楠田久男氏(2003年撮影)

 元佐賀大学学長の楠田久男(くすだ・ひさお)氏が26日、老衰のため鳥栖市の特別養護老人ホームで死去した。103歳。自宅は鳥栖市平田町。葬儀は28日正午から鳥栖市田代大官町805の1のJAコスモホールとすで。喪主は四男泰敏(やすとし)さん。

 鳥栖市出身で、旧制佐賀高-九州帝大工学部卒。熊本大工学部教授、佐賀大理工学部教授、同学部長などを経て、定年退官後に佐賀大(大学統合前)の学長を1986年から4年間務めた。専門は生産機械工学、伝熱工学。「開かれた大学」を掲げ、経済界との産学交流や留学生の大量受け入れなど国際化を推進した。

 弥生時代最大の環壕(かんごう)集落として全国的に注目された吉野ケ里遺跡の保存活用検討委員会(89年発足)の会長を務め、90年に答申された遺跡の整備、活用に関する基本構想の取りまとめに携わった。プロサッカークラブ・サガン鳥栖の後援会会長なども歴任した。88年に佐賀新聞文化賞(学術部門)を受賞、90年に叙勲の教育研究功労で勲二等瑞宝章を受章した。