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【ドラニュース】

50歳でも崩れぬ打撃の形…中日・根尾に示す“立浪塾長”に京田「完璧…」レジェンドが毎日見続けた窓ガラス

2020年2月25日 紙面から

中日-楽天4回裏1死一塁、京田は右前打を放つ=北谷球場で(黒田淳一撮影)

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◇龍の背に乗って <キャンプ編>

 根尾よりも早く、立浪和義さんから「間(ま)」の大切さを教わった男がいる。

 「割れと間。ボールを呼び込む形ですよね。あれからずっと意識しています。立浪さんにはタイミングのことだけを言われるんです」

 京田が立浪さんと話したのは第1クールだった。その内容は根尾と同じである。23日の指導はたまたま屋内練習場で打っていた京田も見ていた。打撃マシンの球に対し、立浪さんは「振らなくていいから」と根尾にトップの位置で止まらせた。次に実践。京田は僕に向かって「完璧ですよね」とつぶやいた。50歳のOBと19歳の現役。実際に打てるかどうかは別にして、ピタリと止まる形の美しさには大きな差があった。

 読者の皆さまはこう思うだろう。「じゃあ、何でコーチは教えないんだ?」と。もちろん懸命に教えてはいる。ただし、選手名鑑を見てもらいたい。今季の中日の野手コーチは1・2軍合わせても工藤コーチ(2軍外野守備・走塁)だけが左打者。僕はたくさんの野球人に聞いてきたが、不思議なことに左打者は「右の感覚がわからない」と言い、右打者は「左のことはちょっと…」と言う。小学校の教諭はいろんな科目を教えるが、中学以降は教科別に細分化される感じだろうか。

 4回の右前打でオープン戦は8打数5安打。それより京田が手応えを感じたのは2回の四球だった。

 「フルカウントから則本(昂)さんのカットボールを見極めることができました。あれ、前までなら振らされていたと思うんです。この感覚を忘れないようにしなきゃ」

 とはいえ、根尾もそうだが少し教えられて打撃が良くなれば苦労はしない。覚えたはずの感覚はずれ、体に染み付かせたはずの形は崩れる。だから僕は京田に教えてあげた。現役時代の立浪さんは、毎日、窓ガラスに自分のフォームを映し「割れ」を確かめていた。不調に陥ったときに戻る原点。その有無が一流と二流の差だと思う。

(渋谷真)

 

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