“国旗売り”外国人の正体は聴覚障害者の“フリ”!? 詐欺罪での立件を難しくする巧妙な手口
- 謎の“国旗売り”外国人の目撃情報が福岡市内各地で相次ぐ
- 「聴覚障害者を装っているのではないか」との疑惑も
- 消費者問題にくわしい弁護士「詐欺罪での立件を難しくする事情がある」
「この旗を500円で...」 “国旗売り”外国人から購入
福岡市西区の自動車整備工場。1月末、ふと、若い白人の男性が訪ねてきたという。
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
紙を出してきた。「いま旅行をしているが、この旗を1本500円で購入してくれないか」と書いてあった
その500円の旗というのが…
テレビ西日本 仲村健太郎記者:
これですか。日本の国旗...
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
ストローみたいなやつにナイロンのようなものを付けた
テレビ西日本 仲村健太郎記者:
ペラッペラですね
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
カードのあとにこれを出した
テレビ西日本 仲村健太郎記者:
その時は何も言わず?
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
はい、全く
唐突に渡された日本国旗を購入したワケは、“カード”の中身にあった。
Twitterより:
私たちは聴覚障害者です。あなたたちとの文化にふれあいたいので、私たちの旗を500円で購入していただければ、素晴らしい日本を知ることができると思います。どうぞご協力よろしくお願いします
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
外国の方で旅行者、体がご不自由な方ということもあって、断ることも疑うこともなく購入した
事務所の外で仕事中だった従業員も。
日本国旗を買った従業員:
“聴覚障害”と書いてあったので、言葉がわからないだろうから、どうにか手ぶりで2本(買う)という感じで
この工場で購入した日本国旗はあわせて5本。全部で2500円を支払った計算。
福岡愛宕自動車 田代邦範代表:
隣にコンビニがあるが、お弁当か何かを買った方も同じような日の丸を持って歩いていた
福岡市内各地で目撃情報 取材を進めると“ある疑惑”が浮上
この外国人の「国旗売り」は近頃、福岡市内の各地で目撃されている。
取材班が入手したのは、福岡市中央区の商店街に設置された防犯カメラの映像。リュックサックを背負った男性の手元には「日の丸」があった。
通行人にその旗を差し出す。さらに、すぐ近くでは、なんと別の男性の姿も。旗を手に取った女性にカードを見せ、何やらジェスチャーで訴えている。
そのほぼ同時刻、別の男性は店の中へ。全くためらいがなく、慣れた様子だった。
居酒屋の店主:
(髪を)結んどったかね?
店主の妻:
髪を結んで色が白く、目がパッチリしていた。(旗を)振りながら入ってきた
福岡市城南区の居酒屋を訪ねてきたのは、若い白人の女性だったという。一体、何人いるのか。取材を進めると、ある疑惑が浮上した。
小学生でも... 見境なく国旗の購入を迫る外国人
テレビ西日本 仲村健太郎記者:
日の丸を販売する外国人は、福岡市内の各地で目撃されています。小学校の近くにある交差点では、子どもたちにも接触していました
博多小学校 大道一宏教頭:
「買ってください」というより、「買ってくれ」というふうな、少し威圧的な態度が見えたと聞いている
たとえ小学生であろうと、見境なく日本国旗の購入を迫る外国人たち。
福岡市城南区の居酒屋にも1月末、国旗売りの白人女性が現れ、「聴覚障害者」と書かれたカードを示してきたという。
しかし…
居酒屋の店主:
何か身分を証明できるものは...、“プロフィール”と言えばわかるかなと
店主の妻:
そんな会話をしていたら、携帯を出して文字を打ち出したので、“Russian”と書いているように見えた
居酒屋の店主:
(自分は)背を向けていたので、向こうで言った言葉が、なぜ聞こえていたのか疑問
日の丸を購入するか決めかねていた店主の男性は、白人女性のプロフィールを聞き出せないかと妻に提案した。すると、まるでその言葉に反応するかのように、女性はスマートフォンを出し、「ロシア人」だと示してきたという。
居酒屋の店主:
いろいろネットとかで調べたら、去年あたりに東京の方で、同じような旗を500円で売ってる人がいたみたい
聴覚障害者装う? 以前から“カード”の中身を疑問視する声
2019年4月の東京・池袋。実は、当時からカードの中身を疑問視する声が上がっていた。
Twitterより:
マスクしたまま「No Thank You」って言ったら通じたよ?
Twitterより:
1時間もしないで同じ場所を通ったらタバコ吸いながらペラペラ話してた
聴覚障害者を装っているのではないかという疑惑。
消費者問題に詳しい吉野泉弁護士:
聴覚障害という点で仮にうそがあったとして、詐欺罪に問える可能性はある
ただ、今回のケースでは、詐欺罪での立件を特に難しくする事情があるという。
消費者問題に詳しい吉野泉弁護士:
カードに書いてある言葉の意味が「わかっていなかった」と言い逃れをされることがある。日本語や英語で書いてあろうが、母国語でなければ「意味がわからなかった」と言われかねないのが1つ。被害届もあまり出さない金額だろうし、警察が動きにくい額だろうという点も含めて巧妙
(テレビ西日本)