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【格闘技】

"東京なら好選手の1人止まり"知名度より強者を求めた3階級王者田中恒成…木村、田口戦で大きく成長

2020年2月21日 10時48分

世界ランカー相手にデビュー戦を白星で飾った田中恒成(左)=2013年11月

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◇インタビュー(中)

 WBOフライ級王座を返上し、年内の世界4階級制覇を目指す田中恒成(24)=畑中。インタビューの2回目では、史上最速タイの12戦目で3階級制覇を果たすなど、濃密な戦歴の収穫を語った。

 ―全勝のプロ15戦を振り返ると、常に強敵を求めてきた印象。18歳でのデビューも、世界ランカーが相手だった

 「そこはずっとこだわっている。デビュー戦も畑中(清詞)会長に『強い選手とをやらせてほしい』とお願いした。決まったときはうれしかったですけど、試合が近づくにつれて『アホな事を言ったかも』と、どんどん緊張した」

 ―難しいデビュー戦で判定勝ちできた

 「当時は腰痛など不安もあったけど気持ち良く入場できて、リングコールも響いて気合が入った。そして開始1分くらいでダウンを奪えた。最初の一発が『いけるじゃん』と自信になっちゃいました。あのダウンがなかったら、今どうなっていたか分からない」

 ―知名度が上がらず、悩む時期もあった。東京なら、という思いもあったのでは?

 「最初はそう思っていました。でも畑中会長の下だからこそ、早くチャンスをもらって5戦目で世界チャンピオン(WBOミニマム級王者)になれた。デビューして1年半、10代のうちにベルトを取れたことで満足せず、より大きな目標を持つことができた。東京でやっていたら、良い選手の一人止まりだったかもしれない」

12回、田口良一(左)を攻める田中恒成=2019年3月

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 ―2階級目では拳を痛めたり、眼窩(がんか)底骨折を負うなど、けがにも苦しんだ

 「キャリアの早い段階で克服できた。トレーニングもけがの予防を意識するようになったので、もう少し年齢を重ねたときに経験が生きてくると思う。選手寿命が長くなるかもと期待する勝手な思いもある」

 ―フライ級では木村翔(元WBO同級王者)からタイトルを奪い、田口良一(元WBA、IBFライトフライ級統一王者)を相手に初防衛。日本人対決で成長できたか?

 「2人には感謝しかない。気持ちの強い木村選手に負けないよう、真夏の炎天下で走り込むなど追い込めた。田口選手との試合で、強くなったメンタルを証明できた」

3階級それぞれ戴冠を伝える中日スポーツの紙面パネルを背に笑顔の田中恒成

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 ―田口の現役最後の相手になった

 「試合前からそういう予感はありました。試合には余計なことだけど、そこを頭に入れるだけの余裕というか自信があった。だから、真っ向勝負を貫けたと思う」

 ―木村が今月、再起戦を白星で飾った。再戦の可能性は?

 「上に行くため、自分から望むことはないですね。恩返しとは違うけど、木村選手と田口選手に『俺、こんな所まで来たよ』と言えるように、もっともっと大きな舞台に立ちたい」

 

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