金子勝
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金子勝立教大学大学院特任教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

新型肺炎の三馬鹿トリオ 引きずり降ろさなければ危機拡大

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 ところが、加藤は空気感染の恐れはないから一般病棟でよいとか、防護服ナシで十分だとか危機感ゼロで、もはや犯罪的とさえ言える。武漢で院内感染が拡大した要因のひとつが、肺炎になった患者の気管に挿入する人工呼吸器だった。それで一般病棟に感染が広がり、さらに重症ケースが増えたのだ。



 いまや国内で2次感染、3次感染が起きているのは明らかだ。PCR検査機器は大学病院にも民間業者にもたくさんある。一気に検査態勢を強化しなければダメ。クルーズ船の重症患者を一般病院に入れるのもダメだ。コレラ患者対応レベルの専門病棟をつくり、非侵襲的陽圧換気タイプの顔面を覆う呼吸器を用いた治療が求められる。

 そして、何より必要なのが、「三馬鹿トリオ」を引きずり降ろし、高潔な感染症専門家をリーダーに据えて対応に当たることだ。武漢にトップレベルの学者を派遣し、実態を把握して対策を練る必要もある。危機管理は現場に即してやるのが鉄則だ。

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