2020年の日本人のみなさま、こんにちは。私は20XX年の日本の女子高校生です。これは、みなさんにとっての未来にいる私からの手紙です。
2020年の日本は、新型コロナウイルスの流行と、それによる肺炎の蔓延で大混乱していると知りました。私は2020年にはまだ生まれていなかったので、リアルタイムでそちらの様子を知っているわけではないのですが、いろいろな資料を調べました。
当時の(みなさんにとっては最近の)ニュースを読むと、悲嘆にくれた内容の記事が多くありました。そこで私は、新型コロナウイルスの流行によってもたらされた「よいこと」を、みなさんにお知らせしようと考えました。
大混乱を収束させるべく、政府や医療界、行政機関、企業、そしてもちろん国民が、知恵を絞りました。その努力は、新型コロナウイルスの流行が終わったあとも続き、私が今いる現代(みなさんにとっての未来)は「よい仕組み」が稼働しています。
どうか「死者が出ているのに、新型コロナウイルスのよいところを知らせるなんて不謹慎な」と思わないでください。
私は今、大学の医学部受験に向けて、医療について勉強しているのですが、そのなかで「過去の大惨事的な病気の流行を食い止めることが、医療を進化させるモチベーションになった」ことを学びました。
例えば、今では、手術をする前の外科医が、3分以上かけて手を消毒液で洗い、そのうえ、手術着を着てゴム手袋を着用するのは当然のことです。それは2020年でも同じでしょう。
しかし、清潔の徹底を提唱したのは1800年代のハンガリーの医師、イグナーツ・ゼンメルワイツ氏です。それまでの医師は、不潔な手で患者を治療して、むしろ患者を増やすこともありました。
病気が治療法を進化させるように、世界を恐怖に陥れた流行病が「よいこと」を生むことも十分あり得ます。
新型コロナウイルスが発生したあとの医療従事者たちも、その災禍を二度と繰り返さないために研究・開発・臨床に懸命に取り組みました。
この手紙は、その成果をいち早くみなさんにお知らせしたくて書きました。
(この記事の内容は、2020年2月現在の医療関係の資料などを元に、数十年後の未来を予測したものです)
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「1秒検査」が実現した
20XX年の私は、クリニックや病院での「1秒検査」は当たり前のものだと思っていましたが、これは新型コロナウイルス流行を機に開発のスピードが速まったことで、実用化されたそうです。
「1秒検査」とは、患者の尿1滴、または汗1滴で病気を推定するものです。医師が感染を疑うウイルスや病原菌を、検査会社に知らせます。検査会社の技師は、患者の尿または汗のサンプルを検査機械にかけ、ウイルスがいるかどうか調べます。結果は瞬時に出ます。
「1秒検査」はとても便利で、ウイルス感染の有無だけでなく、がん検査や糖尿病の発症率予測などにも使うことができます。
2020年の新型コロナウイルスでは、PCR法という方法で検査(以下、PCR検査)をしたと知りました。PCR検査では、大きめの綿棒で患者の喉の粘膜をぬぐい取り、特殊な加工をしてウイルスの遺伝子があるかどうか調べます。
PCR法は、医療従事者と患者が濃厚接触をする可能性が高いので、医療側としてはかなりリスキーです。また、採取した遺伝物質を増やさないとならないので、時間も手間もかかります。
そのため、2020年時点では、新型コロナウイルス用のPCR検査はほとんど普及してなく、保健所でしか実施されていませんでした。現場の医師たちは、保健所に検査を依頼しなければなりませんでした。
ところが、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者を診た医師が、保健所にPCR検査を依頼したところ、断られるケースがあったそうです。保健所は断った理由として、人手不足を挙げていました(*1、2、3)。
2020年当時のPCR検査にはさらに、正確性に欠けるという欠点もありました。PCR検査で6度も陰性(感染なし)と出たのに、7回目で陽性(感染している)と判定されたケースが報告されています(*4)。
汗や尿を使って病気を見つける研究は、新型コロナウイルスの前から始まっていましたが、2020年を境に開発が一気に進みました。それまでは、汗や尿に含まれる「病気情報」は、血液や喉の粘膜に含まれる病気情報より少ないとされ、大手の医療機器メーカーはほとんど研究・開発に乗り出していませんでした。
汗・尿検査の研究を進めていたのは、ベンチャー企業でした(*5、6、7、8)。
新型コロナウイルス問題で、検査態勢の混乱が相次いだことから、汗・尿検査の研究への投資が活発になり、さらに大手の医療機器メーカーも参画したことで開発スピードが速くなり、現在の(20XX年の)一秒検査が完成したわけです。
