休校要請、首相「専門家の意見伺ったものではない」
2日午前9時から参院予算委員会で、安倍晋三首相らが出席して新年度予算案の基本的質疑が開かれています。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、首相が小中高校などに休校要請をしたことなどをめぐり、論戦がかわされています。野党の質問に対する首相の説明は――。タイムラインで速報します。
■「なんで急に発表するのか」[09:40]
萩生田光一文部科学相は参院予算委員会で、全国の小中高校への休校要請をめぐり、各地の「柔軟な対応」の好事例をまとめ、2日午後にも発表する考えを示した。「柔軟な対応をとるべきだという指摘は我々も認識していた。先行事例をまとめ、今日の午後にも発出させていただく予定だ」と述べた。
立憲民主党の福山哲郎幹事長が「なんでこんな一律に急に(休校要請を)発表するのか。(休校要請の前に)それぞれの自治体で弾力的な対応をしてくださいと指示を出して、それぞれの良い例を挙げて紹介する(べきだった)と」と追及したのに対し、答えた。
萩生田氏が先行事例を発表する方針を明かしても、福山氏は追及の手を緩めず、「本当は(休校要請を)発表した後にすぐに示すなり、事前に示すことが行政としてあるべき姿なのではないか」と批判した。
これに対し、萩生田氏は「自治体にもう少し準備期間をとることを望ましいと思ったのが文科省の最初の判断だった」と説明。一方で「最終的に政府の(全国一律の休校要請の)判断は私は正しいと思っている。いつ学校から子どもの感染が発生するかも分からない事態で、この1~2週間を乗り越えていかなければいけない」と語った。
■休校要請「専門家の意見伺ったものではない」[09:10]
安倍晋三首相は参院予算委員会で、全国の小中高校などへの休校要請の政府内での決定過程について、「直接、専門家の意見を伺ったものではない。判断に時間をかけるいとまがない中において、私の責任において判断させていただいた」と述べた。立憲民主党の福山哲郎幹事長への答弁。
首相は「国内の感染拡大の状況において、専門家の知見によれば、これから1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となるとの見解がすでに示されている」と説明。「大人のみならず、子どもたちへの感染事例も各地で発生している」と強調した。
■野党の「二枚看板」が追及[09:00]
「唐突感があった。いささか驚きながら拝見した」
政府が全国の小中高校などに要請した休校の初日となった2日。賛否両論を呼ぶ急な政府の要請をめぐり、参院予算委員会で立憲民主党の福山哲郎幹事長の追及が始まった。立憲は福山氏と蓮舫参院幹事長という参院の論客として知られる「二枚看板」を投入し、厳しく安倍晋三首相をただす構えだ。
福山氏は午前10時過ぎに質問を終え、蓮舫氏は同11時過ぎに質問に立ち、正午~午後1時の休憩時間を挟むかたちで、野党を中心に政権の対応についてやりとりされる予定だ。
新型コロナウイルス対策をめぐっては、2人の「専門家」も政府をただす。午前10時過ぎからは小学校教諭出身の立憲の斎藤嘉隆氏、午後1時半ごろからは医師の資格を持つ国民民主党の足立信也氏が質問に立つ。休校要請や政府の初動対応をめぐり、深掘りした論戦が期待される。
午後5時ごろに散会する予定。新型肺炎をめぐる問題のほか、「桜を見る会」や東京高検検事長の定年延長の問題をめぐっても、野党の追及が予想される。
■首相「緊急事態宣言の実施も」[08:59]
安倍晋三首相が参院予算委員会の冒頭で発言し、用意した紙を持って読み上げた。小中高校など全国一斉の休校を要請した意図について「子どもたちへの感染事例も各地で発生し、感染拡大を防止する努力がなされており、判断に時間をかけるいとまはない。学校において子どもたちへの集団感染という事態は何としても防がなければならない」と述べた。
対策として「職場を休まざるを得なくなった保護者には、所得減少に対する手当を行う」「学童保育の実施など各自治体における取り組みを財政面も含めて国として全力で支援する」などの説明も、紙を読み上げた。
首相は続けて、必要な法整備について「政府としてはあらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小化するため、緊急事態宣言の実施も含めて新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講ずることが可能となるよう、立法措置を早急に進める」と発言。さらに、今年度の予備費を活用した緊急対応策についても10日をメドにとりまとめる方針も示した。
■審議スタート[08:57]
安倍晋三首相が要請した全国一斉休校の初日。首相ら全閣僚が参院予算委員会に出席し、新年度予算案を審議する基本的質疑がスタートした。
(朝日新聞デジタル 2020年03月02日 10時19分)