トップ > 中日スポーツ > 自転車競技 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【自転車競技】

[トラック種目世界選手権]梶原悠未が女子オムニアムで優勝…世界選手権での日本人金メダルは33年ぶり、女子では初

2020年2月29日 11時33分

中距離の女子オムニアムで梶原悠未が優勝(AP)

写真

 【ベルリン八手亦和人】自転車トラック種目で東京五輪出場枠が懸かる世界選手権第3日は28日、当地で行われ、4種目の合計点で争う中距離の女子オムニアムで梶原悠未(22)=筑波大=が金メダルを獲得。世界選手権の金は日本人としては男子スプリントの俵信之以来33年ぶり、日本の女子として初めての快挙となった。この種目の五輪出場1枠獲得も確定し、自身の代表初選出も確実となった。

 日本人33年ぶりの快挙だ。世界選手権優勝者のみに与えられるジャージー「マイヨ・アルカンシェル」をオムニアム金の梶原が表彰台の中央でまとった。日本の女子初の金メダリスト誕生でもある。

 「ジュニア時代は着られなかった。エリートでは着たいとずっと思っていた。これから守り続けていきたいですね」。今季W杯2勝、通算では4勝をマークしている世界ランキング2位の実力者がついに世界の頂点に立った。

 それぞれ内容も成績も異なるが、4種目とも強いの一語に尽きた。スクラッチは勝負どころで仕掛けた選手について行った上で直線鋭く追い込んでの1位。2種目目のテンポレースは強豪ライバルとうまく逃げグループを形成して2位。ライバルから強者と認められているからこその結果だ。

 ヒヤリとさせたのは3種目のエリミネーション。終始2、3番手を回り安全圏を維持していたが、残り6選手になったところで接触による落車。ここまで順調だっただけに誰もが言葉を失った。しかし、チームスタッフが素早く救護。自転車交換が行われると、何事もなかったかのように再乗してレースに復帰した。

 「すぐに走る準備をしてくれましたし、まずは落ち着いて呼吸を整えました。走れる状態だったので、1個でも上の順位を取ろうと思いました」。後続選手のタイヤに踏み付けられた左腕は「10段階で8の痛み」。しかし、残り3選手になるまで耐えて点数を大きく上積みした。これには会場の地元ファンも盛大な拍手。1種目目から3種目目まで総合順位1位をキープし、2位とは20点の大差をつけることに成功した。

 ただ、油断ができないのは高い点数が獲得可能な最後のポイントレース。しかし、ここは総合2位のイタリア選手の動きを徹底マークしながらも、自ら前半でポイントを取りにいって逆転されないレースを展開してみせた。「一つ一つの種目を上位でまとめようと考えていました。しっかりと集中して、戦略を練って走ることができた」。スピード、パワー、持久力に戦略。全てそろっているのだから負けるはずはなかった。

 昨年の世界選は3位選手と同点数ながら最終種目の着順により4位。この悔しさがこの1年後の雪辱につながった。「全ての部分を強化するためにプログラムを組んでやってきた。きょう、2つの目標の1つをクリアできました」。もちろんもう1つは東京五輪の金。「自信を持ってやっていきたい。私の武器のスピードを何回でも出せるようにインターバル能力を高めていきます」

 さらに強くなった世界女王が五輪の大舞台でも表彰台の中央に再び立っているはずだ。

 

この記事を印刷する

PR情報


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