◆野党“合流”協議の真っ只中に立憲民主党代表・枝野幸男を直撃
’20年は解散総選挙の年。永田町ではそう囁かれている。本命は東京五輪の余勢を駆っての秋解散だが、6月解散で東京都知事選とのW選挙に持ち込む、という見立ても。これに対して「2月解散」の可能性を指摘しているのが、立憲民主党の枝野幸男代表だ。「桜を見る会」問題に加え、秋元司・元国交副大臣の逮捕で幕を開けたIR疑獄に揺れる自民党をいかにして追い詰めるのか? 野党合流協議真っ只中の12月25日に枝野代表を直撃した。
――’19年は安倍首相が「桜を見る会」に地元後援者を招待するなどして私物化していた疑惑が大きな注目を浴び、直近では自民党の秋元議員が中国のカジノ関連業者から賄賂を受け取っていた疑いで逮捕された。’20年はどう安倍政権と対峙していくのか。
枝野代表:IR疑獄は国会で徹底的に追及するとともに、政府としての見解を示すよう求めていきます。なぜなら、モリカケ問題や桜を見る会も含めて一連の事件は、安倍政権による「権力の私物化」が根底にあるからです。強大な権力を振りかざすことで“忖度”を生み、子供だましの隠蔽工作やウソをつき通してきた。桜問題では招待者名簿の提出を要求した当日に廃棄して隠蔽し、名簿のバックアップデータの開示を要求すると菅義偉官房長官は「公文書ではないので開示の必要なし」と堂々とウソをついた。名簿が公文書管理法に基づいて廃棄されたと説明しておきながら、バックアップデータは公文書ではないなんて主張を通そうしているんです(苦笑)。こうやってウソを繰り返し、逃げるのが安倍政権の常套手段。’17年にはモリカケ問題の真相を明らかにすべく臨時国会の召集を求めると、安倍首相は臨時国会の冒頭解散で審議から逃げました。
――’19年の通常国会も安倍首相が出席する予算委員会が長期間開かれず、臨時国会でも開催を拒否し続けた。
枝野:そのとおりです。審議拒否で逃げ延びた。しかし、これは想定内。桜問題に関しては当初から1月20日に召集される通常国会の予算委員会に焦点を当ててきました。年末年始を挟んで国民の関心が薄れる可能性がありましたが、過去の桜を見る会の首相推薦枠は「60」という番号で区分されていたことなど、新事実が次々と明らかになってきました。そのために立憲民主、国民民主、社民、無所属フォーラム、社保国(社会保障を立て直す国民会議)で9月に結成した共同会派と共産党などで追及本部を設置して、いかにして安倍政権を追い詰めるか話し合ってきました。
◆「ブーメラン」という指摘は見当違い
――桜問題では安倍後援会の前夜祭がホテルニューオータニで会費5000円だったと問題視されたが、その後、立憲民主の海江田万里議員も同じホテルで一人5000円程度のパーティを開催していたと報じられ、「ブーメラン」と話題になった。
枝野:その指摘は見当違いです。なぜなら、政治資金パーティは「来ない人がたくさんいる」ことを想定しているもの。パーティ券代の購入者数に対して参加者は何分の一という数になるのでホテルへの支出は減り、パーティ券の購入者数で支出を割ると、一人当たりの負担が小さくなってしまうのです。しかし、「前夜祭」はあらかじめ参加者が確定しているもの。同じ5000円でも、比較対象にはなりません。
◆支持は派手ではないが着実に広がっている
――ただ、桜問題が注目を浴びても、立憲民主の支持率は伸びていない。
枝野:それも間違いです。常に世論調査の結果を分析している専門家の計算では桜問題以降、我々の党の支持率は平均1ポイント近く伸びています。顕著な上がり方ではありませんが、それは当然のこと。選挙になって初めて、大多数を占める無党派層が支持政党を決めるようになり、各党の支持率が大きく上昇するからです。だから、選挙の際にいかに無党派層から選ばれるかが重要。その点、私は手応えを感じています。大宮の駅頭に27年間立っていますが、町の反応が「次こそ野党、頑張れよ」となってきています。
――支持が広がっていると感じられるようになった背景とは?
枝野:それは共同会派の成果でしょう。基本的に国会は会派主義です。会派ごとに質疑の時間が配分されるため、以前は各会派がバラバラのテーマで、時に重複した質問をするようなこともありました。しかし、共同会派を結成してからは、テーマを絞り込んで追及することができました。桜問題の火つけ役は共産党でしたが、共同会派という形で窓口を1つにすることで、共産党との情報交換もスムーズになり、役割分担も明確になった。議員が多い我々の党は安倍首相の地元である山口まで行って聞き取り調査を行い、共産党は新たな事実の調査に注力してもらうという具合です。
◆合流野党と旧民主党との最大の違いは「経験値」
――その共同会派の延長線上で、12月6日には野党合流を呼びかけた。立憲民主党が各党を吸収するのか?
枝野:そこにも誤解があるのですが、私は一度も「合流」という言葉を使っていません。あくまで立憲民主党と共に戦っていくよう呼びかけた。党が1つになることも含めて、もっと連携を強化していきましょうと。
――立憲民主の資金が枯渇してきたから、潤沢な資金を擁する国民民主との合流を求めたとの報道もあるが。
枝野:それは関係ないですね。別に各党が存続してもいいし、私は立憲民主単体でやっていくことも念頭に置いています。ただ、国会でしっかりと行政監視の力を働かせ、選挙に勝っていくことを考えると、党を1つにしたほうがいいのは事実。
――仮に、合流が実現したとして、旧民主党との違いは?
枝野:当然、旧民主党を知らない議員も多くいます。しかし、最大の違いは経験値です。経験がないのに、いきなり官僚組織や国家は動かせない。’09年の政権交代で私はそれを痛感しました。安倍首相だってそうじゃないですか? 第1次政権では閣僚の不祥事・失言が相次いで支持率が急降下して、最後は政権を放り出してしまった。その経験があったから、第2次政権は、いかに権力を維持するかという点についてだけ言えば、見違えるようになりました。
――次期総選挙では何を訴える?
枝野:現在の日本の格差社会は徹底的に是正しなくてはなりません。安倍政権下での消費増税で個人の負担が増えた一方で、大企業は内部留保をため込んでいます。富の偏在が顕著になってしまったので、豊かさを公平に分かち合う政策が必須。
――立憲民主には「消費税ゼロ」を訴える議員もいるが、枝野代表は?
枝野:少なくとも8%から10%に引き上げたことは間違いであるということを前提に、私が総理になったら増税の議論はしないと約束します。実際に引き下げるかどうかは、その先の議論でしょう。
来るべき総選挙に向けて臨戦態勢にあることを強調する枝野代表。新年早々の“桜解散”はあり得るのか? ’20年は一波乱ありそうだ。
◆アイドル通として知られる枝野代表のイチオシは?
’17年の選挙では欅坂46の「不協和音」の歌詞を引用して演説した枝野代表。目下注目しているのは、乃木坂46の4期生の賀喜遥香。
「私は宇都宮高校で、彼女は宇都宮女子高と地元が一緒なので注目しています。乃木坂の『夜明けまで強がらなくてもいい』の最後の『すぐに夜明けが来る』という歌詞は、どこかで使わせてもらうかも(笑)」
<取材・文/池垣 完(週刊SPA編集部) 撮影/菊竹 規>
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