マスク品薄で“争奪トラブル”「顔殴られて眼鏡飛んだ」 高額商品との“抱き合わせ販売”で批判も 福岡県
日に日に感染が広がり、重症者の死亡も相次いでいる新型ウイルス。
市民の不安が高まる中、品薄状態が続くマスクを巡るトラブルが福岡をはじめ全国で問題となっています。
【トラブルの被害者】
「顔をばんと殴られて眼鏡が飛んで、眼鏡が曲がってしまって探そうにも探せない状態だったんですよね」
トラブルに巻き込まれた男性が、やっとの思いで手に入れたというマスクの箱。
パッケージは破れ、潰れた跡も残っています。
新型コロナウイルスの感染拡大で品薄状態が続くマスク。
多くの客が待ちわびた久々の入荷日に、トラブルは起きました。
現場は久留米市内のドラッグストア。
男性によるとマスクの入荷日だった25日午前10時ごろ、開店と同時に店内は大混乱となりました。
発端となったのは、中国人の家族とみられる一組の団体客でした。
【トラブルの被害者】
「前に中国人の方たちが何人か団体でおられたんですよね」
「ドアが開いた瞬間にその方たちがばーっと走って行ったら、みなさん走って行って後ろからドミノ倒しにだーっと倒れていって、もうマスクはぐちゃぐちゃ」
団体客は夫婦と見られる男女と4歳くらいの男の子、そして60代くらいの年配の女性のあわせて4人。
整列を求める店員を振り切って走り出したのをきっかけに、並んで待っていたおよそ50人が、一気に店内になだれ込みました。
パニック状態ともいえる混乱の中で、男性は何者かに顔を殴られ眼鏡が壊れてしまったといいます。
「全然(マスクが)ないから。もう何店舗かずっと回ってもない」
「受付の人に聞いたら、毎日こういう状態だから、いつかはけが人が出るか誰かけがする、ものが壊れるってことがあるんじゃないかって思ってたって言われました」
店の担当者は今回の混乱をうけてマスクに購入制限を設け、販売当日に整理券を配布し入荷日の混乱を防止するとしています。
品薄のマスクを巡っては県内のドラッグストアチェーンが複数の店舗で一時、高額な栄養剤と抱き合わせ販売を行い、批判の声が上がりました。
広報担当者は会社としての指示はなかったと説明しています。
公正取引委員会はこうした抱き合わせ販売について、独占禁止法違反にあたるケースもあるとして問題視しています。
また、横浜市では行列していた客同士が殴り合う流血騒ぎも起きていて、供給不足が続くマスクを巡る混乱は、当面収まりそうにありません。