マスクなどを送る支援の輪広がる…日本人に「感謝を伝えたい」 仙台に住む中国人が心境を語る

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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、マスクなどを送る支援の輪広がっています。日本からの支援に仙台に住む中国人が「感謝を伝えたい」と今の心境を語りました。

仙台市青葉区で漢方薬局を営む候殿昌(こう・でんしょう)さん。

日本の医学を学ぼうと東北大学に留学。

以来、仙台で26年間暮らす在日中国人です。

懐仁堂漢方薬局 店主 候殿昌さん

「国籍は中国ですけど、仙台は私の第二のふるさとというより、第一のふるさとです。ふるさと(中国)より長いから」

生まれ育った中国で新型コロナウイルスの感染拡大が報じられて以降、候さんの周りでは「親せきや友人が武漢にいるから心配だ」と不安の声が聞かれたということです。

そこで、候さんは在日中国人の知人と共にマスクや防護服、医療用手袋などを調達、2月16日、武漢市の医療機関に支援物資を届けました。

支援にあたっては仙台の人も力を貸してくれたそうで候さんは、その感謝の気持ちをブログに綴っています。

候さんのブログ

「マスクをはじめ医療用品を送ってくれて今、中国では日本政府と国民に感謝一色です」

候さんが思い出したのは東日本大震災の時の日本人の姿だったと言います。

懐仁堂漢方薬局 店主 候殿昌さん

「日本人はスーパーでもガソリンスタンドでも並んでいる。1人でたくさん買う人がいない。でも中国人の国民性の悪いところで、並ばないとか、大量に買い占めるとか、日本人と中国人の違うところ」

一連の中国人の行動は日本と中国の溝を深めかねない、そう心配する候さんがあるエピソードを話してくれました。

それは中国の文豪・魯迅と東北大学の藤野厳九郎教授との交流の話。

日清戦争で日本に敗れた中国を蔑視する風潮があった頃、日本にやってきた魯迅は留学先の東北大学で孤独を抱えていたといいます。

そんな時、魯迅に対し熱心に指導を行ったのが藤野教授でした。

人種の壁や国民性の違いではなく、人と人がつながる事の大切さを候さんは訴えます。

懐仁堂漢方薬局 店主 候殿昌さん

「私から見るとこれは両国にとって大事な財産ですね」

候さんが仙台で漢方薬局を営む理由。

それは中国人である自分が日本の人たちに役立つ存在でありたいと思うからだと話します。

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