◆新日本プロレス「中西学引退記念大会」(22日、後楽園ホール)観衆1720=札止め
“野人”中西学(53)が引退試合で27年あまりのプロレス人生に別れを告げた。新日本プロレスは22日、東京・後楽園ホールで「中西学引退記念大会」を開催した。
メインイベントの引退試合で中西は、天山広吉、小島聡、永田裕志と組んでオカダ・カズチカ、棚橋弘至、飯伏幸太、後藤洋央紀と対戦。必殺のアルゼンチンバックブリーカーで棚橋を追い込み、雪崩式ブレーンバスター、トップロープからのダイビングボディアタックを繰り出したが最後は後藤のGTR、飯伏のカミゴエ、オカダのレインメーカーと相手の必殺技を全身に刻み、トドメに棚橋のハイフライフローで圧殺され野人は壮絶に散った。
バックステージで中西は、最後の試合で組んだ第三世代の天山、小島、永田と並んでコメントした。第三世代への思いを聞かれ「どうでもえぇ人のことは、誰も言わへんし、あんだけ気づいてもらったってことは、鬱陶しいところも自分にはあったんでしょうけど、そやけど、こいつをぶっ倒してでもオレはのし上がってやるって、それぐらいの気持ちがあったから言ってくれたことであって、そのぐらいの価値はあったってことです」と振り返り「常にライバルやから出世争いやから。やっているうちにそれぞれの道、それぞれのやり方ができてきたから、最初はみんなやっていることは同じやったかもしれんけど、やっているうちはいろんなことを認めていつのまにか頼りにしていて、今日なんかおんぶにだっこに肩車でした…アルゼンチンはオレがやったけど」と笑わせた。
続けて高校時代にレスリングを始めた理由を涙をこらえながら告白。「オヤジが生きてて、別にオヤジにウソ付いているわけじゃないけどレスリング始めたのは、プロレスラーになりたいから始めたことであって。今までスポーツもしたことなかったからやりたかったとか、自分の力でやったことなかったらやりたかったとか、そういうことじゃなくて、ホンマプロレスを純粋にやりたかったからレスリングを始めて。本当に夢のように五輪まで行けて、新日本入れて。まさか新日本入れるとは思ってなかったし。馳さん、長州さんがいる専修大学入れたし。入ってからも坂口会長にかわいがってもらって同期のこの人間に鍛えてもらって磨いてもらって、それで今までこれたんで、一人では絶対にこれへんし。一人ではまず続かないし続くような男じゃないし。この3人に感謝の思いしかないです」とかみしめた。
亡くなった母への思いを聞かれ「お母ちゃんが好きやった物でも供えて手を合わせようと思います」と天国へ思いを馳せていた。