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【スポーツ】

高木美、新浜 初の総合V スピードスケート世界選手権

スプリント部門で初の総合優勝を果たし、歓声に応える高木美帆=共同

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 【ハーマル(ノルウェー)=共同】世界選手権第2日は29日、当地で行われ、スプリント部門の女子は昨年総合2位だった高木美帆が148・870点で、男子は新浜立也が137・465点の日本新記録で、ともに初の総合優勝を果たした。女子で昨年覇者の小平奈緒は2位。

 28日の前半2レースとも1位だった高木美は、500メートルの2回目で37秒52の2位、1000メートルで1分13秒93で1位だった。2年前に短距離から長距離の4種目で競う「オールラウンド」で世界一に輝いており、スプリントとの両制覇は男女通じて日本勢初。

 小平は500メートルで37秒46の1位だった。郷亜里砂は総合10位。

 初日トップだった新浜は500メートルの2回目で34秒39の1位、1000メートルで3位だった。松井大和は総合6位、山中大地は13位。

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 【ハーマル(ノルウェー)=共同】世界選手権第2日は29日、当地で行われ、スプリント部門の女子は昨年総合2位だった高木美帆が148・870点で、男子は新浜立也が137・465点の日本新記録で、ともに初の総合優勝を果たした。女子で昨年覇者の小平奈緒は2位。

 28日の前半2レースとも1位だった高木美は、500メートルの2回目で37秒52の2位、1000メートルで1分13秒93で1位だった。2年前に短距離から長距離の4種目で競う「オールラウンド」で世界一に輝いており、スプリントとの両制覇は男女通じて日本勢初。

 小平は500メートルで37秒46の1位だった。郷亜里砂は総合10位。

 初日トップだった新浜は500メートルの2回目で34秒39の1位、1000メートルで3位だった。松井大和は総合6位、山中大地は13位。

 スプリント部門は2日間で500メートルと1000メートルを2度ずつ滑る。昨季まで別大会だった世界スプリント選手権と、短距離から長距離の4種目総合で競うオールラウンドの世界選手権が計3日間に統合された。

◆高木美 爆発力得て離れ業

 女子1000メートルの2回目。最終組で同走の小平に先着した高木美は、ガッツポーズで喜びを表現した。求められる能力が大きく違う「スプリント」と「オールラウンド」の2冠で万能ぶりを証明し「両方取りたいと思っていたので達成できて良かった」。まだ伸びしろさえ感じさせる25歳の若さで、離れ業をやってのけた。

 前夜に好発進しても「総合で競う大会。安心しているとかはない」と緩みはなかった。心身ともに休まる暇なく迎えた後半2レース。重視したのは500メートルだ。以前はリードを許してはいけないと「力みがあった」が、地力を増して落ち着けた。この種目の五輪女王、小平に0秒06遅れの2位と食らい付く。初日にリンク記録を塗り替えた1000メートルは疲れも見せずに1分13秒台を出した。

 短距離でも世界の頂点を争うまでに成長した背景には「刺激をもらえる」と語る八つ年上の小平の存在がある。国内でも、昨年挑戦した世界スプリント選手権でも高い壁に阻まれた。大健闘の2位をたたえる声にも「悔しい気持ちの方が強い」と静かに雪辱に燃え、持久力に爆発力を加えた。

 2010年バンクーバー冬季五輪では初の中学生代表、18年世界選手権では男女通じて初のオールラウンド世界一。日本のスピードスケート史を塗り替えながら、2年後の北京冬季五輪へ進む。 (共同)

◆新浜 新エース、堂々日本新

スプリント部門の男子で総合優勝した新浜立也の1000メートル2回目=AP・共同

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 新浜は最後の1000メートルを滑り終えると小さく拳を握りしめた。1987年の黒岩彰以来で、清水宏保も届かなかった栄冠。「五輪金メダリストでも取れなかった価値あるもの。優勝できるとは自分も周りも一人も思っていなかったと思う」と笑いを誘った。

 前日のムシュタコフに続き、昨年王者のクリズニコフらロシア勢が相次いで棄権。強敵が消えて優勝へ近づいたのは確かだが、加藤条治(博慈会)が8季前に高地のカルガリーで出した総合得点の日本記録を、タイムが伸びにくい低地で塗り替える堂々の滑りだった。得意の500メートルで1回目より速い34秒39をマーク。優勝に必要なタイムを分かって臨んだ最後の1000メートルも失速をこらえ、高水準の1分8秒台にまとめた。

 外国勢に見劣りしない183センチの体で、力強く滑る23歳の大型スプリンターだ。総合2位を喜んだ昨年の世界スプリント選手権から成長。日本男子のエースは「金メダルが目標の北京五輪へ、いい通過点」と自覚もさらに高まった。 (共同)

 

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