*1:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200226/k10012302341000.html
*2:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
*3:https://www.asahi.com/articles/ASN2V7DKSN2VUTIL06S.html
*4:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51526856
*5:https://hbio.jp/ctm/faq
*6:https://scienceshift.jp/innovators-vol5-2/
*7:https://www.shinshu-u.ac.jp/zukan/cooperation/post-19.html
*8:https://techable.jp/archives/80638
検温は「大量」「一瞬」が当たり前になった
現代(20XX年)では、検温システムがかなり進化しています。
新型ウイルスだけでなく、毎年定期的に発生する一般的なインフルエンザの流行でも、大量に、かつ一気に検温するシステムがすぐに稼働するようになっています。
これは「AI検温システム」といい、コンサートやスポーツやイベントの会場、空港や駅の出入り口、市役所などの大型公共施設に設置されています。
2020年の新型コロナウイルス問題では、感染して発熱などの症状が出ているのに、外を出歩いてしまう人が社会問題になっていたそうですね。
それで、空港などにサーモカメラを設置して、通行する人の体温を測っていました(*9、10)。しかしサーモカメラは、それほど精度が高くなく、さらに体温が高い人がいることはわかっても、その人を特定するには、人が常時監視していなければなりませんでした。
しかし20XX年のAI検温システムは、監視カメラに映った1人ひとりの体温を「±0.1度」の精度で測定します。しかも、一度体温が高い人をとらえたら、その他の一般的なAI監視カメラがその人物を追い続けます。AI監視カメラは、「人を人である」と認識するだけでなく「その人をその人である」と認識することができます。
警備員は、AI検温カメラや一般的な監視カメラからの指示に従って、その人物を確保することができます。
また20XX年では、イベント会場や空港などの施設以外でも、人々を検温できるようになっています。
ドローンにAI検温システムを搭載して、繁華街を行き交う人たちの体温を「かたっぱし」から測っていきます。体温が高い人を見つけたら、ドローンに搭載されたスピーカーから、その人に向かって医療機関を受診するよう呼びかけることができます(*11、12)。
指示にしたがわなければ、警察に通報することもできます。社会の監視態勢が強化されることはよくないことかもしれませんが、非常時にはとても安心できます。
*9:https://mainichi.jp/articles/20200122/k00/00m/040/328000c
*10:http://www.thermography.or.jp/utillization/utillization05.html
*11:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20200225_172889.html
*12:https://www.businessinsider.jp/post-208266
学校はすぐに休校になる
私が2020年の新型コロナウイルス関連のニュースをチェックしていて最も驚いたことは、学校が簡単には休校にならなかったことです。肺炎が最も脅威になるのは高齢者ですが、次に危険にさらされるのは、やはり体力的に弱い子供たちです。
日本で最も早く小中学校の休校を決めたのは、2020年2月26日の北海道教育委員会でした(*13)。休校期間は2月27日から3月4日までです。
人口がダントツに多く、新型コロナウイルスの発生源である中国の人々が多く訪れる東京都でもなく、感染者が多発した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」が隔離のために停泊した神奈川でもなく、です。
北海道教育委員会が全国に先駆けて「英断」したのは、人口の割に感染者が多い(*14)こともあったと思いますが、それでも東京都や神奈川県や大阪府といった、地方自治体のリーダー的な存在の自治体の対応の遅さは、空恐ろしいものを感じました。
私が感じた問題点はそれだけではありません。
北海道教育委員会が小中学校の休校を決めた2月26日は、日本で最初に感染者が発見された1月21日から1カ月以上経過しています。
