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【政治】

森法相不信任案 否決 野党「三権分立踏みにじる」検事長定年延長

 衆院は二十七日の本会議で、立憲民主、国民民主など野党四党が提出した森雅子法相の不信任決議案を与党などの反対多数で否決した。野党は決議案で、安倍内閣による黒川弘務東京高検検事長の定年延長を「三権分立を踏みにじる暴挙」と断じた。

 二〇二〇年度予算案は二十八日、衆院の予算委員会と本会議でそれぞれ採決、可決され、衆院を通過する見通しで、三月末までの年度内成立が確実となる。

 野党共同会派の今井雅人氏(無所属)は決議案の趣旨弁明で、定年延長について「従来の法解釈を変えてまで行わなければならない必要性や合理性は全くない」と指摘。同会派の小川淳也氏(無所属)は賛成討論で、森氏について「法相の職責にありながら、三権分立の原理に重大な挑戦を行い、国会での発言を二転三転させた」と批判した。

 森氏は二十日の衆院予算委で、黒川氏の定年延長を可能にした法解釈変更を巡り「今回適用されるように解釈した」と説明。延長が可能になった時期を一九八五年からとしていた自らの発言を修正した。

 検察官が国家公務員法の定年延長制の適用外とした八一年の政府見解を知った時期についても、一月下旬としていた当初の説明を、法務省内で法解釈変更の検討文書が作られた一月十六日に変更するなど、答弁が迷走を続けた。

 野党四党は二十七日、棚橋泰文・衆院予算委員長(自民)についても「極めて強引かつ不公正な委員会運営を行った」として解任決議案を提出。決議案は同日の本会議で与党などの反対多数で否決された。 (中根政人)

 

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