---------------------------
----S----129------------
----c-----------------------------
----a-----------------------
----r-l-e-r-t--------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(山ノ根)え~っと 熊谷さ~ん。
(照子)あっ はい。検査結果ねあの~ 今 先生来ますんで。あっ はい。お待ち下さい。
はあ~!
川原喜美子先生?
(喜美子)あ… はい。ああ! 私 好きなんですぅ。
ありがとうございます。個展にも何回も行かしてもらいました。
一緒に… 一緒に 一緒に… あの…。あ… はい はい…。
写真を撮りました!あ…。
回想 あの~あ… あの お写真ご一緒に撮って頂けますぅ?ああ はい。
撮りますよ。はい チーズ。(シャッター音)
覚えてはらへんと思いますけど。ああ… すんません…。
ええんです ええんです。いや~ 感激やわあ。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
遅いなあすぐ来るような感じやったのに。
こういうもんやで 病院は。そうか?
病院 苦手や。そら 得意な人おるか?
思い出すわ… おじさん。
偶然 会うてん。
うん。
おじさん 強い人やったな。
うちは あかん。 敏春さん大丈夫やろか…。
大したことないよう祈ろう。
祈ろう。 あっ おじさんの顔が浮かぶ。
やめえ やめえもう思い浮かばんでええ もう。
濃いでえ~。ハッハッ。
(大崎)熊谷さん。
何ですか?あ… どちらが熊谷さん?
えっ 何ですか?大崎です。
先生 大崎先生もう 着て下さい。え~。
もう 「え~」やないです。 すんません。
もう かなんわあもう ほら はい きちんとして下さいよどっかのおっさんみたいですやんか。おっさんだもん。
(山ノ根)ほな はよしてや おっさん。
担当の者が夏風邪で。医者の不養生ってやつですよね。
僕が代わりに。どうぞ お入り下さい。 お待たせしました。
はい。 ほな 行ってくる…。
(敏春)血糖値が… 高い?
そや。 命に関わるようなことやなかった。
ほんまに? ほんまですか?
ハハ… よかった…。
(陽子)ほっとしたなあ。 はい。
また こんなん頼んで!うちが頂きますぅ。あ… ちょ…。
これまで以上に食事に気を付けな あかんらしいですよ?
ほんで うちが呼ばれたんやで。
更に厳しく食事を管理し節制せなあかん。 将来のためにな。
うん?うん? うん?
分かる。 今の 将来いう言い方しっくりこんなあ。しっくりこん。
将来やのうて うちらの場合…。
老後や。老後や。
あんたらが老後の話するなんてなあ。
(大野)ほやけど もう照ちゃんおばあちゃんやもんな?
2人目 出来ましたぁ。わっかいおばあちゃんやあ。
やっぱり 孫は孫でもう かわいいて たまらんやろう?
たまりませんわぁ。(笑い声)
武志は次世代展に応募することを八郎に話し喜美子は 作品作りにいそしんで暑い夏が過ぎていきました。
♪~
秋には 今年4回目の穴窯をたき上げて…。
♪~
本年度の作品作りは 早々に終えました。
(住田)お礼の手紙ですか。うん。 「作った湯飲みでお茶飲んでます。水曜日の朝足取りが ほんの少し軽くなりました」。
うれしいなあ。何で 水曜日?
住田さん。はい。
うち 陶芸教室 開こう思います。え~。
ゆっくり考えたんですけどそういう時間を作りたい。
陶芸教室でっか?
近所の人ら集めて子どもたちにも声かけて。
採算とれます?もうけは あらへん。
まあ 地元に貢献するいうやつやな。そんなん続きますぅ?
ほやから ゆっくり考えた言うてるやん。材料費は もらうで。
そらそうでっせ持ち出しは あきまへんで。
月に2~3回… 週1回にしようか。
(百合子)早速 始めることにしたそうです陶芸教室。
おっ。お声かけ お願いしますぅ。はい はい はいはい!
うちもやってみたい。 もう ずっと前からやりたい言うてたんやなあ?
昔 そんなん言うとったな。なあ?
ほんまはなおかあさん合唱団もやりたかってん。
そやったんですか?何でもやりたがんねん。
まあ ここの店の仕事もあるしなあなかなか時間とれへんやろう?
そんなん なんぼでも言うて下さい。やりたいことやって下さい。
ほんま?やったらええ…。ええの? やってええの?
わあ~ うれしいわあ喜美ちゃんに教えてもらえるんやろ?