1月21日時点の世界の感染者は295人で、3名が死亡していました。それが2月1日には、感染者11,953人、死者259人に急増しています。この拡大ペースから考えると、2月26日の休校宣言は、遅いと感じます。(*15)
また、北海道教育委員会の休校の決め方の「弱さ」も気になります。北海道教育委員会は、公立小中学校と私立学校に、休校を「要請しただけ」です。休校を決めるのは、市町村教育委員会や学校法人です(*16)。
しかも、高校には休校要請すらしていません。その理由について北海道教育委員会は「高校生なら自己判断で対応できるから」と説明しています。
2020年当時の北海道知事は「(小中学校を休校させるのは)『やりすぎではないか』という批判もあるかもしれないが、結果責任はしっかり私が負う」と発言したそうです(*16)。
私は、新型コロナウイルスが流行したときは強制的に休校させるべきだと思いますし、高校も大学も専門学校も休校すべきだと感じていますが、2020年当時は「新型コロナウイルスぐらいで学校を休校にするなんてとんでもないことだ」という雰囲気があったのでしょうか。知事の発言から、そのように推測しました。
しかし、北海道知事が「批判を覚悟」したのは当然かもしれません。
北海道教育委員会が小中学校に休校を要請したあとに、政府が、全国すべての小学校、中学校、高校などに対し、2020年3月2日から春休みまで、臨時休校するよう要請する考えを示したのです。
北海道教育委員会の要請決定が2月26日で、政府の要請決定が2月27日です(*17)。
政府が、一自治体である北海道の決定の「後追い」をしたのです。
批判を覚悟していた北海道知事は、政府が後追いをしてくれたことで、安堵したのではないでしょうか。
20XX年の今は、新型ウイルスが発生したら、学校は瞬時に休校になりますよ。
小中学校はもちろんのこと、高校も大学も専門学校も予備校も塾も、子供たちが集まる場所は、一般的なインフルエンザでも、すぐに休校になります。
もちろんインフルエンザの場合は、地域を限定して休校にしますが、それでも地域内の学校や子供が集まる場所は、すぐに封鎖されます。
ただ、20XX年の文部科学省や自治体が、病気が流行したときに、すぐに学校を休校にできるのは、学校でeラーニングが普及したからでしょう。
私たちは小学生のころから、インターネットで学習するeラーニングが普通になっていました。もちろん、学校でリアルの先生が教える授業も残っていますが、私の高校では、リアル授業とeラーニングの時間は大体半々です。
2020年は、移動通信システムが第4世代か第5世代くらいだったと思います。4Gや5Gでは通信速度が遅く、学校の授業を完全にeラーニングにすることはできなかったと思います(*18)。
20XXは13G(第13世代移動通信システム)になっていて「通信ストレス」は死語になりました。さらにバーチャルリアリティの技術も進化したので、通信授業でありながら、教壇に本物の先生が立っているような臨場感があります。
文部科学省は、不登校の生徒対策でeラーニングを整備しましたが、この学習インフラは非常時の自宅学習を可能にしました(*19)。
このような状況なので、新型ウイルスやインフルエンザに感染するリスクが少しでもあれば、eラーニング100%にしてしまっても、学習効果にあまり影響はありません。
*13:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200226/k10012303091000.html
*14:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00663/
*15:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
*16:https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022600354&g=soc
*17:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200227/k10012304751000.html
*18:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54573820Y0A110C2MM8000/
*19:https://www.soumu.go.jp/main_content/000345504.pdf
CDCの設立
日本にCDC(疾病管理予防センター)ができたのも、2020年の新型コロナウイルス問題がきっかけになったそうです。
CDCは、厚生労働省内の下部組織である「庁」クラスの扱いなっていますが、非常時には厚労省の指揮下を外れ、感染症対策の専門家集団が首相直轄で活動します。
