もちろん、声優業界が枕営業を許しているわけではなく、そういった行為が公になれば、男性側も女性側も何らかの処罰を受ける。しかし、中にはなんとも妙な事態となっているケースがあるようだ。先述の野村さんが語ってくれた。
「同じ事務所の新人の女の子が、急にゲームやイベントの仕事が立て続けに決まったんです。特に演技が上手いわけでもなかったので不思議でしたが、後に枕営業だったということが判明しました。決まった仕事の上層部に、必ず同じ人物が参加していたのでバレバレだったようです。男性は会社から処罰されたようですが、その子も事務所を退所させられました。
でも、しばらくすると別の事務所で復帰して、最近は有名な作品にも出始めています。退所後に改心して再スタートしたのかもしれませんが、はっきり言って複雑な心境です。狭い業界なので、枕営業の話は新しい事務所側も知ってそうなものですが……」
各事務所や会社単位ではセクハラ行為に対して厳しく取り締まっているところもあるようだが、今回のように事務所の社長自らがそうした行為に及んでいる場合、内部の人間には解決しづらい。
また、事務所に所属する声優でも、ほとんどの場合は「個人事業主」という立場にあるため、2019年5月に成立した企業から労働者を守る「ハラスメント防止法」などの保護対象にならない。
そうした実情を鑑みると、アニメ業界の労働環境はまだまだ改善の余地があるのかもしれない。業界による自助努力はもちろん、行政側の対策も望まれる。<取材・文/日刊SPA!取材班>
「同じ事務所の新人の女の子が、急にゲームやイベントの仕事が立て続けに決まったんです。特に演技が上手いわけでもなかったので不思議でしたが、後に枕営業だったということが判明しました。決まった仕事の上層部に、必ず同じ人物が参加していたのでバレバレだったようです。男性は会社から処罰されたようですが、その子も事務所を退所させられました。
でも、しばらくすると別の事務所で復帰して、最近は有名な作品にも出始めています。退所後に改心して再スタートしたのかもしれませんが、はっきり言って複雑な心境です。狭い業界なので、枕営業の話は新しい事務所側も知ってそうなものですが……」
各事務所や会社単位ではセクハラ行為に対して厳しく取り締まっているところもあるようだが、今回のように事務所の社長自らがそうした行為に及んでいる場合、内部の人間には解決しづらい。
また、事務所に所属する声優でも、ほとんどの場合は「個人事業主」という立場にあるため、2019年5月に成立した企業から労働者を守る「ハラスメント防止法」などの保護対象にならない。
そうした実情を鑑みると、アニメ業界の労働環境はまだまだ改善の余地があるのかもしれない。業界による自助努力はもちろん、行政側の対策も望まれる。<取材・文/日刊SPA!取材班>