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【社会】

女川原発2号機 正式適合 再稼働「地元同意」焦点に

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 原子力規制委員会は二十六日に定例会合を開き、東北電力が再稼働を目指す女川(おながわ)原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が、新規制基準を満たしているとする「審査書」を決定した。これで審査に正式適合した。適合は九原発十六基目となる。

 女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発で、地震と津波で大きな被害を受けた。被災原発の適合は日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き二基目。

 再稼働は安全対策工事が完了する二〇二〇年度以降の見込み。今後は地元同意手続きが焦点となる。規制委の更田(ふけた)豊志委員長は記者会見で「震災の影響をきちんと確認した上で、(適合を)判断した」と強調。審査結果を地元に説明する機会があれば、専門用語などを使わずに分かりやすく伝えられるよう準備する意向を示した。

 宮城県知事、女川町長、石巻市長はいずれも「議会の意見を聞いて判断する」などと述べ、再稼働への賛否を明らかにしなかった。

 震災時、女川原発では震度6弱を観測し、全三基が自動停止。約一三メートルの津波が押し寄せ、2号機の原子炉建屋地下が浸水した。外部電源や非常用発電機に被害もあったが、全基が冷温停止した。

 東北電は一三年十二月、女川2号機の審査を申請。耐震設計の目安とする基準地震動を震災前の五八〇ガルから一〇〇〇ガルとした。津波の想定も厳しくし、海抜二十九メートル、総延長約八百メートルの防潮堤を建設している。安全対策費は三千四百億円程度を見込む。

 東北電は1号機の廃炉を決めており、3号機は再稼働に向けて審査の申請を検討中。

 女川原発は東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型。同型では東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)と東海第二が審査適合済みだが、いずれも地元同意手続きが進んでおらず、女川2号機が最初に再稼働する可能性がある。

 

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