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(喜美子)何か… 作りたいんです。
無性に 今 作りたいんです。
(アンリ)そうかあ…。
ええ作品作ってや。
また いつか 800万で買いに来たるわ。アハハハハッ はい。
♪~
喜美子が新たな作品作りを始めた そのころ…サニーでは…。
(陽子)なあ 何で?
(信作)そんなん しゃあないやんけ。
(陽子)そやかてな百合ちゃんだって急に言われても。
(大野)ほやで 百合ちゃんかて準備っちゅうもんがいるやろが。
(信作)準備なんか 何もいらんわ。
子どもは どうすんの! 桜と桃は!
そら 連れていくやろ!
(大野)お前なあ 子どもの気持ちも考えたれ。(陽子)うん。
親の勝手で振り回されてかわいそうやないか…。
あ~ もうええ! やいやい言われてもな明日 決行する!
何してんねん。あかん!何があかんねん!
ちょっ ちょっと あんたら破ったらあかんで。
何があかんねん。これは お前だけのもんやない。
これはな 俺だけのもんや。
俺が…。
俺が 当てたんや。確かに 福引き大会でアホみたいな顔して ガラガラ回して当てたんは お前や。
せやけど その福引き券を毎日毎日 集めたんは誰や。
お母ちゃんや。
どうせティッシュしか当たらへん言うてその福引き券を アホみたいな顔してぜ~んぶくれたんは誰や。
それは… わしやけども…。見てみぃ!
俺が 福引きに行ったタイミングとガラガラを回す絶妙な力加減のおかげで当たったんや。
この 「有馬温泉 ペアご招待券」はな!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
(大野 信作)たたいて かぶってじゃんけん ほい。
(大野)あ~。
せ~の…。(2人)たたいて かぶってじゃんけん ほい。
あたっ…。おう~。あっかん… くっそ~。
(百合子)どうしたん?(信作)弱いなあ。
(大野)手加減せえ!なに 騒いでんのん?
えらい楽しそうや。何対何や?楽しそうに見えるかもしらんけどな大もめやねん!大もめ?
おお 百合子 明日な桜と桃 連れて 有馬温泉行くから。
明日…? えっ 明日って 明日?明日や。
ほれ 見てみぃ。びっくりしてるやないか。
百合ちゃんなあ いきなり 「ほな明日 有馬温泉」言われても困るやんなあ?
温泉…。有効期限がな 明日までなんやて。
ああ。 えっそれを今日まで ずっと忘れてたん?
ああ ず~っと ず~っと ず~っと忙しかったからなあ 俺は。
今日言われて 「明日」言われてもなあ?準備もあるしなあ? 無理やなあ?
明日…。無理ちゃうわなあ。
有馬なんて すぐ近くや。日帰りやし 準備なんていらん。
桜と桃 連れて パ~ッと行ってざぶ~ つかって帰ってこよ。
昼 夜 お食事付きやでえ。
ええなあ!ええやろ! よっしゃ!
はい。 え~ 百合子も行きたい言うてます。2人には 余計な心配かけましたが俺が当てた券で俺らが 有馬温泉行かせて頂きます。
まあ 百合ちゃんが そう言うんやったらなしゃあないな。まあ まあ しゃあないな。
(信作)はい! そうと決まったら今夜は 解散! 明日 早起きやからな。
え~ 次は 有馬温泉 有馬温泉。有馬温泉行きの電車が発車しま~す。
しゅっぱ~つ!
シュッシュッ シュッシュッシュッシュッ シュッシュッポッポ~! シュッシュッ…。あ~ あ~ 行っといで 行っといで。
(信作)ポッポ~! シュッシュッ…。おやすみ。
シュッシュッ シュッシュッ…とうちゃ~く!
お二人で行ってきて下さい。(信作)何 言うてんねん。
(陽子)あ… いやいや いやいや…。あかん?
あかんよ 絶対あかん。
うちは 何が何でも お義父さんとお義母さんに温泉行ってもらいたい。
な… 何で。そう言うてるけど?
言うてるよ?うちはなこれまで ず~っと大野家にお世話になりっ放しやねん。
大野家てお… お前は 大野百合子さんやないか。
違うねん。 お嫁に来る前からうちが ちっちゃい ちっちゃいもう ちっちゃい頃からずっと ずっと ず~っとや。
うちらが信楽に来ることができたんはみ~んな大野家のおかげやって。
お父ちゃんにも お母ちゃんにもずっとずっと教えられてきた。
回想 班長殿!(常治)おう!アッハッハッハッ。
お迎えに来ました!(常治)班長殿? やめえ その言い方。
ええ? 戦争中ちゃうで。ジョーでええ言うたやん。
ジョーさん…。
アッハッハッハッ…。
おう マツ! 大野さんや。
(マツ)初めまして。 お世話になります。
初めまして。直子に 百合子 喜美子です。
こんにちは。こんにちは。 初めまして。
女の子やのに顔を傷つけるやなんて ひどいわ。
すんません…。
うち 雑貨屋やさけ何やかんや置いてあるんやし。
はい どうぞ。(直子)ぜ~んぶ お米や!
