【ヌバック・スエード革登山靴】質感を損なわずにメンテナンスをする方法を探求する2
Collonil(コロニル)社製品達が到着した
前回選定したしたコロニルのアイテムたちを使って使い古したモンベルのツオロミーブーツ2018のメンテナンスを行う。
しっかりと手入れを行い次の山行に備えたい。
今回のアイテムたちは下記の通り
今回準備したのは左から
・レザーソープ(水では落ちない脂溶性の汚れを落とす洗浄フォーム)
・レザージェル(革に浸透して内部の防水撥水性能を高める)
・ヌバック+テキスタイルローション(浸透して撥水効果と保革成分を与える)
・レザーワックス(表面にワックス層を形成して革の表皮の強化を行う)
・防水スプレー ナノプロ(表面に撥水層を形成する)
モンベルのツオロミブーツはソール周辺とかかと付近にヌバック革材が使用されており
ぼろぼろのこの子がどの程度復活するか楽しみである。
今回のメンテナンス結果を次回LA SPORTIVA NEPAL EVO GTXのメンテナンスにフィードバックしたい。
購入してから約一年。もう油分が抜けてカッサカサになっている。
これはメンテナンスをさぼりすぎですね。。。
合わせてツオロミーブーツ2018(レディースモデル)のメンテナンスも並行して行った。
こちらは痛みが少ないので色の変化は少なそうである。
NEPAL EVO GTXはレディースのこの靴くらいの素材感の変化で済みそう。
このブーツ、お手頃価格ではあるが秋口の白馬三山テント泊ソロ縦走(2泊3日)など共にした
価格の割に信頼のおける、豪雨も多少の雪もへっちゃらブーツ。
真夏の白馬大雪渓の登坂や厳冬期の赤岳周辺のスノーハイク(登頂はしてない、マイナス15度環境でも行けたわ・・・)
など全天候型の3シーズンブーツである(登山入門者にはお勧めです)
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必要機材
・上記の5種のメンテナンス材料
・毛足が長く柔らかめのブラシ(水洗い用の選択ブラシとか使い古しの歯ブラシ等)
・洗浄用スポンジ(台所用などでOK)
・靴ブラシ(豚毛などが良い)
・拭き上げ用クロス(繊維が残りにくいモノが使いやすい、雑巾とかでも良いけど)
・磨き上げのグローブ(無くても良いけどあると便利)
作業
では早速作業に取り掛かる。
[工程1]水で砂泥汚れなどを洗う
今は2月。外は寒いのでお風呂場のシャワーのぬるま湯で洗浄した。
毛足の柔らかいブラシで靴の革部分、テキスタイル部分の水溶性の汚れを落としていく。
固いブラシを使うと布部分に毛羽立ちが発生したりなどあまり良いことがない。
作業の注意点としては靴の中に水が入らないようにしてほしい。
型崩れ収縮などを起こす可能性があるため濡らすのは外側だけである。
ソールの裏側の泥や砂も一緒に落としておこう。
このあとの塗布作業で部屋が砂だらけになる。
[工程2]ムース洗浄剤で古いワックスや脂溶性の汚れを落とす
レザーソープの出番である。
アワ泡にしてからスポンジで磨いていく。
スポンジがめっちゃ笑ってる。
スポンジで表面を洗っていく。
テキスタイル部分を含め泡を塗り伸ばすイメージで洗っていく。
汚れが浮き上がり、スポンジに移るはずである。
洗浄完了
軽く水を切っておこう。(もう一足ある・・・)
[工程3]レザージェルを塗り伸ばしていく
レザージェルの出番である。
塗布するのは革部分のみとする。
「乾いたものに塗布すること」と書いてあるが湿ってても特に不具合は感じたことはないので
乾かさずに作業を進める。
テキスタイル部分についても問題ないとは思われるが白くなるかもしれない(履いてれば消えるけど)
防水材が浸透すると先ほど洗ったときにしみ込んだ水が革から追い出されて垂れてきます。
何か敷いて作業しましょう。
靴の片面に対してこのくらいの量ちょうどポンプ一回分くらい。
手早く雑に塗り付ける(のんびり塗ってるとムラになる)
靴全体に”雑に”塗り広げる。
塗り終わったら↓
靴ブラシで塗り広げていく。
ゴシゴシ気長に。
金具部分などもブラシを使えば綺麗に濡れるはずである。
磨いていると白いジェルが見えなくなる。こんな感じ。
[工程4]ヌバック+テキスタイルローションを塗布する
ヌバック+テキスタイルローションを塗布していく。
ボトルのヘッド部分がスポンジになっているので
トントンたたくようなイメージで染み込ませる感覚である。
全体に満遍なく。「水弾け~水弾け~」とおまじないのように塗布する。
垂れない程度に手早く。
テフロン系撥水材配合なのでテキスタイル部分に塗布しても良い。
布はどんどん吸収しちゃうのであまり塗りません。(私は)
こちら塗り終わったメンズモデル。