例えば、20XX年に新型ウイルスが流行したら、CDCが警戒レベルを決定したり、隔離政策の陣頭指揮を取ったり、世界各地の情報を収集したりします。
CDCは、大学医学部の感染症研究室並みの知見を持ち、大臣レベルの権限を持ち、警察や自衛隊並みに機動力を持っています。
CDCの約1,000人の職員は、普段は、厚生労働省や大学病院、自治体の保健所などに配属され、そこで通常業務を担当しています。
ただ、CDCは2年に一度、感染症やウイルスに関する「大規模勉強会」を開き、それにはCDCの全職員が集まります。大規模勉強会の会場は新東京ドームで、期間は1カ月に及びます。街をまるごと閉鎖する訓練も行われ、そこには自衛隊員や警察官も参加します。
日本のCDCは、アメリカのCDCを真似てつくりました。2020年の新型コロナウイルス問題では、アメリカのCDCは、日本で感染が拡大している情報をつかむと、すぐに日本への渡航注意レベルを引き上げました(*20)。
2020年に日本政府が感染の拡大を許してしまったのは、CDCがなかったからではないでしょうか。
「日本政府」という組織は、新型ウイルスが流行したときに動くには大きすぎますし、権限が強すぎます。同じことは「厚生労働省」という組織にもあてはまります。
厚生労働省にはさまざまな部署や業務があるので、感染症が大流行しても、感染症だけのことを考えて行動することはできません。そうなると、厚生労働省の感染症対策のチームは、他部署のことを気にかけたり、厚労大臣や首相に「忖度」したりしてしまいます。
そのため、必要十分な権限が与えられ、専門知識と機動力を持つCDCが、新しい病気が流行したときには必ず必要になります。
私は、感染症対策の専門医が書いた論文を読みました。
その専門医は、2020年の日本で、新型コロナウイルスが大量感染した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内に入り、厚生労働省の対応のまずさを目の当たりにしました。
ダイヤモンド・プリンセスの船内では、厚生労働省の職員たちで構成するチームが、感染の拡大阻止や、船内に隔離された乗客たちの治療にあたっていました。
しかし、その専門医は論文で「対策にあたっていた厚労省の官僚や医師たちは、感染症予防のトレーニングを受けていないし、経験もないし、システムもなかった」と厳しく批判しています(*21)。
この専門医はさらに、「アメリカのCDCには、感染症予防のトレーニングを受けた専門家も、経験も、システムもある。日本にもCDCが必要だ」と訴えていました。
こうした専門家たちの熱意で、日本版CDCが設立されたわけです。
*20:https://www.junglecity.com/news/us-raises-travel-alert-to-japan-sighting-sustained-community-spread/
*21:https://www.j-cast.com/2020/02/20380194.html?p=all
テレワークが当たり前になった
2020年の新型コロナウイルス問題は、経済にも「よい影響」をもたらしました。
私の父と母は、ずっと家にいます。2人はそれぞれ自分の仕事部屋を自宅内に持ち、そこでほぼ1日中、パソコンと「にらめっこ」しながら仕事をしています。
両親とも、企業に勤めたことがなく、大学を卒業してすぐにフリーランスになりました。父親は金融関係の仕事をしていて、母親はシステムエンジニアです。
両親の仕事スタイルしか知らない私は、「大人は自宅で働くもの」と思っていましたが、昔は、自宅から会社に通い、会社で仕事をして、夕方から夜にかけて帰宅するのが普通だったんですね。
自宅勤務やテレワークが急拡大したのも、2020年の新型コロナウイルス問題が契機になったそうです。
IT系の企業を始め、人が大量に集まりやすい大企業も、社員たちの感染リスクを高めないようにするために、通勤の要らないテレワークを社員たちにすすめました(*21)。
私が調べた範囲では、2020年のそのときにテレワークを推進したのは、電通、NTT、日清食品、ぐるなびなどです(*22、23、24)。
こうした企業は、新型コロナウイルス問題が収束したら、これまでとおりの「社員を会社に通勤させるスタイル」に戻そうとしましたが、多くの社員がそれを拒否しました。ビジネスパーソンは、自宅勤務やテレワークの快適さを知ったのです。
それで、テレワークでも支障が出ない仕事をしている人はテレワークを継続しました。さらに、テレワークで支障が出る仕事をしていた人も、支障が出ないように工夫して、次々テレワークに転身していきました。