喜美ちゃんも 遠慮せんと食べやいさ。頂きます!
ほんま お米や 真っ白や!
これ…。えっ?
お金は落ち着いてからで ええのに…。いえいえ 受け取って下さい。
こんな広い家ほんまは もっと払わなならんとこ…。
どうせ手放す話があったんよ。古うて 逆に申し訳ないわ。
いや 家だけやありません。仕事の世話も 戦友やいうだけで。
ただの戦友やないんよ。
聞いてへんの?
喜美子。 お父ちゃんは大野さんの命の恩人なんやて。
えっ?負傷した大野さん おんぶして何十キロもの道 歩いて助けてくれた。いつか必ず恩返ししようそう思うてくれてはったんやて。
そうなん?
借金の話は話でまた こっからやり直したらええねん。
はい。
あっ おばさんがうちにへそくり隠してたこともあったな。
あった あった。笑い事ちゃうで。
あん時はうちが離婚の危機やったんやし…。
回想 (マツ)これをな? 預かってほしいねん。えっ?
うちに置いとくと…。
どんなに隠して置いといても…。
あ~! ああ ああ! ああ ああ…。
すぐにお酒に換えてしまう人がいやるもんなあ。せやねん!
何のへそくりか聞いてんねん!
だから女にも言えんことがあるっちゅうやろ!
あ~! 聞いたか!?聞きましたか 皆さん!
男や!ああ?男がおるに違いない!
おっとろしい!人妻のよろめきや~!
お父ちゃんの最期も…大野家にお世話になりました。
回想 マッタケや ほら!お… お米や!
材料持ってきたし ここで炊かせてな!
(大野)ジョーさん!何なん?
約束 果たしに来ましたで!マッタケごはん作りたいの…。
「ありがとう」だけやったら 足りひんねんうちらが受けたご恩は。
店の手伝いしてくれてるやん。う~ん 全然 足りひん。
温泉の招待券 譲ったくらい一つも恩返しになってへんわ。
お義父さんと お義母さんに…。(泣き声)
百合ちゃんの その気持ちだけで十分 うちら幸せやんなあ?
ありがとう。ありがとうなあ。
(泣き声)
ありがとう。ありがとう。
お土産 買ってくるしな。いっぱい買ってくるな。
(大野)桜と桃も連れていくしな。ありがとう 信にい。
何や その呼び方 恥ずかしい。
(大野 陽子)ありがとう 信にい。やめろ!
(はしゃぐ声)
ほな お願いしますぅ。
プルルルルル…有馬温泉行き 出発しま~す。
翌朝 桜と桃の2人も大喜びで有馬温泉へと出発していきました。
店番を任された百合子 そして 信作は…。
(笑い声)
何で 笑うねん。だって かわいいんやもん。
あんなあ東京とか大阪の 喫茶店のマスターはこう ビシッと決めてんねん。
マスター ホット1つ。
マスター アメリカン2つ。
マスター。
マスター!何で 何も言うてくれへんのん?
マスターは返事せんでも注文は全部 頭に入ってんねん。
お~。 ほな マスターはコーヒーいれられるん?
ほんまあ?
うそやあ。あんなあ ちゃんとやらしてくれよ!
コーヒーぐらい いれられるに決まってるやろ 喫茶店の息子やで。
ほやけど 店番なんてしたことないやろ。コーヒーいれるんかて難しいんやで。
豆。マメ?
喫茶店で豆いうたら コーヒー豆やろ。
(嗅ぐ音)
(せきばらい)うん なかなか ええ豆や。
普通の豆やって言うてはったけどなあ。
うん?
えっ えっ ちょっ ちょっ ちょっストップ ストップ!
えっ 何。
うそやんな?何が。
ここに お湯入れたらコーヒーが出来ると思ってる?
(信作)出来ひんの?(百合子)多分 出来ひん。
いや 出来るんちゃう。出来ひん!
はあ…。
♪~
お待たせしました。
♪~
お~。
♪~
フフフフ…。また笑うた。
やっぱり かわいいマスターや。
(ドアが開く音)
(2人)いらっしゃい。(敏春)おはようさんです。よろしいか。