関東連合や怒羅権に変わって台頭か!? 八王子の半グレ集団「打越スペクター」とは?
TABLO / 2014年1月16日 16時6分
昨年3月7日、「関東連合及び、怒羅権を準暴力団と規定する」という警察庁の発表により、それまで実質的に野放し状態だった関東連合関係者は、息を潜め成り行きを静観するようになった。警察庁は暴対法、暴排条例によって暴力団の取締りを厳しくし、その隙間をぬって台頭してきたのが、かつては「半グレ」と呼ばれる準暴力団と規定された集団だった。
関東連合と怒羅権を名指しした警察庁の発表は、その半グレの動きを封じ込めようという思惑が見てとれる。そのおかげで、六本木や西麻布、新宿、渋谷といった都心の盛り場では明らかに派手な動きがなくなったように見える。
しかし、都心から離れた八王子、神奈川・相模原・厚木、千葉・市川等の郊外では、その「準暴力団」と思われる新しい勢力が台頭してきているようなのだ。なかでもその動きが活発なのは八王子だ。
昨年末には、東京都新宿区の土屋彰勲さん=当時(24)=の白骨遺体が埼玉県内の霊園で見つかり、警視庁は男女6人を逮捕し、主犯格の1人を指名手配したばかり。大半が八王子市に拠点を置く暴走族「打越スペクター」のメンバーで、土屋さんと一緒に振り込め詐欺を繰り返していたとされる。
逮捕された1人は暴力団関係者を拉致し、車で引きずり回し、重傷を負わせたことでも逮捕されている。昨年9月にはカリスマホストと言われた土田正道さん(当時43)が殺害され、遺体が溶かされるという事件も発覚した。八王子にはこのような凶悪事件が潜む闇があるようだ。
「スペクター」は1970年代頃に結成された老舗の暴走族である。構成人数はかつて日本一を誇り、八王子と隣接する町田が発祥の地と言われている。その勢力は新宿、浅草、三鷹、神奈川、千葉など各地に支部を持つまでに至り、八王子を本拠とする「打越スペクター」も誕生した。そのメンバーに話を聞くことができた。
――現在、世間を騒がしている「スペクター」だが、八王子ではどのような存在なのか。
「八王子のスペクターは元々一つだったんですよ。だけどいつの間にか万吉と打越に分かれて今に至っています。八王子の暴走族って昔から質悪いんです。数々の大きい事件起こしてるし」
――報道では20人前後で金属バットを使った、とある。
「金属バットは常時持ってました。以前は金属バットを持ち歩いても捕まることはなかったですから。今はもう駄目ですけど」
――相手が暴力団でも引かないのか。
「こっちが人数多ければ引かないですよ。ケンカしても負けないし、そもそも相手は被害届出さないじゃないですか。自分らみたいなガキにやられたら」
――今回の白骨遺体の件だが、被害者や加害者と面識はあるのか。
「もちろんあります。逮捕されたのは怖いことで有名な先輩です。他のグループの人間を追い込んでいたら、その被害者が表に出てきたと。それでも先輩は関係ねぇという感じで殺してしまった、と聞いてます」
元々、八王子の暴走族の歴史は、連合体では武州連合というものが存在。単独チームではミッキーズ、キングラット、キャニオン、トミーズ、ルート20、スペクター、影といったチームがあった。その中の一つとして数えられ、独立性を認められていたのが、この「打越スペクター」である。
八王子市は人口50万人を超え、隣接する神奈川県相模原市は70万人。周辺人口は150万人以上となる大都市圏だ。しかし、都心から離れているために小さなイザコザや暴力沙汰は事件化することなく、闇に葬られているという。それだけに、八王子のような街では凶悪事件が発生する土壌が生まれているともいえる。関東連合や怒羅権に代わって、新しい半グレ集団が猛威を奮っていることを忘れてはいけない。
Written by 西郷正興
Photo by スペクター 1974-1978
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