横浜市沖に到着したクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」=2月3日午後8時5分(共同通信社ヘリから)

 乗客ら3千人以上が乗ったとみられるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を利用した香港人男性(80)が、下船後の香港で新型コロナウイルスに感染したと確認された問題で、横浜市は2月3日、船が同日夜に横浜・大黒ふ頭沖に停泊後、検疫を受けると明らかにした。厚生労働省によると、医師や看護師らが乗り込み、乗客乗員全員の健康状態を確認する。

⇒クルーズ船コロナウイルス10人陽性

 厚労省によると、クルーズ船は1日に寄港した那覇で検疫を終えていた。乗客の感染確認を受けて二度目の実施を決めた。再検疫は異例という。

 クルーズ船の運営会社「カーニバル・ジャパン」(東京)によると乗客定員は約2700人、乗組員は約1100人。1月20日に横浜を出発後、同22日に鹿児島に寄港し、同25日に香港に到着。その後、ベトナムや台湾を巡り、2月1日に那覇に寄り、横浜に戻った。

 男性は横浜から乗船し、香港で下りていた。香港メディアによると、男性は乗船前からせきが始まり、下船前にひどくなった。船内でサウナに入ったり、レストランで食事を取ったりしていた。

 政府関係者は3日、船内で数人が発熱の症状を訴えている、との報告を受けたと明らかにした。

 鹿児島県は3日、男性の県内での足取りを調べるため、香港政府に情報提供を求めるよう、厚労省に要請した。県によると、多くの乗客は鹿児島港(鹿児島市)に寄港中、県内を巡るツアーに参加。感染した男性が下船したかどうかは不明。

 乗客によると、クルーズ船内では3日午後6時半ごろになって初めて、感染者情報がアナウンスされた。感染した男性が使ったとされるサウナやレストランは通常通り営業し、大半の人がマスクをしていなかった。

 一方、菅義偉官房長官は記者会見で、武漢から邦人を帰国させる政府チャーター機第4便の派遣について「中国側との調整や準備の関係上、今週半ば以降にならざるを得ない」と述べた。2日時点で8人を入国拒否措置の対象としたことも明らかにした。

blank
関連記事