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【高校野球】

今大会『ナンバーワン投手』明石商・中森俊介「完全にフォーム見失っていた」秋から改善着々

2020年2月25日 0時6分

大会ナンバーワン投手の呼び声高い明石商の中森俊介投手

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◇センバツ高校野球企画「令和最初の春の主役たち」

 第92回センバツ高校野球大会(3月19日から13日間・甲子園)の開幕が近づいてきた。本番を待つ選手から、活躍が期待されるスター候補生を紹介する。

 昨年、春夏連続で甲子園4強進出した明石商(兵庫)の最速151キロ右腕、中森俊介投手(2年)。1年春からメンバー入りしている中森にとっては、自身4度目の甲子園。今大会の最注目投手であり、現時点の世代ナンバーワン投手と言って、差し支えないだろう。球速、球の切れ、制球と中森の完成度の高さは抜けている。

 「もっとレベルの高い投手はいると思う。でも、自分たちの代で一番になりたい気持ちはあるし、目指していきたい」

 実績は申し分ない。甲子園デビューした1年夏に、いきなり145キロを計測。エースとして臨んだ昨年は、春夏とも4強に勝ち上がった。特に昨夏の準々決勝・八戸学院光星戦では、自己最速の151キロをマーク。2年生投手が甲子園で出した球速としては、花巻東・大谷(現エンゼルス)、駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)らの150キロを超える数字だった。

 ただ、新チームとなった昨秋は予想外に苦しんだ。投球フォームを改良しようと、星稜・奥川(現ヤクルト)の左足の上げ方を取り入れ、一時は好感触をつかんだ。しかし突然、不調に陥り、すぐに夏までのフォームに戻そうとしても、染み付いた変更後のフォームが抜けきれなかった。近畿大会で8強進出し、何とかセンバツ出場をたぐり寄せたものの、「秋は完全にフォームを見失っていた」と振り返る。

 本来の形を取り戻した現在は体の開きを抑えるために、左手のグラブで壁を作るようにして、ためを作るフォームに取り組んでいる。「コツはつかみつつある。あとは、これからの練習で」。すでに始まっている紅白戦や、ケース打撃など実戦形式の練習で固めていく。

 入学時に掲げた目標が「5季連続甲子園出場」と「160キロ到達」だった。連続出場は継続中。球速も右肩上がりだ。ただ、「球速が出ても、負けたら意味がない。去年は、春も夏も(決勝進出を懸けた)大事な試合で負けている。チームを勝利に導く投手にならないと」。「勝てる投手」に飛躍すれば、公立校としては2009年の清峰(長崎)以来、同校初の甲子園制覇も夢ではなくなる。

 

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