「真善美(しんぜんび)」
〜しなやかに生きる人が大切にする価値観
「真善美(しんぜんび)」という言葉があります。
「真」とは、嘘偽りのないまことのこと。
「善」とは、道徳的に正しいこと。
「美」とは、美しいさまのこと。
これら三つは、人間が理想とすべき基本的な価値概念であり、行動規範だとされています。つまり、「真善美」を体現することが人間の理想的なあり方である、と言うわけです。
ちなみに、ユニクロ創業者の柳井正氏もこの「真善美」の実践を心がけているそうです。
「私の生き方のモットーは、正しいことをする、行動しながら修正していくということです。毎日の生活では、「真善美」を実践するように最善を尽くしています。
英語では「Truth」「Goodness」「Beauty」と訳されるそれらの価値観を持ち続けることで、人生を信頼できる方法で生きていくことができると信じています」
(柳井正:ユニクロ創業者)
また、全日本弓道連盟はこの「真善美」を弓道の「最高目標」と位置付けています。
弓道のあの凛として美しい所作の目指すところは、「真善美」の体現というわけです。
確かに、「真善美」の三つの価値が見事に体現されている状態というのは、水が高い所から低い所へ流れていくかのごとく、無駄がなく、淀みがなく、力みもなく、自然にものごとが流れていく様子がイメージされます。
それだけ自然の理にかなっているということです。
真善美を目指す意味
「真善美」というと、なんとなく日本の伝統的価値観であり、ちょっと古臭いイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、現代においては改めて見直されるべき概念なのかもしれません。
なぜなら、この「真善美」が人々の内的な拠り所に最適だからです。
いま時代は過渡期を迎えていて、この先どうなっていくのか想像することができません。
これまで当たり前だと思っていたことが、次々と変化していく時代を迎えています。
気をつけておかないと、時代に流され自分を見失ってしまう恐れがあります。
そんな中で、自分を見失わずに立ち続けるためには、何か拠り所となる内的な価値観を持つことが必要となります。
「真善美」というものは、まさにそれに「うってつけ」というわけです。
私たち日本人にとっては親和性が高いですし、いかなる時代においても不変の価値を持っています。
真善美とは
改めて、「真善美」それぞれについて個別に見てみましょう。
「真(Truth)」とは
嘘偽りのないまことのこと。偽物でないこと。本物であること。 純粋で混じりけがないという意味もある。
反対概念は「偽」。
「善(Goodness)」とは
道徳的に正しいこと。人のふみ行うべき正しい道であること。
反対概念は「悪」。
「美(Beauty)」とは
美しいさまのこと。ここでいう美とは、必ずしも視覚的なものにとどまらず、むしろ感覚的な美を指していると考えられます。
反対概念は「醜」。
真善美の反対
「真・善・美」の反対は「偽・悪・醜」。
嘘偽りだらけで、人の道に反し、醜いということになります。
誰か頭の中に浮かぶ人はいるでしょうか?
う〜ん、思ったよりいるかもしれません…。
気をつけておかないと、案外簡単に陥ってしまうということですね。
最後に
何かに迷った時、自分を見失いそうな時、「真善美」という価値観を思い出すことはきっと役に立つはずです。困難な場面でも、きっと道を踏み外さずに済むはずです。
個人でも組織でも、行動規範として常にこれを意識しておくことをおすすめします。
常に真善美を意識して行動していれば、それが自然と体現できるようになっていくでしょう。そうなれば、その人は人生のマスターともいうべき存在となっているでしょう。
人生をしなやかに生きている人たちは、本人が意識しているかどうかに関わらず、結果的にこの「真善美」を体現しています。
この記事を書いていて、私自身も改めて「真善美」という価値観を持って人生を歩んでみようと思いました。
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