たまにはアーデさん家のリリルカさんが強くてもいいじゃない   作:ドロップ&キック

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時間が空いたんで、変な時間にアップ。



第05話:”アーデさんが肉食系(物理)でもいいじゃない”

 

 

 

「ガッポガッポにしてやんよ~♪」

 

なんて珍妙な歌を歌いながら、上機嫌で魔石の換金を終えてギルドから出てくる我らがリリルカさんである。

本来なら彼女、もっと換金レートの良い市場の業者に流しても良さそうなものだが、そこはそれ。ギルドに定期的に顔を出すというのは、色々と金銭以上のメリットがあったりするのだ。

 

ちなみにカヌゥ達から奪った品々は、ギルドに来る前に別口の昵懇な”怪しげな商人(盗品請負人)”に流して換金済みだ。

入手経緯が違うのなら売り先も変えるのは別に不思議な話じゃない。

それにヘタに強奪品を持ってギルドに入り、それがやけに世話好きなガネッ娘ハーフエルフの目に留まったらかなり面倒になること請け合いである。

自分にない”無償の優しさ”を持つ彼女をリリルカは好ましく思っているが、だからと言って自ら進んで面倒臭い目にあいたいとは思ってはいない。

 

ソーマ・ファミリアの多数の団員達は一人(ソロ)でダンジョンに潜り、彼女が丸ごと入ってなお余る革製背嚢(レザーザック)にはちきれんばかりの魔石を詰め込んで毎度帰って来るリリルカを凄まじい金持ちだと思い込んでいるようである。

そしてそれに目がくらみ、襲い掛かって返り討ちに合い、身包みや財産を迷惑料として根こそぎ剥がされるまでが様式美(デフォ)なのだが……

 

だが、そのイメージに反してリリがもつ財貨は、身につける装備や武具/各種ポーションなどダンジョン攻略に必要なアイテムを除けば、彼女と同レベルの冒険者が持つそれと比べても常識的な範疇だ。

 

この世界のリリルカは、ソーマ・ファミリアを抜ける気はない。

主神のソーマを除けば、関心すらない。積極的に抜けようとするほどの重みも感じない。

主神を除けばファミリアなぞ所詮、ただ名を置いてるだけ……だから脱退のために金を溜める必要もない。

 

どこぞのギルドを仕切ってるエルフとは名ばかりの肉塊と違い、金を溜め込むことを自分の存在意義と考える守銭奴でもない。

 

無論、”神酒(ソーマ)()()()に大枚を払うほど落ちぶれてもいない。

 

「宵越しの金を持たない」などと嘯くほど傾奇者思考でもない。

というより、リリはどちらかと言えば堅実な思考の持ち主だ。

 

それでは彼女は何に金を使うのか?

答えは既に書いた気もするが……基本、”強くなる”ためにリリルカは金を惜しげもなく使う。

具体的には武具、装備、そしてダンジョンに入るのに必須な各種消耗品だ。

 

例えば彼女が使う、アダマンタイト製のヘッド部分がリリの頭よりも大きいウォーハンマー”バハムート”は、有名どころの一級冒険者が持っていても不思議じゃない逸品であり、またそれに相応しい価格を誇る。

何しろ鍛えたのは某有名鍜治系ファミリアであるわけだし。

 

他にもファミリア外の”師事を仰いだ強者達”に支払う謝礼なんてのも、彼女なりの金の使い道だ。

リリルカ・アーデと言う少女は強くなる……”()()()()()()()()”為に余念がない。

可能な限り金に糸目はつけようとしないし、妥協は可能な限りしない。

 

それを呼吸するように自然に行うのがリリルカ・アーデであり、その根本にあるのは「弱肉強食」だろう。

ダンジョンとファミリア、彼女の二つの生活の場においてそのルールは当たり前であった。

なら、目の前で両親がモンスターに食い散らかされた彼女が無意識に「被捕食者であるより捕食者でありたい」と願うのも当然とだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

だが、そんなリリルカにも人には誰もがあるような”生きる楽しみ”くらいはあった。

その一つが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

リリルカは各種ハーブで絶妙な味付けがされた巨大な肉の塊を大きめに切り分け、口の中に放り込む。

 

「んまいっ♪」

 

咀嚼するたびに口いっぱいに広がる上質な肉特有の甘味と旨味に、リリは舌鼓を打ちつつ自分が生きていることを実感する。

 

ここは多くの冒険者にとって安らぎと食欲を満たす場所(酒場)、その名を”豊穣の女主人”。

値段はやや割高なれど、どの料理も味は折り紙つきだ。

 

リリルカの生きる喜びの一つは、”美味い食事を腹いっぱいになるまで堪能”すること。

呆れるほど小市民的な発想だが、天涯孤独になった頃からソロ・アタックの果てに生きて帰った自分へのご褒美として”豊穣の女主人”で食事をとることにしていた。

 

そして今では店の常連、いや常連の中でも古株の分類に入るまで店に通っていたのだった。

まあ、この”豊穣の女主人”に通いつめる理由は、味だけでなく”昔馴染みの友人”に会うためでもあるのだが……

その友人の話は別の機会にでも譲るとして、

 

店の片隅にある二人がけのテーブルセットに、いつものように一人で陣取り、並べた料理を堪能するリリルカであったが……

 

”どかっ”

 

別に椅子やテーブルを蹴られた効果音ではない。

ただ、空席だった目の前の席……埋まる予定の無かったそこにどっかと腰を下ろした猛者がいるのだ。

無論、某猛者(おうじゃ)さんではない。

 

ただその男……いや青年は、毛並みや毛色は違うがリリルカと同じような形の獣耳を頭から生やしていたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のノルマ:リリルカ先輩の主な金の使い道を晒す

リリさん、原作では溜め込んでいた金を余すことなくつぎ込んでいるので武具や装備は中々に一流です(^^

それにしても……ノリと勢いだけで書いてますが、このシリーズって一応くらいはファンタジーの体裁をなしてるのでしょうか?
あまり馴染みのないジャンルは、手探りで難しい(汗

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