい。今回はクルーズ船下船の方の感染なので、市民は普段通りの生活をして、せきエチケット、手洗いの励行をお願いしたい」と呼び掛けた。

静岡医療・健康・福祉の記事一覧