こちら突然登場のレディースモデル。同じ処理を並行して施している。
元はGORE-TEXのロゴのある部分(ここは合成皮革)と同じくらいの色合いであった。
若干色の深みが増してきてるのがわかると思う。
休憩です。5~30分くらい放置していったん落ち着けましょう。
猫もフット(ウエア)を掃除し始めた。
[工程5]ワックスを塗布する
レザーワックスで表面の仕上を行う。
このワックスの塗り方次第で表面の状況が変わるといっても過言ではない。
たくさん塗ると色は深く濃くなる。
あまり塗らないと表面の保護力が期待できない。
手早くやらないとムラになる。
なかなか難しい作業かもしれない。
とはいうものの、例え塗りすぎたとしてもムラになっても
しばらく使用していればまた油が抜けて元に戻ってくる。
なので安心して思い切ってやってほしい。
(イメージ通り仕上がらなくて失敗しても次に生かしましょう。)
早速ワックスを手に取る。これはメンズモデルに塗った量
全体でこのくらいあれば充分である。
ヌバックの質感を残して色を変えないことを優先する場合はもっと少なく。
圧倒的性能を求める場合はもっと多く。といった感じである。
(性能を求める場合はさらにコロニル シュプリームクリームデラックスなどで光沢仕上げにしても良いですね)
早速塗ってみよう。
前出のレザージェルと同様。
革全体に「雑に伸ばす」→ブラシで仕上げる。
という流れである。
私のツオロミーブーツはかなりボロボロなので。「圧倒的性能」コースで多めに塗布
レディースモデルは「適度を狙って塗布(写真の量より2~3mmくらい少なく)」を行った。
塗布したら、ワックスの「油感」がなくなるまで靴ブラシでなじませていく。
手早く、可能な限り均一に、薄く。
ここまで塗り込み終わったら
手の指の腹で摩擦熱を出してワックスを溶かして浸透させる感じで刷り込む。
革の内部に浸透させ類メージを持ってもらうと良いと思う。
靴が湿ってるときはドライヤーとかは使わないほうが良い。表面がカピカピニなる場合がるので注意。
ワックスがしみ込むと革表面がテカテカしていた表面に少しヌバックっぽいつや消しが戻ってくるのがわかる。
塗り込み終わったメンズモデルとレディースモデルのツオロミーブーツたち。
革部分の色がかなり濃くなっている。
水分が完全に乾くと色は多少明るくなると思う、それほど心配しなくても良い。
(メンズモデルはワックスたっぷりなので黒いままと思うけど)
ここまででいったんの作業は完了。
1日~3日程度、直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾燥させよう。
扇風機の風をあてたりするのもよいかもしれない。
[工程6]靴が乾燥したらドライヤーなどでかるく熱をかける
ドライヤーで靴の表革を温めてワックス溶かして浸透させる。
靴の表皮私たちと同じ皮膚です。火傷させないように!
暖かいなと感じる程度の温度にとどめてほしい。
この工程は面倒であれば1週間くらい放置すれば浸透するのでやらなくても良いです。
ワックスが浸透すると、塗り込み時よりもさらにヌバック的な質感が戻ると思います。
[工程7]防水スプレーの塗布を行う
靴の水分が飛んで乾いたら、表面に防水スプレーを塗布する。
今回はコロニル社の防水スプレー ナノプロ。
防水スプレーの塗布は必ず野外で行ってください
スプレー材の吸引は可能な限りしないように!
マスクなどしたほうが良いかもしれません。
仕上げに防水スプレー ナノプロで加工する。
野外で晴れてるときに作業すると作業性が良いのでおすすめである。
テキスタイル部分を含め全体的に満遍なくスプレーする。
表面が湿るくらい。あまり近くで吹き付けるとムラになるので注意。
スプレー → 軽く乾かす → スプレー。
二回重ね塗りをする。
スプレー材はくれぐれも吸い込まないように!
[工程8]乾燥したら仕上げにブラッシング
多少の塗り斑などがあると思うので仕上げに全体をブラッシングして仕上げていく。
塗り斑やワックスのウキを均すためにブラッシングしたら。。。。
[完成]
メンズモデル↑
ワックスを多めに塗布したので色は暗めに
表皮にはつやが出て炒るのがわかると思う。
これはこれでかっこいい。
ぼろぼろのブーツもしっかり手入れしてあげればこんなにしっかりするんですねぇ。
また一年頑張ってくれそう(期待)
ワックスを少なめにしたレディースモデル
つや消しの質感もしっかり残っており、
ワックス量でヌバックの表面の質感はコントロールできるということがわかると思う。
これで安心してアウトドア環境にまた履いていけます。
おつかれさまでした
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