靴紐トレーニング
テーマ: 麦 発達障害(ADHD、ASD、DCD)春休みもようやく終盤です。
麦にとってはいよいよ中学校生活の始まり。
の前に、一つ課題がありました。
中学校では上履きが紐ぐつなのですが、麦は靴紐を上手に結べません
「中学生になるのに、冗談でしょう?」
と思われるかもしれません。でも本当です。だからこそDCD(発達性協調運動障害)なんですけど。
児童精神科を受診する前は「苦手なことから徹底的に逃げる」人だった麦。小学校ではマジックテープのシューズでも大丈夫だったので、特に無理強いはしなかったけれど、今回はいよいよ必要に迫られてきました。
というわけで、春休み中は毎日紐ぐつを結ぶ練習をしていました。
靴紐を結ぶのに苦労した麦。
原因は
1「言葉で説明されてもイメージできない(想像力の乏しさ)」
2「見よう見まねが苦手(目で見たことと自分のボディイメージが連動しない)」
の二つだと思っていました。
それを少しでも乗る超えるには、まず隣に並んで動作の細かい一つ一つを一緒にやってみました。小さい子に教える要領と言えば良いでしょうか。
「靴紐を結ぶ」を分解すると
1、二本の紐を片手に一本ずつ持つ
2、紐を引っ張って靴を少しキツくする
3、紐を交差させる
4、交差させた部分を、一本の紐だけくぐらせる
5、また紐を片手に一本ずつ持って引っ張る(結び目を締める)
6、利き手で一本の紐だけ輪っかを作る
7、輪っかの根元を5の結び目の根元で押さえる(蝶結びの準備)
8、輪っかじゃない方の紐を、7の根元周りで一周させる
9、一周させたら、一周させたチビ輪に6を作った方の指を入れて紐を引っ掛けて抜く
10、9の輪と6の輪を引っ張って、蝶にする
という10の部分に分けて隣で見せながら説明しました。
鬼門はやはり8〜10の手順でした。
ただでさえ難しい上に、麦は左利きで私は右利き。私のやることを見るだけでは、麦は理解できず。真似しようとしても、利き手でない方は上手に使えず。最後は麦が手を動かしているところで、ゆっくりと短い言葉で動作を指示しました。
多分、蝶結び一回の説明で10分以上はかかりました。
一応完成はしましたが、上履きということは、毎朝や体育の後、外掃除の後など、1日何回も素早く結べなければいけません。
なので、目標は「結べること」ではなく「素早く解けないように結べること」
麦は少し嫌そうでしたけど、心を鬼にして「1日1回」司令を出しました。
その成果は、、、
↑
伝わるでしょうか?素早く結んでいる感じが。
DCDで不器用な麦ではありますが、繰り返し繰り返し取り組むことで、カメの歩みでも進歩できるということが、改めてわかりました。
器用な子だと、見ただけで真似てできます。それはもう素晴らしい才能。
麦はそういう才能はないので、一つ一つ手取り足取り教える必要はあったけれど、中学校入学のために頑張りました。
ストラテラ増量で注意力アップ良し。英語の先取り学習をしてみて「初めて」ストレス緩和良し(最近は怒らなくなりました!)、靴紐トレーニングで上履き良し。
想定できる準備はしたので、あとは入学して当たって、、、、砕けないように見守ったり少し手助けしたりしていきたいと思います。