問題発言発生   『南極物語』より

邦題 南極物語
原題 EIGHT BELOW
監督・製作総指揮 フランク・マーシャル
脚本 デイブ・ディリジオ
製作 デヴィッド・ホバーマン
トレーナー マイク・アレクサンダー
出演 犬/ポール・ウォーカー/ムーン・ブラッドグッド/ブルース・グリーンウッド/ジェイソン・ビッグス 他
備考 2006年アメリカ作品/ディズニーピクチャーズ提供/マンデヴィル・フィルムズ・プロダクション フランク・マーシャル製作/120分/字幕翻訳:林完治


■一緒に日本へ帰ろう

1983年に日本で製作・公開された作品のアメリカン・リメイク。
オリジナルは、20年以上前の作品にもかかわらず、国内作品の比較対象として、その興行成績が度々引き合いに出されるほどの大ヒットだった。

で、そのオリジナルを大統領少年は観ていたらしいのですが、毎度おなじみ記憶の混濁が起こっておりまして。

『南極物語』と聞いて頭に浮かんだのは、主人公の男性(…後に高倉健だと判明)の、
「タロ、ジロ、一緒に日本へ帰ろう!」
という絶叫シーン。

…だったのですが、あのシーンが印象的だよね?と、一緒に観に行った友人に同意を求めたところ、
「なんか混ざってんじゃないのそれ」
とのご指摘。

第二次大戦終戦後、ビルマに行ったきり帰って来ない水島上等兵に帰国を促す戦友の台詞、
「水島、一緒に日本へ帰ろう!」 『ビルマの竪琴』より
とが混ざっていたみたい…。

場所が赤道付近と南極。
対象が犬と人でシャッフルしていたみたいですが、日本に帰る帰らないっつートコロは同じなのでアリですね。

よね?


■問題発言発生

ところで作品の設定がオリジナルとは、かなーり違う本作。

登場人物の国籍を、日本から合衆国へチェンジ。
犬の名前もタロ、ジロといった純和風名から、マヤ、マックス、シャドウみたいなアメリカンなネームに改名。
オリジナルでは、生き残り犬がタロジロだけだったのが、フランク・マーシャル監督のセンスで、もうちょっと増えたり。

で。友人の感想ですが、観賞後、彼女は開口一番、
「なんだ。生き残んの二頭じゃないじゃん」

もっと被害が大きい方が感動したとでもいうんですか。
人でなし。


■人と犬との絆

全米科学財団・南極基地で働く、ガイドのジェリーと8頭の犬達。
彼らは最高の相棒として、強い信頼関係で結ばれていた。

だが、思いがけない事故によって重病人を抱え、自らも凍傷を負ってしまったジェリーは、治療の為に犬達を置いて基地を後にする。
「すぐに帰るからな」
そういい残したジェリーだったが、25年ぶりの大嵐の影響で基地に戻る事が出来ないまま、冬の訪れによって帰国を余儀なくされてしまう。

真冬は氷点下30度にもなる極寒の地に取り残された犬達は、果たして生き延びる事が出来るのだろうか。

そしてジェリーは、困難を乗り越えて、犬達を迎えに行く事が出来るのだろうか。


■野生動物って怖い…

人間と犬との絆を描いたファミリー向け物語は、フランク・マーシャル監督作品として過去最高の興行成績を記録したそうですが、それよりもなによりも、作品中のクライマックスに出て来るアザラシが怖かったです。
『皇帝ペンギン』に続き、アザラシの凶暴性を再確認。

ところで主人公ジェリーの名前がジェリー・シェパード(犬種)ってのは、駄洒落か何かですか?

2006.04.12
2006.05.02改訂