是非いらして下さい。お待ちしてますぅ。
陶芸教室の準備を進めるうちに11月半ばになり…。
♪~
武志の作品が ようやく完成しました。
(掛井)おっ 雪 降らせられたやないか。
(武志)なんとか。
最高の出来ちゃうか。
やりたいことは 全部やりました。
最高とは 正直 言えないですけど…最善は尽くしました。
最高の答えやろ。
えっ。限られた時間の中で自分の最善を尽くす。 ようやった。
はい。
よう やり切ったな? お疲れさん。
ありがとうございます。
次世代展 応募するんやろ?
はい!
(一同)かんぱ~い!
あ~!
(大輔)ようやっと終わったな。(学)これで 一息つけるんやろ?
長かったな。(竜也)ずっと やってはったから。
ハハッ まあ そういうもんやからな。
皿 もっとある?おう。
あっ…。ごめんな。
思うようなもん作ろう思たらとことん追求してしまう。
時間も忘れてしまうわ。 はい。
なあ この夏の 俺の思い出聞いてくれるか。
この夏の思い出は!
雪の結晶で~す! ってアッハハハ… すごいやろ 寒いやろ。
あっ せやせや 真奈さんと話 したん?
何を?ええ~ 「何を」て 分かるやろ。
分からんのとちゃう?こいつ 鈍いとこあんで。
え~。いや 分かります。
やんなあ!ほら 竜也君でさえ分かってんのに。ちょっ どないしたん? なあ。
(学)待て待て待て。(大輔)うん? うん?
何や おもろいこと考えてんちゃうけ?分かった!
あの体勢から ハト出すで。ハトな 白いハトなあ。
パア~って こっち飛んでくんねんこっちの方に。
パア~って。ちゃうな。 これは愛の告白とちゃうか~?あ~! さっきのな? さっきのな。
真奈さんのことほんまは 俺も思てますね~んいうて。分からんちゃう 分かっとるやん。(学)分かっとるなあ。
ちょっと…。
大丈夫ですか?
ああ ごめんな 大丈夫 大丈夫。
(2人)うわ~!おい ちょっ…。
(学)お前 ティッシュは…。(大輔)たれてる たれてる!
はい はい…。お前 はよせえ!
止めえ 鼻血止めえて。 止めえ 止めえ…。
使い過ぎやて お前 もったいないな。(学)何で そんな 鼻血とか出んねん…。
(武志)ごめんな それせっかく持ってきてくれたのに。
ああ。 みんなでやろか思て。つなげるテレビがなくてな。
いえ よっぽど一生懸命やったんですね。
うん?テレビもない部屋で帰ったら寝るだけの毎日やったんですね。あ~ ハハッ まあ 確かにな。
俺も野球やってる時は そうやった。夢は 野球選手やったもんな。
あ… 肘 痛めたんで…。諦めたん。
もともと そんなん無理や思てたんで。
夢は 無理やから 見るんやで?
手ぇが届かへんから人は 夢みるんちゃう?
タケタケは どんな夢を見てるんですか。
亜鉛結晶のデザイン化や。はっ?
器に 雪 降らせるんがここんとこの夢やった。
終わったやないですか。終わってん。
どうするんですか これから。なあ。 もう どうしよ。 ハハハッ。
夢みて下さいよ。お前もな。
悪ぃ 寝るわ。
調子悪いんですか?いや 飲み過ぎてん。どっか痛むとか。
ちょっと寝たら治る。 おやすみ。
♪~
鼻血?
まあ 鼻血出たからいうて何やいう話やけど竜也が心配しててな。疲れがたまってんちゃう?
ふ~ん…。ひとつきほど前にもひどい風邪ひいたんやて。 聞いてる?
知らん。あ… 聞いてないんか。
まあ 言わんよなぁそんなん いちいち言うてこんわなぁ。
ほな これ あっち置いとくな。あっ ありがとう。
(戸の開閉音)
来てないて 休みいうことですか?
(店長)うん それも急にな。えっ。だるいとか言うてよ。
いや~ すいません ご迷惑おかけして。
ほんま 申し訳ありません。(戸が開く音)
おっ…。あっ 武志。
え… 何してんねん。何してんねんは こっちや。
電話にも出んと。バイトや。
バイト来てへんやん。今 来たやん。
休む言うたんちゃうのん。あっ もう大丈夫です すんませんでした。
すぐ入りますね。
なあ。うん?どっか調子悪いん?
風邪や 風邪。病院行ったん?
薬のんだら治った。
前も ひどい風邪ひいて寝込んだらしいやん。
いちいち来んなや 大丈夫やし。
ほんま大丈夫やから。ちょっと寝たら治んねん。
お母ちゃんこそ気ぃ付けやまた痩せたんちゃうんけ。
えっ。アハハッ ほなな。
いらっしゃいませ。
♪~