Ableton Liveの9.5へのバージョンアップでメーターに「RMS」メーターが実装されて、RMSのハイライト表示と激しく上下するピークメーターとで視覚的にも楽しいです。でもピークとRMSとは実際何が違うのか?さらにたまに聞く「vuメーター」とは何なのか?どれも音量のメーターだけれども何が違うのか、その辺を簡単にまとめていきます。
1.ピークメーター
画像ではちょっと暗い色の方のレベルメーターで機敏の上がり下がりしていて、上に視認性を上げるための、最大レベルを数秒表示し続ける(ピークホールド)線がある。入力音に対して非常に速い反応速度(10msくらい)で人間の耳ではわからないくらいの短時間の音にも反応するので、一瞬でも0dBを超えるとノイズになってしまうDAWやデジタルオーディオの世界ではこれを監視してクリップを回避する。
DAWでオーディオ波形を切り貼りしてると波形が見慣れてくるけれど、波形の振幅とほぼ同じ形に針が振れる。
ただ電気的な出力をメーター表示するために実際の人間の視聴上の音量感とは違うところがある。
2.RMSメーター
ハイライト表示のレベルがRMSで「二乗平均平方根(Root Mean Square)」の意。簡単に言うと一定の区間の平均的な音量。実効値とも。メーターの振れはピークメーターに比べてゆっくりで数値も小さく示す。vuメーターと近似値をとるのでRMS=vuと説明される時もあるけれど正確には別物。それでも人間の耳の音量感と近いので「音圧」の確認に役立つ。
3.vuメーター
ableton liveのメーターには無いけれど。
VUとはVolume Unitの事で反応速度が300ms(0.3秒)でそれより短い間の入力音はピークメーターでの表示よりも小さい値を示す。メモリが-20から+3まで付いていて0の基準やメーターの振れには厳しい規格がある(ここでは割愛。詳しくはwikiやブログ等で有識者の方々が解説してます。)。人間の音量感に近いレベルを示す。
人間の耳は同じ音の大きさでも短い一瞬の音よりも、長い時間持続する音の方が大きく感じる傾向があります。そういう意味でvuメーターレベルが人間の耳に近い音量レベルを示すのですが、アタックが鋭い音でピークが0を超えないようにするのはもちろん、全体的にRMSの値がどの辺りを示すかによって音量感が違います。自分が好きな音楽、ちょうどいい音圧の曲をRMSメーターで見てどの辺りを指すか確認しておくと目安になります。
簡単な説明だけれども自分が忘れないためにも。DAWにRMSメーターが標準で装備されてるものはまだ少ないかもですが、せっかくLiveに搭載されたからには有効に使っていければいいですね。音圧があればあるほどいい曲、ではないし、RMSやvuが丁度良い値を示すからといってどの再生機器でもいい音になるわけでもないし、そういう数値で示せない部分をさらに追求していくためにも音量を確認する基本がしっかりしていないといけません。
ちなみに
RMEのオーディオインターフェースユーザーはDIGIcheckがめちゃくちゃ便利なのでメインアウトをレベルメーターに通して見ているとコンピュータのいろいろな出力をモニターできて楽しいです。