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 国内で安全性が確認されていない海外製の未承認薬を別の容器に詰め替えて他の医療機関に渡したなどとして、大阪府警は25日、男性専門院「ユナイテッドクリニック」の43歳と44歳の男性医師2人=ともに東京都=と、それぞれが理事長を務める都内の医療法人2社を医薬品医療機器法違反の疑いで書類送検した。2人は容疑を認めているという。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、2人は厚生労働大臣の承認がないのにインド製の勃起不全(ED)治療薬とタイ製の男性型脱毛症(AGA)治療薬の計436錠を別の容器に詰め替え、昨年11~12月に2回に分けて福岡市の医療機関などに郵送した疑いがある。薬はクリニックのオリジナルブランド製品のように装い、処方されていたという。

 ユナイテッドクリニックは東京や大阪、福岡など全国に14院を展開。ホームページでは「海外製薬も正規の手続きを経て処方している」「他院と比べ治療薬の種類、容量を豊富に取りそろえている」などとうたっていた。

 捜査関係者によると、詰め替えられた未承認薬は、複数のクリニック勤務医の名義で取得された輸入許可証「薬監証明」を使い、個人輸入されていた。厚労省は、海外製の未承認薬が医師により不正に輸入・販売されるケースなどが相次いでいるとして、医師が薬監証明を不正取得した場合には罰則を設ける法改正を目指している。