山手線の終電時刻って、2020年ごろは深夜1時ごろだったんですね。20XX年の山手線の終電は午後10時ですよ。ビジネス街と呼ばれていたような場所で遅くまで働く人が激減したので、公共交通機関は早々に営業を終了するわけです。
*22:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56035080V20C20A2LKA000/
*23:https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202002/CK2020022602000131.html
*24:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200227/k10012303861000.html
ロボット接客っていいですよ
20XX年は、2020年のみなさんが心配していたような、人手不足問題は起きていません。ロボットやAIが「人の手」の代わりも「人の頭脳」の代わりもしてくれるからです。
「AIは人の仕事を奪う」という危機感が、2020年ごろにはあったそうですが、そのようなトラブルは起きていません。20XX年の社会人たちはむしろ、面倒な仕事をAIやロボットに押しつけることができて、満足しています。
20XX年の日本では、ロボット接客は普通になっています。今では、デパートでもホテルでもテーマパークでも、ロボットにもてなしを受け、ロボットのサービスを受け、ロボットが警備をしています。
ところが昔の経済記事を調べると、ロボット居酒屋やロボットホテルが「珍しいもの」として話題になっていました(*25、26)。しかもそのロボットたちは、大変失礼ながら、私の目ではオモチャにしか見えません。右にあるものを左に移動させたり、あらかじめプログラミングしている言動を繰り返したりすることしかできないようですね。
20XX年のロボットたちは、私たちが「してほしい」と考えていることを先読みして行動してくれます。
2020年以前にロボット接客がそれほど普及していなかったのは、消費者にロボット・アレルギーがあったためと言われています(*27)。技術的な問題もあったとは思いますが、それよりも、ロボットにもてなされたくない、という人が多かったのでしょう。
しかしロボット接客は、ウイルスが絶対に感染しない機械(ロボット)を使っていることから感染予防になるため、やはり2020年以降、積極的に導入する企業が増えました(*28)。
私はロボット接客のほうが好きです。ロボットは一度接客した客のことは永遠に覚えているので、私が好むおもてなしを、常に提供してくれます。
私への接客履歴は、例えば、私が初めて訪れる海外の観光地のホテルのロボットも共有してくれるので、世界中で私好みのサービスを提供してもらえます。
*25:https://www.ryutsuu.biz/report/m012219.html
*26:https://www.fmworld.net/connecttips/global/tips000040.html
*27:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/01/news180.html
*28: https://forbesjapan.com/articles/detail/32258
オンライン診療は本当に便利、院内感染が激減
オンライン診療(遠隔診療)の普及も、2020年の新型コロナウイルス問題の「よい副産物」といえるでしょう。
オンライン診療は、医師のパソコンと患者のスマホをインターネットでつないで、テレビ会議方式で医師が患者を診ます。両者が離れた場所にいても、医療の提供と受診ができるので、医師と患者が濃厚接触しないで済みます。
オンライン診療は、新型コロナウイルスのような非常時には、うってつけの診療形態といえます。2020年以降の日本人は、そのことにあらためて気がついたようです。
20XX年の今は、初診はほぼ100%、オンライン診療で行なわれています。
私はいたって健康で、大きな病気をしたことがないのですが、それでも風邪を引いたり、花粉症の薬が必要あったりと、高校生ながら医療にはお世話になっています。
ですが、いまだに病院はもちろんのこと、クリニックに行ったこともありません。
私が発症する程度の病気は、すべてオンライン診療で治ってしまうからです。薬も、オンライン診療をしてくれた医師が処方せんをつくって、宅配便で送ってくれます。
オンライン診療について調べたところ、日本では2018年4月から公的医療保険の対象になったそうです。
ただ当初は、初診は、オンライン診療は使えず、患者が医師の前に座る従来型の対面診療しか認められていませんでした。しかもその対面診療を半年間続けないと、オンライン診療に切り替えることができないのです(*29)。
