東欧もまた奥深し。
スロバキア出身のレンズ設計者ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァールは、ダゲレオタイプ時代の20分もかかる撮影時間を改善するため、1840年にF3.7という超明るいレンズを発明し、以降も様々なレンズを生み出してきました。
ペッツヴァールのレンズは像面湾曲が目立ちましたが、面白いことにそれが逆に肖像に立体感を与えると捉えられ、長くポートレートレンズとして愛されていたとか。そんな偉大なレンズに敬意を表し、このたびロモグラフィーが作ったのは「Petzval 80.5 mm f/1.9 MKII」。
19世紀の美学を現代にリブートした、ポートレート撮影のためのレンズ。ペッツヴァール180周年を記念して作られたもので、写真だけでなくシネマライクな映像も楽しめるよう設計されています。180周年ならF1.8のがしっくりきたのになぁ感、ちょっとある。
ボケ感は東欧レンズらしく、ビロードのような渦巻ボケが特徴。また、Advanced Bokeh Control Editionには渦巻具合を7段階で調整するリングも備わっています。ピントはそのままにボケのかたちだけ変えれば、オンリーワンな絵が撮れるかも?
アルマイト処理済みのアルミ、ゴールドの真鍮、ブラックの真鍮の3種類がラインナップ。マウントは、ニコンFマウントとキャノンEFマウントの2種類です。もちろんフルサイズ対応。ヘリコイド付きアダプターを噛ませれば他マウントでも使えるし最短焦点距離も稼げますね。ポートレートレンズで寄るのもまた一興。
「Petzval 80.5 mm f/1.9 MKII」はMOTION GALLERYにてキャンペーン中で、執筆時点では3万1360円の出資からゲットできます。似たスペックのオールドレンズだと状態が気になるけど、こっちは新品なのでそのへんも利点。だって「Jupiter-9 85mm F2」を中古で探すくらいなら、ねぇ? うーん、これ自分で言いながら迷ってきたぞ。
Source: MOTION GALLERY via Kickstarter
2020年2月13日 13:00 訂正:当初、記事内のリンクをKickstarterとしておりましたが、日本の販路であるMOTION GALLERYに訂正いたしました。