だしを使わず、焦げ目でおいしさを作る
ゆでて食べることが多いブロッコリーを、今日はオリーブオイルで焼くことから始めます。さっと焦げ目をつけてから、水を入れて煮ていきますが、たったひと手間で、全く違うブロッコリーの魅力を感じることができます。
だしは使わず、加えるのは水と塩だけ。焦げ目の色やうまみが水に溶けだし、コンソメのようなきれいなスープになります。うまみを少し粉チーズで補えば、これだけで十分なごちそうです。焦げたブロッコリーの風味が後をひき、一人半個は軽く平らげてしまいます。
ブロッコリーは通年出回る人気の野菜ですが、冬が旬の野菜です。この季節のブロッコリーは寒さにさらされ、甘くおいしくなっています。ぜひ旬のうちに召し上がってくださいね。
焼きブロッコリーのスープ
材料(2人分) 所要時間約10分
ブロッコリー1個
オリーブオイル 大さじ1.5
塩 小さじ1/2(2.5g)
粉チーズ 大さじ2
水 約500mL
作り方
1.ブロッコリーを切る
ブロッコリーを洗って、小房に分けて、半分に切る。
軸も3~4センチの長さにして4つ割りに切る。★1
2.ブロッコリーを焼き付ける
鍋にオリーブオイル入れて強火にかけ、ブロッコリーの切り口を下にして入れる。
1分半~2分で、ブロッコリーに焦げ目がついたら箸で返して、花蕾を1分ほど焼く。★2
3.塩と水を加えてあたため、チーズを振る
水500mLと塩を加えて沸騰させる。器に盛り、粉チーズを振って食べる。★3
レシピのポイント解説
・ブロッコリーの切り方
・ブロッコリーの焼き方
・粉チーズについて
★1 ブロッコリーの切り方
ブロッコリーは、花蕾(からい=つぼみ)と、茎を食べる野菜です。12月~2月ごろまでの寒い時期が甘くておいしいです。旬もそろそろ終盤ですね。
選ぶときは、花蕾がかっちり締まって、こんもりした丸いものを。軸に空洞(す)が入っていないものが理想的です。旬の時期のブロッコリーはすこし紫がかっていることがあります。これが甘いブロッコリー。寒さの中で育った証拠です。鮮度が落ちると花蕾は黄色くなります。
切る前に、まずは洗います。房を下にしてしばらく水につけて、振り洗いです。
汚れや虫が気になる人は、小房に切ってからこのようにしてもOK
洗ったブロッコリーの、軸の切り口は汚れているので切り落としましょう。
そして、花蕾を房ごとに根元から切っていきます。
刃先を使って、外側からひとつずつ。中央部分はつながっているので、4~5つに切る。
普通にゆでて食べるときは花蕾はこのままの大きさでもよいですが、今日は焦げ目をつけやすくするため、花蕾をさらに半分にカットして、切り口を作りましょう。
そして、軸も長さ3~4センチに切り、縦4つに割るように切ります。
花蕾は半分に切ると、スプーンでも食べやすい
★2 ブロッコリーの焼き方
ブロッコリーを焼きつけるため、少し深めのフライパンで作るのがベストです。もしない場合は、底の広めの鍋を選びましょう。
オリーブオイルをひいて強火にかけ、ブロッコリーを、切り口を下にして並べていきます。全部がフライパンの底につかなくても大丈夫です。動かさず、そのまま焼いていきます。
最後のほうは鍋底が足りなくなると思うがあまり気にせず、重ねても
1分半~2分ほどで箸でひっくり返してみると、焦げ目がついています。そうしたら、今度は箸などで、ブロッコリーを逆さまにするようにして、花蕾部分を鍋底に押しつけます。ひっくり返したらやはり1~2分、焼き目をつけましょう。
軽い焼き目でOK
こうして焦げ目がほどよくついたら、水を加えて煮立て、塩で味をつければできあがり。
ブロッコリーはあまり煮過ぎず、歯ごたえの残る硬さで
★3 粉チーズについて
このスープは食卓で粉チーズをかけるため、塩味をつけすぎてはいけません。すこし薄めかな、というぐらいで止めてください。チーズで調節できます。
チーズは食卓で好みでかける
粉チーズはなかなか使い切らない食品のひとつですが、パスタだけでなく、スープや味噌汁はじめ料理にかけてもおいしく、また食卓で各自塩味の調節もできます。(かけすぎると塩分過多になりますので注意)
乾燥しているため開封後も常温保存できます。あまり使わない方は冷凍庫に入れると長持ちします。ビニール袋に入れておくと他の食品の匂いを吸収しません。
ゆでるだけではない、独特の風味を楽しむ
ブロッコリーは、ビタミンCやB1、カリウム、食物繊維、ポリフェノールなど栄養も豊富で、冬の食養生には欠かせません。日常的に食べたい野菜のひとつですが、食べ方のバリエーションが少ない野菜でもあります。こうして焦げ目をつけて、目先を変えて食べるのはいいものです。
そろそろ旬も終盤。おいしい季節に、どうぞスープでたっぷり食べてくださいね。
【アレンジ】ハイボールやワインなどのおつまみにも
焦げ目の風味とチーズの濃厚な味が特長のこのスープは、お酒のお供にもぴったり。チーズをかえたり、肉をプラスして、さらに食べごたえをアップしていきましょう。
焼きブロッコリーととろけるチーズのスープ
粉チーズのかわりに、溶けるチーズをのせています。この写真では直接火にかけられる器に入れましたが、作った鍋に直にチーズを入れても、耐熱容器に盛り付けて3分間ほどオーブントースターに入れてもいいと思います。
ブロッコリーを焼くとき、ちょっとだけ、すりおろしにんにくを入れてもおいしいものです。
焼きブロッコリーとソーセージのスープ
ソーセージを入れれば、夕飯にも十分な一皿になります。ソーセージはブロッコリーを焼いて水を入れたときに一緒に入れましょう。ソーセージがあたたまればそれでOKです。マスタードを添えてもいいですね。
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