新型コロナウイルス問題によって、国民の間にオンライン診療の規制を緩めるべきだ、という声が強まり、厚生労働省も医師会も重い腰を上げました。
今では、軽症の段階でクリニックや病院に行ってしまうと、高い初診料が請求されてしまいます。まずはオンライン診療で医師に診てもらうことが当たり前になっています。
オンライン診療が普及したことで、院内感染や医療従事者への感染が激減したそうです。2020年ごろは、「クリニックの待合室でインフルエンザに感染した」という笑えない皮肉な現象があったそうですね。20XX年の今は、そのような本末転倒なことは起きていません。
また、オンライン診療なら気軽に医療を受けることができるので、生活習慣病を初期段階で発見できるようになり、その有病率も激減しました。
*29:https://www.lifesharers.org/contents/50/
感染対策が生活の一部になり、インフルエンザ患者が減った
医療体制は、本当によくなったと思います。2020年の教訓が、医療現場にも、医学の研究領域にも、保健行政にも活かされたのです。
そして、人々の意識も変わりました。
例えば、20XX年の人々は、食後に歯磨きをするのと同じように、外から建物のなかに入ったら手洗いとうがいをしますが、2020年の新型コロナウイルス騒動で、手洗い・うがいの重要性が日本国民に再認識されたそうです。(それまでは手洗いうがいが軽視されていたなんて20xx年の私からすればとても信じられません!)
新型コロナウイルスのおかげで(なんて言うと語弊がありますが)、正しい手洗い・うがいが日本国民に広く知れ渡り、結果どうなったかというと、翌年からあらゆるウイルス感染病が激減してみんな大変驚いたそうです。
マスクについては、着用するタイミングではなく、外すタイミングを考えるようになりました。日本人は海外の人から「マスク国民」と揶揄されるほどです。
しかし私は、揶揄されてもいいと思っています。こうした予防習慣・清潔習慣の定着により、インフルエンザ患者数が激減したからです(*30)。
予防習慣や清潔習慣は、発展途上国でもかなり普及してきました。私の素人考えなのですが、10年以上、新型ウイルスが発生していないのは、そのお陰かなと思っています。
サーズと呼ばれた重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome)は2003年に流行しました(*31)。マーズと呼ばれた中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome)は2012年に確認されました(*32)。
そして新型コロナウイルス問題は2020年に発生しています。
17年間(=2020年-2003年)に3回も恐ろしい新型ウイルスが発見され、大感染が起きていました。
20XX年の私が、しばらく新型ウイルスのニュースを聞いていないのは、とても喜ばしいことだと思います。
*30:https://www.fnn.jp/posts/00050186HDK/202002072005_livenewsit_HDK
*31:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html
*32:https://www.med.or.jp/forest/keyword/mers/index.html
まとめ~悪いことはあえて書きませんでした
私は、この手紙には、新型コロナウイルスがもたらした「よいこと」「だけしか」書かないと決めました。
実際は、新たな難しい問題も発生し、それは20XX年でも解決できていません。しかしここではそれに触れていません。
それは2020年の日本人のみなさんに、ここで紹介した「よいこと」が起こることを信じてもらいたかったからです。
「あのときの新型コロナウイルスによってもたらされたものは、不幸だけではなかった」ことを知ってもらいたいからです。
みなさんは今、悲嘆に暮れていると思います。ウイルスという見えない敵と、終わりのない闘いを繰り広げているで、疲弊するのは当然です。
しかし、新型コロナウイルスは、必ず収束します(*33、34、35)。
そして、新型コロナウイルスに打ち克った人類は、それまでよりさらに、病気に強くなっているはずです。
今はそれを信じて、耐えしのいでください。
*33:https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_215.html
*34:https://www.fnn.jp/posts/00050445HDK/202002252030_livenewsalpha_HDK
*35:https://news.yahoo.co.jp/feature/1582