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【政治】

<点検「桜を見る会」> 「白塗り」容認に論理矛盾

内閣府が国会向けに部局名を隠して提出した推薦者名簿(上)と本紙に開示した名簿

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 「桜を見る会」の公文書管理を巡っては、政府が名簿資料の一部を「白塗り」で隠して国会に提出したことも問題になった。野党は「改ざんだ。白塗りでは記載があったことも分からない」と批判する。

 問題の資料は、内閣府人事課が昨年十一月二十二日、参院予算委員会の理事に提出した推薦者名簿の一部。原本には「内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所」「閣総」と部局名が記載されていたが、国会提出資料については、人事課長らが提出前日に電子データ上で消去した。本紙の情報公開請求などによって今年一月に発覚した。

 内閣府は「誤解を招かないように修正した」と釈明する。内閣総務官室の依頼だったが、あくまでも推薦元は人事課のため、記載したままだと誤った情報として伝わるとの理屈だ。

 だが、内閣総務官室が主に扱うのは首相や与党など「政治枠」の推薦者だ。当時、政府側はこの推薦者名簿を既に廃棄したと国会で答弁していたため、つじつま合わせの「白塗り」だった疑いはぬぐえない。

 政府は「極めて不適切」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)として、今年一月に人事課長を厳重注意処分にしたが、違法性までは認めなかった。公文書管理を担当する北村誠吾地方創生担当相は、今月十日の衆院予算委員会で「別の文書を新たに作成した」と主張した。

 二十一日に開かれた衆院予算委中央公聴会でもこの問題が取り上げられた。公述人として出席したNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、北村氏の説明について「新たな公文書とすると、情報公開請求をして黒塗りになったものが新たな公文書になる。論理矛盾している」と批判した。 

  (妹尾聡太)

 

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