たまにはアーデさん家のリリルカさんが強くてもいいじゃない 作:ドロップ&キック
*8/24、スキルとかの詳細を微修正。
「奪い奪われまた奪って……そうやって
ある日、リリルカ・アーデはそう
本来、ウォーハンマーは”分厚い鎧ごと敵を叩きのめす”ことを目的に考案された鈍器だ。
そういう意味では硬い甲虫のような外皮を持つキラーアントを文字通り”叩き潰す”には、まさに打ってつけの得物といえるだろう。
加えてリリルカのウォーハンマー”バハムート”は、形状こそ片方は平面状もう片方はピック状というウォーハンマーとしては一般的なものだが、規格外とも言えるヘッド部分の大きさは、彼女が本気で振るえば明らかに人間相手にはオーバーキルになるだろう。
そうそれは、明らかに対モンスター用に拵えた物だろう。
そしてその予想にたがわずリリルカとバハムートのコンビは、カヌゥ達を平らげた後もまだ足りぬと波打って襲い掛かってくるキラーアントの群れのど真ん中で、凄まじい勢いの殺戮を広げていた。
リリルカがバハムートを振り回すたびにキラーアントの体の部位が必ず破壊され、ある固体は胴体を一撃で潰され四肢を飛び散らせながら灰に変わり、またある個体はピック部分で頭を穿たれた挙句、首の上を千切れ飛ばされた。
背後から彼女を襲おうとする個体もいたが、リリルカはニヤリと笑い、槍の穂先のように鋭く研がれた円錐状の石突を振り返りもせずに無造作に突き刺すだけで制してみせる。
その動きはとても洗練されていると同時に容赦なく、彼女が小さな
まさに正しく一撃必殺のオンパレード、少しばかりキラーアントが不憫に思えてくるから不思議だ。
不思議なのは小柄な彼女の身長よりも長く、彼女の体重よりも重いかもしれないアダマンタイト製のハンマーヘッドを持つこの鈍器を、リリルカがこうも容易く、まるで竹箒でも振舞わすように扱っていことだ。
種を明かせばどうと言うことはなく、主にスキルの恩恵だった。
そのスキルの名は、
”
原作と呼ばれる世界で、リリルカアーデが持っていた”縁下力持(アーデル・アシスト)”とは似て非なるスキル、リリルカ・アーデと言うシアンスロープとパルゥムのハーフである小さな少女が、”Lv1の冒険者”となった瞬間に発現し、長年共に歩んできた……パートナーのようなスキルだった。
ゴリアテを英語読みすれば”ゴライアス”になることを考えれば、なるほど少なくとも平和的な能力でないことはわかるだろう。
何しろアーデル・アシストが力を補正するスキルなら、ゴリアテは”力を
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「まっ、こんなものですか……」
まるで、「軽く一汗かきました」とでも言いたげな表情のリリルカ。
キラーアントの群れを比喩ではなく全滅させた後、戦闘の邪魔にならないように岩陰に隠していた”まるでサポーターが使うような”巨大な
どうせ死を悼み悲しむような遺族などいないことはわかりきってるのだから、魔石共々後腐れないように換金するつもりだった。
せめてその金で精々、行きつけの”豊穣の女主人”で普段より少し豪華なディナーを楽しむことがせめてもの手向け……なんてどうでもいいことを考えながらリリルカはダンジョンを後にする。
巨大なウォーハンマーに割と重装な甲冑、各種装備に加え、体が隠れるほどの魔石を満載にしたザックを背負いながらも、リリルカの足取りは軽く、まるで今にもスキップを始めそうな雰囲気だった。
☆☆☆
スキル”
リリルカ・アーデが持つスキルの一つで、彼女しか発現が確認されていない
その効果は、
・本人が装着/装備する総重量に比例し力が
・力の
・
・力の熟練度上昇率が”
備考:物心付いたころ、あるいは付く前より重装備を背負わされ、両親に連れられダンジョンに潜っていたために発現したスキルと推察。
つまり、リリルカ・アーデは冒険者になる前から”両親のサポーター役”としてダンジョンに潜らされていた。
今回のノルマ:リリルカ先輩の
リリの装備重量は、デフォで体重の3倍くらいありそうです(挨拶
巨大なザックに少しだけ原作の面影を残してみる。
”