オリンピック関連のテーマ株は、オリンピックが終わった後、どうなる⁉ 「建設・資材・不動産」と「インバウンド」に関連する銘柄を取り巻く状況と、代表的な関連株を12銘柄紹介!
発売中のダイヤモンド・ザイ2020年2月号の大特集では「2020年 株&投資信託【全予測】」を掲載! 日本株はもちろん、米国や中国など世界の株式市場、為替市場の動向を大予測。また、2020年の注目の投資テーマや値上がり期待の銘柄、人気の投資信託の値動きなど、具体的な投資対象の動向についてもアナリストなど投資のプロ100人の予測を公開している。
今回は、この特集から、2020年最大のイベントである「東京オリンピック」に関連したテーマ株を紹介! オリンピック関連で注目されている業種はいくつかあるが、ここでは「建設・資材・不動産関連」「インバウンド関連」銘柄の今後に関する予測と、注目株をピックアップしてみよう!
オリンピック関連業種の「建設」は、今後も需要が引っ切りなし!
不動産はオリンピックと直接関係ないものの、失速懸念で割安に
東京オリンピックに関連して注目される業種の中には、オリンピック開催後の失速を不安視されているものもある。その筆頭が「建設」だ。実際、現時点でオリンピック関連の工事需要が業績の追い風になっているのは確かで、株価も足元で上昇基調にある。ところが、オリンピック関連の工事需要がなくなったときにどうなるか、という不安が広がっているためか、まだ割安感の強い銘柄も多い。しかし、「この不安は的外れ」というのが、アナリストの共通見解だ。その理由は、オリンピック以外の需要も非常に豊富だからだという。
なかでも、災害対策など「国土強靭化」の公共工事需要は大きい。2019年12月5日には、オリンピック後の景気下支えも目的として、事業規模26兆円におよぶ経済対策が閣議決定された。そのすべてが建設に回るわけではないが、恩恵は多大だ。
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さらに「IR(統合型リゾート・カジノなど)や大阪万博に向けた需要も出てくる」(内藤証券の高橋俊郎さん)、「東南アジアをはじめ、海外の建設市場も拡大」(フィスコの雲宮祥士さん)と、需要には事欠かないのが実情のようである。
また、「不動産」関連も、建設と絡めてオリンピック後の失速が懸念されている業種の一つ。こちらも全般に、好業績に対して株価は割安だ。
だが、冷静に考えると、不動産とオリンピックは直接的には関係がない。足元の好調は、低金利と活発なオフィス需要などによるものだ。したがって、金利が上昇したり、価格が上がり過ぎて需要が落ちたりしない限りは、勢いが続くと予想される。今後は「オリンピック後に対する悲観的な見方の修正から、買い直される」(アルゴナビスの清水洋介さん)可能性もあるだろう。
ただし、ビジネスモデルや資金調達力などで、銘柄ごとの差が激しいという指摘も。また、もし景気が失速した場合は、公共事業が支えとなる建設に比べて、不動産は影響が大きくなることも覚えておきたい。
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なお、以下に紹介するのは「建設・資材・不動産」の代表的なオリンピック関連銘柄だ。これらは、ダイヤモンド・ザイ2月号の特集「買っていい×買ってはいけないをズバリ判定! 人気の株500+Jリート14【激辛診断】2020年・新春版」で紹介している人気の株500銘柄の中から選んでいる。
表にある「投資判断」とは、人気の株を、アナリストなどの投資のプロが「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価したもの。詳しくは、本誌で特集「買っていい×買ってはいけないをズバリ判定! 人気の株500+Jリート14【激辛診断】2020年・新春版」をチェックしてほしい。
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◆「建設・資材・不動産」の代表的なオリンピック関連銘柄は? |
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銘柄名(コード) | 投資判断 | 最新株価 |
大林組(1802) | 強気 | |
コマツ(6301) | 強気 | |
大成建設(1801) | 強気 | |
住友不動産(8830) | 強気 | |
ショーボンドHD(1414) | 強気 | |
いちご(2337) | 強気 |
オリンピックが終わってもインバウンド需要は続く!
爆買い系ではなく、地方観光やイベント体験の関連銘柄に注目
もう一つ、オリンピック関連の大きなテーマとされているのが「インバウンド」だ。オリンピック期間中にインバウンド需要が高まるのは必至だが、開催後はどうなるのか。意外かもしれないが、多くのアナリストは「開催後は、むしろ勢いを増しそう」だと見ている。
「訪日客の受け入れのためにいろいろと環境整備もされますし、日本を初めて訪れる人が、リピーターとなる可能性のほうが高いと思います」(内藤証券の田部井美彦さん)
オリンピックが“日本観光ブーム”をもたらす期待を、市場はまだ織り込んでいない、という指摘もある。
もっとも、この数年でインバウンド需要の“質”が変化していることには注意が必要だ。一部の化粧品などを除き、かつての「爆買い」系はとっくに失速。一方で、地方観光やイベント体験などが人気となっている。そうした新しい需要を取り込んだ企業は有望だ。
また、訪日客の増大への対応として、「警備」関連株もオリンピック関連銘柄に含まれてくるが、こちらの需要はやや不透明な面も。特に中小の会社では、人材確保などの問題でもくろみ通りにいっていないケースもあるので注意しよう。
◆「インバウンド関連」の代表的なオリンピック関連銘柄は? |
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銘柄名(コード) | 投資判断 | 最新株価 |
資生堂(4911) | 強気 | |
西日本旅客鉄道(9021) | 強気 | |
近鉄グループHD(9041) | 強気 | |
エイチ・アイ・エス(9603) | 強気 | |
セコム(9735) | 中立 | |
共立メンテナンス(9616) | 強気 |
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今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ2020年2月号の大特集「2020年 株&投資信託【全予測】」から、2020年最大の注目テーマである「オリンピック」の関連銘柄と、その先行きに関する分析を一部抜粋した。特集では、ほかにもオリンピック関連の業種について解説。さらに、2020年に上昇しそうな株、投資信託などについてもたっぷり紹介しているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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