沖縄県の石垣市議会(平良秀之議長)は2日、3月定例会本会議で、石垣市平得大俣の陸上自衛隊配備計画に伴う沖縄防衛局への市有地売却議案を賛成11人、反対9人、退席1人の賛成多数で可決した。市有地は賃貸を含めた約23ヘクタールで、配備予定地約46ヘクタールの半分を占める大きさ。防衛省は射撃場の整備などを想定している。沖縄防衛局は先行取得した民有地から工事を進めており、今回の可決で陸自配備計画は大きく前進する。
売却分は13・6ヘクタールで金額は約4億1700万円。残る8・8ヘクタールは年間約855万円で貸し付ける。賃貸は議決の必要がない。市は今後、売却と同時に賃貸の手続きも進め、3月中に防衛局と契約を結ぶ方針。
市議会(定数22)の構成勢力は議長を除き、与党12人、野党9人。採決では与党のうち公明1人が退席した。関連する補正予算案も賛成多数で可決した。
討論では配備計画に反対する野党8人が二回ずつ登壇して訴えた。大濱明彦氏は「もっと議論する必要がある。拙速に結論を出すべきではない」と話した。
与党の仲間均氏は「尖閣諸島を守るのは国の重要な任務だ。市民の安心安全を確保するために自衛隊配備は必要だ」と語った。
中山義隆市長は可決後、報道陣の取材に応じ「厳しい状況だったが、何とか可決させていただいたことに感謝したい。自衛隊配備は必要だと思う」と述べた。