じゅがいもは年中、手に入る食材ですが、新じゃがの旬は3〜6月頃。今年は暖冬の影響かスーパーの店頭にはすでに新じゃがが並びはじめています。
新じゃがはデンプン含有量が少ないので煮崩れしにくいのが特徴です。水分が多いので、火が通りやすく、短時間で調理できるという利点もあります。そこで今日は、新じゃがを甘辛く煮ました。少しの鶏肉を入れることで、ご飯のおかずになるような満足感が出ます。
新じゃがと鶏肉の煮付け
新じゃがいも…3個(200g〜250g程度)
鶏肉…100g(小さめのもも肉半分)
鰹と昆布の合わせ出汁*…200cc
醤油…大さじ1
砂糖…大さじ2
*顆粒だしや水でも可、顆粒だしには塩分があるので少量使う
1.じゃがいもは包丁で天と地を落とし、皮を剥く。水でさっと洗い、半分に切る。鶏肉は一口大に切っておく。
2.鍋にじゃがいも、鶏肉、出汁、醤油、砂糖を入れ、中火にかける。沸騰してきたらアルミホイルで落し蓋をして、そのまま10分煮る。
3.落し蓋を外し、煮汁が多ければ火を強め、鍋をゆすりながら煮汁がほとんどなくなるまで煮詰める。器に盛り付ける。
新じゃがなら煮物は簡単
じゃがいもの煮物は新じゃがを使うと簡単。その理由はじゃがいもに含まれるデンプンの量にあります。
じゃがいものデンプン含有量は塩水に浸けることで調べることができます。500ccの水に塩60gを溶かした塩水を用意します。そこにじゃがいもを静かに入れ、沈んだらデンプン含有量が多く(14%以上)、浮かべば少ないということがわかります。基本的には沈むタイプはじゃがいもの品種でいえば男爵のようなホクホク系で、浮かぶのはメークインのようなしっとり系です。
左がじゃがいも、右が新じゃがいも
個人的にはホクホク系のじゃがいもがおいしいとは思うのですが、しっとり系=デンプンが少ないということはしっかりとして、煮崩れしにくい特徴でもあります。そのためこの煮っ転がしのようなしっかりと煮付ける料理には向いているのです。
醤油と砂糖の甘辛い煮汁を、ほとんどなくなるまで煮ることを炊き上げ、といいます。きちんと煮詰めることが重要ですが、焦がしてはいけません。シロップ状の煮汁が全体に絡まった頃が加熱終了の目安です。
新じゃがいもは皮が薄いので、面倒であれば皮を剥かずに調理することもできます。皮の味も案外と悪くありません。じゃがいもの風味は皮にもあるのです。冷めてもおいしいので、蓋付きの保存容器に入れれば1〜2日は楽しめます。